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<第31回>「悪質な嫌がらせ」
 かなえは浩二から愛を告白されるが、その気持ちを受け入れることができないので、何も聞かなかったことにする。
 翌日、かなえも浩二も平静さを装う。その日の午後、浩二の手配で、雑誌の取材が信州屋に来る。はるも“名物仲居”として、カメラにおさまる。
 一週間後、雑誌にとりあげられたおかげで、信州屋に問い合わせの電話が殺到する。
 そんなとき、宿泊客の部屋に石が投げられ、くつろいでいた老夫婦がパニック状態になる。さらに、不吉なことに、雑誌の信州屋の記事の燃えカスが、旅館の裏手に落ちていた。

<第32回>「あどけない犯人」
 客室への投石事件で、信州屋の宿泊客たちが騒ぎだす。勝人が心配して駆けつけるが、浩二が土下座をして、客たちの怒りをしずめる。
 深夜、はるが投石の犯人を見つけ、つかまえる。まだ少年の将太で、「その女のせいだ」と、仲居の志保を指さす。志保は将太の父親と結婚の約束をしたが、騙して逃げたという。その夜は浩二が将太の面倒をみる。
 途方に暮れる志保に、シズ子は非難の言葉を浴びせかける。すると、志保は突然、豹変して、シズ子にくってかかる。シズ子は志保の頬を平手打ち。志保も平手を返して、つかみ合いになる。

<第33回>「もてもて支配人」
 翌日、志保は将太に謝る。将太から父親は別の女性と結婚したと告げられ、ショックを受ける志保。
 その夜、志保とシズ子が再び大喧嘩。志保は本当は将太の父親を愛していたことを告白。シズ子も家庭の悩みを打ち明ける。
 将太が新しい母親に馴染まないのを知った志保は、シズ子の忠告で、わざと将太に冷たい態度をとる。志保の本当の気持ちが伝わった将太は、「ありがとう」と言って、帰っていく。
 この事件がきっかけで、仲居たちの団結はまた一段と強くなった。
 そんなとき、勝人がいつになく険しい表情で、浩二を呼び出す。はるは不安げに二人を見送る。

<第34回>「事情のある母子」
浩二を呼び出した勝人は東京での浩二の生活を調べたことを告げ、浩二が多額の借金をかかえていること、女性と同棲していたことを指摘する。
 そこへ、はるが来る。浩二はやり直したい気持ちを訴え、はるは浩二を応援する。
 その日、はるは心臓発作を起こした麻衣子を助ける。五歳の息子・タケルを連れた麻衣子は世をはかなんで自殺を図ろうとする。
 はるはすんでのところで思いとどまらせ、かなえに頼んで、麻衣子を仲居として雇ってもらう。
 その夜、寮の部屋に落ち着いた麻衣子は、先ほどまでの表情とはガラリと変わって、冷酷にタケルを殴りつける。

<第35回>「ずるがしこい職人」
深夜、浩二が信州屋の厨房に勝人を呼び出す。改心したふりをしていた浩二は勝人にばれそうになり、勝人にばれそうになり、勝人を陥れるため、自ら食器棚に突っ込み、勝人のせいにする。
 浩二に騙されたかなえらは、勝人を非難。勝人は一言も弁解せずに去るが、はるに、「目を覚ませ。おまえしかいないんだ」と、耳打ちしていく。
 翌日、はるは、タケルが浩二に親しそうに話しかけるのを見て、不審に思う。
 実は、麻衣子は浩二の愛人で、浩二を追いかけて信州屋にもぐりこんだのだ。
 その夜、はるが繰り返し料理の説明をしたにもかかわらず、麻衣子のミスをして、鍋が沸騰。客に火傷をおわせる。

<第36回>「忍び寄る悪の手」
 客に火傷をおわせた麻衣子のミスに対して、浩二は教育係のはるに注意する。はるは、まるで自分を陥れるような麻衣子の行動に、不安が広がる。
 翌日、浩二の手配で、かなえと龍二は別府へ視察に出かける。
 その朝、麻衣子が再び、うっかりミスをして、客に迷惑をかける。はるが注意すると、麻衣子は大げさに泣きだし、皆の同情をかう。はるはいつのまにか自分が孤立しているのを感じる。
 麻衣子は自分に好意を持っている公平に泣きつき、はるから「目障りだから出て行け」と言われたと嘘をつく。
 さらに、タケルがはるから虐待されたような芝居をする。

<第37回>「しかけられた罠」
 柳生が奇跡的に回復した翌朝、健作が病院にやってくる。柳生は弟とその息子健作に家 浩二の罠にはめられたはるは、皆から白い目で見られ、何を言っても信じてもらえなかった。
 はるは未来に、浩二と麻衣子の関係を調べるよう頼む。
 が、浩二は、はるは自分にふられた腹いせをしているだけだ、と未来を丸め込む。
 はるは浩二と対決。浩二は、信州屋を自分のものにするのが狙いだ、と本性をあらわし、麻衣子は愛人だと告げる。
 そして、かなえに余計なことを話したら、信州屋を潰す、と脅迫する。
 まもなく、かなえが視察旅行から帰ってくる。はるは皆を守るために、屈辱に耐え、浩二の言いなりになる。

<第38回>「帰ってきた源さん」
 浩二に脅迫されたはるは手も足も出なかった。
 そんなとき、勝人が九州から源さんを連れてくる。はるは、浩二を信州屋から追い出すよう源さんに助けを求めるが、源さんは首をふる。小さい頃からの浩二の唯一の味方だった源さんは、浩二の改心するのを信じているという。
 信州屋を訪ねた源さんは浩二とにこやかに話をする。はるに呼ばれて来たのか、と憮然とする浩二に、自分は浩二の本当の顔を知っている、自分の前では素直になってほしい、と語りかける。
 はるを追い出す必要性を感じた浩二は、次の手を打つ。
 サラリーマン風の篠宮と田畑が信州屋に来る。

<第39回>「はる、危機一髪!」
 その夜、はるは腹痛でうずくまっているタケルを見つける。ひとまず寮の部屋に寝かせ、麻衣子を探しにいくが、客の篠宮に無理矢理、部屋に引っ張り込まれ、襲われそうになる。
 浩二の仕業だった。危ういところで、源さんが助けにきてくれる。
 源さんは浩二を信じようとした自分を悔やむ。
 が、浩二を慕うタケルの気持ちを知ったはるは、浩二を信じてみようと思う。
 タケルは神経性胃炎だった。はるは男に依存している麻衣子を叱り、タケルの支えになるべきだと訴える。
 麻衣子はタケルと二人で信州屋を出る決心をする。タケルの涙を見たはるは、麻衣子を引き止めるが、突き飛ばされ、意識を失う。

<第40回>「涙、涙の旅立ち」
 麻衣子に突き飛ばされ、意識を失ったはるは、まもなく目を覚ますが、立ちくらみを起こした、とその場を取り繕う。
 翌日、麻衣子は皆に浩二の悪事を暴露して、信州屋を去っていく。浩二は、麻衣子が旅館の金に手をつけようとしたからクビにした、彼女の話は全てでたらめだと言い逃れる。
 借金の取り立て屋から、浩二に催促の電話がかかる。焦った浩二は金庫から権利書などを持ち出そうとして源さんに見つかる。
 そこへ、はるが麻衣子親子を連れて戻ってくる。はるをはじめ、皆のやさしい気持ちに接した浩二は号泣。再出発を誓って、麻衣子、タケルとともに旅立っていく。


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