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<第1回> <第2回> <第3回> <第4回> <第5回> <第6回> <第7回> <第8回> <第9回> <第10回><第1回>
信州・安曇野で、農家の手伝いをしていたはるは、観光客の老婦人・志乃が、三人組の女子中学生にバッグをひったくられるのを目撃。バッグを持って逃げる未来を必死に追いかけ、つかまえるが、未来はバッグを川に投げ捨てる。
そこへ、浅間温泉・信州屋の若女将・かなえが通りかかり、争うはると未来を旅館へ連れ帰る。
未来はかなえの娘だった。全く反省の色のない未来にかわって、かなえがはるに謝罪。志乃のバッグには、散骨のための志乃の亡夫の遺骨が入っており、はるは川に戻り、骨壺を探し始める。
まもなく、そこに、信州屋の大女将で、かなえと仲の悪い珠子が加わる。<第2回>
捨てられた骨壺を探すため、はると珠子は川さらいに没頭する。おかげで橋の上には、何事かと見物客が集まり始める。が、ついに探しものは見つからなかった。
二人は信州屋に戻ると、玄関に未来のバッグがこっそり置いてあった。中には骨壺と遺影と財布が・・・・・・。珠子は未来にまだ将来の女将としての望みがあるのを知り、安心する。未来の父は五年前に急死していた。
信州屋では、珠子とかなえが何かにつけて対立し、その板ばさみで仲居頭も辞めていた。その日も、珠子が命令した出入り清掃業者の廃止をめぐってトラブルが起こり、三人の仲居と板場の二人が、ストライキを起こす。<第3回>
大女将のワンマンぶりに反発して、従業員たちがストライキを起こす。
おかげで、フロントで待たされっぱなしの宿泊客たちが怒鳴りだす。
見るに見かねたはるは、仲居の制服に着がえ、客の接待を始める。はるのこなれた着こなしを見た珠子は一目で、はるが仲居をしていたことを見破る。番頭の源さんも、はるのたくみな客あしらいに、目を見張る。
志乃も、厨房の手伝いを申し出る。深川の料亭の女将をしていたという志乃は板長・龍二の作る料理を手際よく盛りつけていく。
はると志乃のプロの仕事ぶりに、度肝を抜かれた従業員たちは、ストを中止。
が、珠子とかなえの溝はますます深くなる。<第4回>
ストライキ騒ぎがあった翌朝、志乃が珠子に、信州屋で雇ってほしいと言いだす。息子夫婦と衝突して、家出してきたという。
珠子は困惑するが、志乃は勝手に働くつもりになり従業員たちを指導し始める。
はるは自分の受け持った客を送り出し、部屋の掃除を終えたら、帰るつもりだった。
そこへ、志乃の息子・高志と妻の貴美子が、志乃を迎えにくる。
が、話し合いは平行線に終わり、翌朝を迎える。
志乃が荷物を持って、姿を消す。はるは心配になって志乃を探しにいくが、志乃ははるの目の前で、電車に乗って行ってしまう。その電車に、そばにいた未来が飛び乗る。<第5回>
志乃が、「おじいさんの所へ行く」と言って、電車でどこかへ行ってしまう。志乃が自殺するかもしれない、とはるは大騒ぎするが、貴美子は、そんなことはありえない、と平然としていた。
珠子とはるは、志乃を探して美ヶ原高原へ。果して志乃は夫との思い出の高原に一人たたずみ、そんな志乃を遠くから未来が心配そうに見ていた。
珠子は志乃を励まし、信州屋へ連れて帰る。
翌日、志乃は和解した息子夫婦とともに帰っていく。
はるは信州屋で働く決心をする。珠子ははるを仲居頭に抜擢。
一方、かなえも新しい仲居頭として、仲居頭の経験のある町子を採用する。<第6回>「ハートで勝負!」
信州屋で働くことになったはる。珠子から仲居頭に抜擢されるが、かなえも仲居頭として、町子を雇い入れる。このままでは収拾がつかないので、はるは自ら仲居頭を辞退する。
未来が旅館のジュースを勝手に持ち出す。はるはかなえに忠告するが、かなえは未来をかばう。
古い経営方針に反発するかなえが、新しい接客マニュアルを発表する。はるは「お帰りなさいませ」と客を迎える従来のやり方だけは、自分の判断で続ける。
かなえは憤慨。はるに罰を与えようとする。
カラオケの是非をめぐって、はると町子が対立。カラオケ嫌いのはるの担当の島崎夫妻は、約束が違うと怒りだす。<第7回>「噂のバカ息子」
町子が、カラオケをしたいという六人グループの客の意見を優先させようとしたので、カラオケ嫌いの島崎夫妻は、別の旅館へ移ると怒りだす。はるはグループ客を説得しようとするが失敗。珠子はそのグループに、カラオケルームのあるホテル美鈴へ移るよう勧める。
ホテル美鈴は昔からのライバル旅館で、現社長の勝人が大改装を行い、大繁盛していた。
一方、信州屋は客が減る一方で、危機的な状況にあった。
かなえは町子と相談して信州屋にカラオケルームを作る計画を立てていた。
はるは源さんから、勝人が昔、かなえに求婚。ふられたことを聞かされる。<第8回>「キャンセル続出」
ホテル美鈴が、一泊二食食べ放題で一万円、の企画を打ち出し、テレビで大大的に宣伝する。
そのせいで信州屋はキャンセルが続出。危機感を感じたかなえは、独断で“信州屋改造計画”を発表する。
それは、カラオケルームの設置と、食事の部屋出しの廃止だった。
はると源さんは反対するが、その他の従業員たちは賛成だった。珠子も抗議しようとするが、今回ばかりはかなえは口をはさませない。
はるは珠子と源さんを誘って、松本城に客引きに出かける。
が、人々の反応は冷たい。
はるは客の注意を引くために、チンドン屋のような派手な格好をする。<第9回>「いざ、敵情視察」
はるの客引きのかいもなく、客は一人も集まらなかった。
その夜、スナックで偶然勝人と会ったはるは、ホテル美鈴が流行っている理由を尋ねる。「キーワードは遊園地」と答える勝人。
もともと勝人のことが嫌いなはるは悪酔いして、翌朝、気がつくと、ホテル美鈴の客室で寝ていた。はるは勝人の勧めで、ホテル内を見学してから、信州屋へ帰る。
が、朝帰りを仲居のシズ子に目撃され、あらぬ噂をたてられる。
かなえは改装工事の代金を、町子から紹介された業者の元木に支払う。
その日、信州屋では、大事な客、山科銀行の御曹司を迎える。<第10回>「騙し取られた大金」
銀行の御曹司・山科は、資産家令嬢の百合子にプロポーズするため、信州屋で夕食をとる。山科から料理を一度に出すよう指示があったが、はるは自分の信念に基づいて、一品ずつ運ぶ。
山科は怒りだすが、はるの心配りに気づかない山科に失望して、百合子は帰ってしまう。
そんな騒ぎのなか、泥棒事件が起こる。厨房から高級食材がごっそり盗まれたのだ。
町子は犯人は未来だと主張。かなえは未来を問いつめるが、未来は怒って家出。
まもなく、真犯人の町子が姿を消し、かなえは元木もぐるで、三百万円騙し取られたことを知る。
勝人が資金援助を申し出るが、かなえは断る。