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<第51回>「石坂くんの告白」
 石坂が信州屋で働き始める。主に雑用係だが、その真面目な働きぶりに、皆、好感を持つ。石坂ははるのことが好きだった。ある日、石坂ははるに告白。つき合ってほしい、と申し込む。はるは驚くが、今は仕事しか眼中にないと言って、話をはぐらかす。
 はると石坂のことが、仲居たちの噂にのぼる。皆にからかわれても、はるのことはあきらめない、と石坂は屈託がない。
 そんなある日、はるは旅行者らしい若い女性・千晶と知り合う。恋人が突然いなくなった、と泣く千晶の話を聞くうちに、はるは千晶の相手が石坂だと知る。
 はるは千晶を石坂にひき合わせる。

<第52回>「苦悩の三角関係」
 千晶は、石坂が自ら破門を申し出た親方の娘だった。石坂との結婚を夢見ていた千晶は、なぜ黙っていなくなったのか、と石坂に問いかける。千晶に好感を持つものの、恋愛感情を抱いたことのない石坂は、困惑顔。
 一方、はるは千晶の純粋な愛に胸を打たれ、千晶を応援することに決める。
 千晶が、信州屋で住み込みで働きたいと言いだす。石坂は千晶に帰るよう言い聞かせ、自分ははるのことが好きだ、と打ち明ける。
 ショックを受けた千晶ははるを恨みながら、帰っていく。自分のお節介が千晶を傷つけることになり、はるは深く落ち込む。石坂もまた傷ついていた。

<第53回>「悲しい置き手紙」
 計らずも、千晶と石坂を傷つけてしまったはるは、自己嫌悪に陥り、石坂とまともに向きあえなくなる。はるはひたすら仕事に打ち込み、なんでもかんでも1人でこなそうとする。
 そんなはるを心配して、源さんが話を聞く。はるは、これ以上石坂を傷つけたくないから、本気で仕事にかけているところを見せるしかない、と答える。源さんは勇気を出してケジメをつけるべきだと忠告する。
 はるは石坂に謝り、自分の気持ちを伝える。はるがどんなに仕事を愛しているかわかった石坂は、自分の方からも謝る。
 翌朝、石坂が1枚のメモを残して、信州屋からいなくなる。

<第54回>「失恋の痛み・・・」
 石坂が黙って、はるの前から姿を消す。ショックを受けるはるを気遣い、かなえはその日1日、はるに休みを取らせる。
 その夜、はるは源さんから、別れた妻と再び入籍したことを知らされる。源さんの妻は寝たきりだが、「一瞬、一瞬のお互いの思いを大事にしたい」という源さんの言葉に、はるは心打たれる。
 八重子が、石坂の親方から預かったという剪定バサミをはるに届けにくる。石坂の腕をかっている親方からの贈り物で、石坂に渡してほしいと。
 石坂は今、上高地にいて知り合いのホテルでアルバイトをしているという。
 はるは上高地へ駆けつける。

<第55回>「上高地での再会」
 はるは石坂のいる上高地のホテル「白樺荘」へ駆けつける。
 そして、石坂に剪定バサミを渡し、いろいろと語り合う。
 その夜、はるはホテルに泊まり、翌朝、帰る。石坂は“たいまつ祭り”までには帰ると約束するのだが・・・。

<第56回>「愛のお見舞弁当」
 石坂が怪我をして、病院へ運ばれる。命に別状はなかったが、全治一ヵ月。子どもを助けようとして、崖から落ちたという。はるは献身的に看病する。かなえたちはそんなはるを温かく見守る。
 まもなく、石坂が退院。完治するまで、信州屋で養生することに。
 はるは石坂に愛を告白しようとするが、言いそびれる。
 その夜、石坂の退院祝いの祝宴が開かれる。酔った源さんは石坂に、はるを幸せにしてほしいと頼む。
 数日後、八重子が険しい表情で、かなえを訪ねてくる。親方の話によると、石坂の怪我をした手は、二度と元に戻らないと・・・・・・。愕然とするはる・・・・・・。

<第57回>「悲しすぎる宣告」
 石坂の右手は日常生活に支障はないが、造園師として復帰するのは無理だという。はるは仕事が手につかず、石坂に事実を告げることなどとうていできない。
 信州屋に、若い女性客・悦子が来る。
 そして、翌朝、悦子を追って、恋人の戸田が来る。戸田はJリーガーだが、怪我で再起不能になり、悦子から別れをきりだされていた。
 はるは、二人で新しい夢を見つけてほしい、と悦子を非難。はるの気持ちがわかるかなえは、土下座して悦子に謝る。
 結局、戸田は一人で帰っていく。
 その夜、はるは思いきって、石坂に右手のことを告げる。

<第58回>「奇跡を信じて・・・」
 はるは石坂に、右手の神経麻痺は治らないことを告げる。石坂はショックを受けたものの、「努力すれば不可能なことはない。怪我は絶対に治して見せる」と笑顔を見せる。
 翌日、石坂は今まで通り仕事ができることを証明するために、頼まれていた仕事に出かけていく。
 その日、シズ子が休みをとり、志保と南は急病で働けなくなる。かなえは予約客を断ろうとするが、はるは「努力すれば不可能なことはない」と、一人で乗りきるつもり。
 口うるさいことで有名な会社社長・百瀬が宿泊。自発的に仲居の仕事を手伝っていた未来の茶髪が気にいらず、憤慨して帰ろうとする。

<第59回>「去っていく足音」
 茶髪の仲居に腹を立て、帰ろうとした百瀬を、はるは引きとめる。未来も必死に事情を説明。百瀬は機嫌を直す。
 そして、はるらはその夜の仕事を無事、こなす。
 そこへ、石坂が暗い表情で帰ってくる。仕事は失敗。病院を回り、怪我は絶望的だと思い知らされたという。はるは石坂を励ますが、石坂は、自分のことは忘れてほしい、と捨鉢になる。
 翌日、石坂は源さんや未来の励ましにも、頑に心を閉ざす。
 そして、深夜泥酔して、チンピラと大喧嘩。悲しくなったはるは、「私の前から消えて」と口走る。
 石坂は信州屋から出ていく。

<第60回>「新しい夢の発見」
 石坂が去って一週間。はるはことさら明るくふるまい、仕事に没頭する。
 若い女性まどかが信州屋に宿泊。板長に会わせてほしいという。龍二が行くと、まどかは驚いた顔になり、順の名を呼ぶ。
 実は、まどかは順の恋人で、順は自分は板長だと嘘をついていたのだ。まどかは怒って、帰ろうとする。はるは一計を案じて、二人を仲直りさせる。石坂からはるに手紙が届く。「もう一度会いたい」と。はるは石坂の待つ上高地へ駆けつける。
 石坂は、新しい夢が見つかったといい、樹木医になる決心を語る。
 そして、イギリスへ行くと。


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