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<第11回> <第12回> <第13回> <第14回> <第15回> <第16回> <第17回> <第18回> <第19回> <第20回><第11回>「涙と怒りの鉄拳」
未来が悪友の彩、恵と町を歩いていると、不良女子高生のグループが立ちはだかり、自分たちの仲間になるよう強要。三日以内に、会費として二十万円持ってくるよう命令される。
食品会社の社長・晋太郎が、妻の小枝子と信州屋に泊まりにくる。晋太郎の顔を見た源さんの顔がこわばり、いつもの陽気さがなくなる。晋太郎は旅先でも、携帯電話で仕事の連絡をとり、部屋にパソコンが用意できないと知ると、怒りだす。さらに、旅館のインテリア、食事にまで注文をつけ言いたい放題。そんなとき、源さんが鬼のような形相で晋太郎につかみかかり、怒りの拳をふりおろす。<第12回>「勝負の新作料理」
番頭の源さんが、客の晋太郎に暴力をふるう。かなえは晋太郎夫婦にホテル「美鈴」へ移ってもらい、源さんに三日間の出勤停止を命じる。
かなえは信州屋を立て直すために、和食とフレンチを融合させた新しいメニュー作りを提案する。珠子は反対で、一週間後、試食会を行い、そこで認められることが条件だ、と釘をさす。
その夜、勝人からはるに未来を預かっている、と電話がかかってくる。未来は源さんと晋太郎の関係を聞きだすため、晋太郎を殴ったという。
はるは晋太郎に問いただす。晋太郎は三十年前、源さんの妻と駆け落ちしたことを打ち明ける。源さんは二、三日出かけてくる、とはるに手紙を託す。<第13回>「孤軍奮闘の戦い」
かなえは一人で、新作料理のメニュー開発に取り組む。見るに見かねたはるは、かなえを手伝うが他の従業員たちは二人に冷たい目を向ける。
老婦人・忍が、息子と待ち合わせのため、信州屋にやってくる。十年前、ぐれて家を飛び出した息子が、東京で成功。コンピュータ会社の社長になり、今日招待してくれたという。
まもなく、忍の息子・則彰が現れ、二人は感激の体面をする。
未来がかなえの部屋から郵便局の通帳を黙って持ち出そうとする。未来が女子高生たちに恐喝されているのを目撃したはるは、一計を案じて、見事、女子高生たちを撃退する。<第14回>「盗まれた財布」
出勤停止を命ぜられていた源さんが、勝手に仕事に復帰する。生き方を変えることにした、と宣言した源さんは、今までの温和な面影はなく、かなえにも辛辣なことをズバズバ言う。
その態度があまりにも傲慢なので、板長の龍二はじめ、従業員たちがかなえに同情、新作料理に協力し始める。
その日、はるは則彰が人相の悪い二人組の男に外へ連れられていくのを見て、不審に思う。
夜、宿泊客の一人が、三十万円入りの財布を盗まれた、と騒ぎだす。そして、付近を歩いていた源さんを疑う。はるは同じ場所で、源さんと則彰がぶつかるのを目撃していたが、源さんは知らないという。<第15回>「さよなら、源さん」
盗まれた財布を探していたはるは、深夜、則彰が人相の悪い二人組の男に、三十万円を渡しているのを目撃。続いて、源さん、珠子、忍もやってきて、則彰を追及。則彰は借金返済のため財布を盗んだことを認め、心を入れかえることを誓う。
珠子は三十万円を立て替え、客には財布が落ちていたことにして、その場を丸くおさめる。珠子は、源さんが入院中の別れた妻のために、信州屋を辞めようとしていたことを知っていた。そして、わざと悪役に徹して、新作料理の件で皆を一つにまとめようとしたことも。
まもなく、新作料理が完成。源さんは悪役のまま、去っていく。珠子がかなえに爆弾発言・・・・・・。<第16回>「思い出の家族写真」
信州屋のための、源さんの悪役芝居を見抜けなかったかなえに、珠子は出ていくよう命令する。が、かなえは従わない。
大女将と若女将に冷静に話し合ってもらうために、はるは未来に頼んで、家族がまだ仲良かった頃、よく行った公園に、二人を別べつに呼び出してもらう。
そんな折未来を恐喝していた女子高生たちが、チンピラ風の男たちを連れて、仕返しにやってくる。旅館内で傍若無人にふるまう彼らに、客たちも逃げ出すが、板長の龍二が、ひるむことなく彼らを追い返す。
騒ぎを聞きつけて戻ってきたかなえは、未来が悪い仲間を呼んだものと思いこみ、一方的に未来を叱りつける。<第17回>「若女将家を出る」
珠子とかなえの仲をとりもとうと、はるは一芝居打つが、それがかえって裏目に出て、かなえがとうとう信州屋を出ていくことになる。未来は信州屋に残るという。
珠子ははるに、かなえのかわりに女将になってほしいと頼む。が、かなえに戻ってきてほしいはるは、断る。
珠子は『女将募集』のビラを配り始める。
勝人が、行くあてのないかなえを松本城で見つける。
そして、ひとまず美鈴へ連れて帰るが、それを仲居の志保が目撃。二人に関して、あらぬ噂が立つ。
このままではかなえが信州屋に戻れなくなる、と心配したはるは、美鈴へ駆けつける。<第18回>「一世一代の大芝居」
はるは美鈴にいるかなえを訪ね、軽率な行動をとらないよう忠告する。かなえは、美鈴には客として泊まっているだけだ、と反論。信州屋に戻るつもりはないと主張する。
勝人の恩師で、かなえ夫婦の仲をとりもった剣之介が、海外ボランティアから一時帰国してくる。信州屋を愛する剣之介に、現状を知らせたくないという勝人。
共感を覚えたはるは、信州屋に来た剣之介に、すべてがうまくいっている、と嘘をつく。
そして、かなえに剣之介の滞在の間だけ、若女将に戻ってもらうよう訴える。
はるはかなえを信州屋に連れて帰り、珠子はじめ従業員たちにも芝居を打ってもらうよう説得する。<第19回>「うるわしき嫁姑」
剣之介を悲しませないために、珠子とかなえは仲のいい嫁姑を演じ、未来もかわいい少女のふりをする。
その夜、かなえは剣之介に見てもらうために、旅館の改造計画書を作成する。
そこへ、珠子がやってきて、いろいろアドバイス。二人は日頃の確執も忘れて計画書作りに熱中する。
翌朝、計画書が完成。二人は手を握り合って喜ぶが、次の瞬間、ふと我に返って再び、他人行儀になってしまう。
かなえは剣之介の言葉から、自分が珠子のことを誤解していたのを知る。
はるはこのまま嘘がばれないようにと願うが、剣之介が、珠子が作った『女将募集』のビラを見つけてしまう。<第20回>「長い確執の果てに」
皆に騙されていたことを知った剣之介は、烈火のごとく怒る。
かなえは、すべて自分の責任だ、と土下座をして謝り、嘘の芝居をしているうちに自分の愚かさに気づき、もう一度、皆と一緒に働きたい、と涙ながらに訴える。
他の従業員たちも、かなえと同じように気持ちを新たにする。
剣之介は安心して、信州屋をあとにする。
かなえは珠子への感謝の気持ちも込めて、未来と三人でピクニックへ行く計画を立てる。そして、徹夜して、弁当作りに専念する。
翌朝、はるはうきうきした気分で、珠子を呼びにいくが、珠子は蒲団の中で、すでに帰らぬ人となっていた・・・・・・。