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<第61回>「一人で旅立つ人」
 石坂は樹木医になるためイギリスへ行くという。
 そして、一人前になったとき、もしはるが自分のことを忘れないでいてくれたら、改めてプロポーズすると。
 はるは明るく石坂に別れを告げる。
 はるのことが不憫なかなえは、石坂に会いにいく。
 が、石坂の一人で渡英する決心は変わらなかった。
 そんな折、八重子がかなえに、勝人と結婚するようきりだす。どうしても信州屋を手に入れたい八重子は、かなえに美鈴の女将になってもらい、信州屋は美鈴の傘下として、自分の指導のもと、はるに雇われ女将として取り仕切ってもらうと。
 思いもよらない話に、はるは呆然。

<第62回>「キャンペーン失敗」
 信州屋を美鈴の傘下にしたい、という八重子からの申し出を、かなえはきっぱりと断る。はるも女将になる気は毛頭なかった。
 伝統ある名旅館が次つぎと閉鎖するなか、勝人は心配そうにかなえを見守る。
 かなえが商売を度外視した破格の安値の宿泊プランを提案。自らチラシを配って歩く。
 が、「閉店セールを始めたのか」と陰口をたたかれ、予約もさっぱりだった。
 かなえはめげることなく、起死回生の次の手を打つ。ホテル批評で有名なエッセイスト・黒田を招き、最高のサービスを提供、高い評価をしてもらおうと考えたのだ。料理もいつものものではなく、金に糸目はつけいないという。

<第63回>「許せない不正」
 エッセイストの黒田が、信州屋に来る。いい記事を書いてもらいたいかなえは、黒田に足もとを見られ、賄賂を要求される。
 かなえが賄賂を渡そうとしているのを知ったはるは非難。他の従業員たちも動揺し、八重子の提案に賛成する。
 その夜、かなえが黒田に金を渡すと、未来が飛び込んできて、黒田に突っかかっていく。
 はるもかっとなって、啖呵を切って、黒田を追い出す。
 仲居たちは皆で美鈴にトラバーユしようと相談し合う。
 はるもその気になるが、源さんは皆に、かなえの本当の気持ちを語って聞かせる。

<第64回>「お客様は家族です」
 かなえが従業員を守るために、自分一人で泥をかぶろうとしたのを知ったはるたちは、かなえに協力して皆で信州屋を守り立てていこうと励まし合う。
 そんなとき、黒田が再び来訪。信州屋を酷評したゲラずり段階の新聞の原稿を見せ、脅迫する。
 かなえは動じず、黒田のための料理を出して、心からもてなす。
 黒田は脱帽。八重子を呼んでほしいという。
 実は、黒田と八重子は知り合いで、かなえの女将としての力量を認めた八重子は、信州屋のバリアフリーの資金を融資する。
 まもなく、黒田の好意的な新聞記事により、信州屋には予約が殺到。はるたちは忙しくなる。

<第65回>「笑顔でサヨナラ」
 信州屋に客がつめかけ、経営が軌道に乗り始めた。
 はるは嬉しいが、気になることが一つあった。未来が自分のことを頼りにするあまり、かなえとのいい親子関係が築けないのだ。
 はるは信州屋を辞めることを決意。勝人に頼んで、ヘッドハンティングの話をでっちあげる。
 はるに裏切られたと思った未来は、旅館の後継者になることを宣言。かなえに仕事を一からたたき込んでほしいと頼む。
 翌朝、はるは皆に黙って信州屋を出る。はるが自分のために悪役を演じていたのを知った未来が追いかけてくる。
 そして、かなえはじめ、従業員たちも笑顔ではるを見送る。


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