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<第21回>「若女将へのエール」
 珠子が脳溢血で、あっけなく他界。かなえは悲しみを乗り越えて、一人気丈に頑張るが、従業員たちは緊張の糸が切れたようで、かなえの女将としての技量にも、疑問を感じる。
 そんななか、はるだけはかなえを信じて、励まし続ける。
 珠子の初七日も無事終わり、かなえは従業員たちにねぎらいの言葉をかけ、お疲れ会を開く。かなえを見直した一同は、若女将の支えとなって、信州屋をもりたてていこう、と気持ちを新たにする。
 その翌日、はるが客の土井夫婦を予約してあった部屋に案内すると、そこにはすでに、中年客の萌子と美代子が浴衣姿でくつろいでいた。

<第22回>「大きくなる亀裂」
 仲居シズ子の手違いで、ダブルブッキングが起こり、土井夫婦の予約していた部屋には、すでに先客がいた。
 かなえはなんとかして土井夫婦に別の部屋に泊まってもらおうとするが、土井夫婦は怒って帰ってしまう。自分の未熟さを改めて思い知らされたかなえは、大女将に一歩でも近づこうと必死に努力する。
 が、はる以外の仲居たちは不満を持ち、勝人も経営者としての実力を示さない限り、従業員はついてこない、とクールなまなざし。
 そんな折、かなえがシズ子の掃除の仕方や電話のメモの取り方について、厳しく注意する。シズ子はダブルブッキングのことをかなえが根に持っていると思い泣き伏す。

<第23回>「女将バッシング」
かなえは立派な女将になろうと、何もかも一人で背負い込み、しゃかりきになる。はるはかなえがますます孤立するのを心配するがそんな矢先、かなえが業者への支払いを忘れて、食材が届かないというトラブルが起こる。
 従業員たちはかなえへの不信感を募らせ、投げやりなムードが広がる。
 はるはかなえに忠告。
 が、かなえは今の状況では人任せにできない、と全く耳を貸さない。
 先代からの大切な客、作家の真理子が信州屋に来る。
 執筆を始めた真理子の部屋は、くしゃくしゃに丸められた原稿で散らかるが、仲居の志保がそれを掃除。真理子は、大切な原稿を返せ、と怒りだす。

<第24回>「あこぎな引き抜き」
 大切な原稿を捨てられた真理子は激怒。はるはゴミをチェックするが、原稿は見つからない。
 そこへ、編集長の上島が原稿を取りにくる。真理子は逃げ出し、美鈴に姿を隠す。
 力を落とすかなえに、勝人は、女将の暖簾が重いのなら、信州屋を買い取らせてもらおうか、と容赦がない。
 翌日、仲居の三人が美鈴に引き抜かれて、辞めていく。
 かわりに、派遣の仲居が来るが、かなえに失望した板長の龍二は、自分も美鈴へ行く、と言いだす。
 かなえはそれを引き止めようともせず、はるにもどこへでも行ってもいい、と告げる。

<第25回>「女将、辞めます!」
 仲居に続いて、板長はじめ、板場の二人も信州屋を去っていく。
 翌朝、はるは派遣の板長西嶋と朝食の用意をして、未来、そして彼女の友達、恵と彩にも手伝ってもらう。
 そこへ、真理子が顔を出す。出版は中止したといい、原稿を捨ててもらって、かえってよかったと。
 女将としての自信をなくしたかなえは、はるに出ていってほしいと言い渡し、勝人に信州屋を引き受けてほしいと頼む。
 勝人は断り、はるがどんなにかなえのことを思っているか、訴える。かなえははるに謝り、一緒に新しい信州屋を作っていこうと手を取り合う。
 まもなく、従業員たちも戻ってくる。

<第26回>「帰ってきた風来坊」
 かなえを中心に、新しい信州屋作りが始まる。はるはかなえの片腕となって働くが、仲居の南はそんなはるにライバル意識を燃やす。
 客の入りの良くない信州屋に、珠子を偲んで昔馴染の客がつめかける。信州屋から案内の手紙が届いたというが、誰も書いた覚えがない。
 はるが、旅館をのぞいていた不審な男をつかまえる。男の顔を見たかなえは驚愕。珠子の次男・浩二だった。家出をしていた浩二は、珠子の遺影の前で、親不孝を泣いて謝る。
 未来の遊び仲間、恵が万引きを見つかり、店員に怪我をさせる。未来の所に逃げ込んできた恵は、錯乱のあまりはるに包丁をつきつける。

<第27回>「はるが人質に・・・」
 万引きを見つかり、パニック状態になった恵は、はるに包丁をつきつけ、食堂に立てこもる。恵の母親・典子が駆けつけるが、恵はいつも優秀な姉と比較されている不満をぶつける。
 なりゆきを見守っていた浩二が、自分も優秀な兄に対して恵と同じ気持ちを抱いていたと言い、大切なのは自分の道を歩くことだ、と訴える。
 恵は泣きながら典子の胸に飛び込み、二人で店に謝りにいく。
 浩二が下働として信州屋で働き始める。一から出直す決意だが、過去の浩二を知っているシズ子は半信半疑。
 そんなとき、南が突然、辞めると言いだす。はるは引きとめようとするが・・・・・・。

<第28回>「涙のチームワーク」
 若い女性、真名美と理恵が信州屋に来て、大学時代の友人で、副支配人の南を呼んでほしいという。嘘がばれる前に逃げ出すつもりの南だったが、真名美らに見つかり、馬鹿にされる。
 そんなとき、南のミスで客の早崎から頼まれていた芸者の手配ができなくなる。
 責任をとって、辞めるという南。はるは南のために一肌脱いで、自分が芸者になると言いだす。
 すると、かなえも志保もシズ子も協力すると。
 そこへ、浩二が別の温泉から芸者を連れてきてくれる。
 真名美たちはやさしい人たちに囲まれている南を羨ましく思い、南に意地悪なことを言ったのを謝る。  南は仕事に張り切る。

<第29回>「1年前の悲劇」
 浩二が信州屋に戻ってきたのを知った勝人は、彼が本当に立ち直ったのかどうか危ぶむ。かつて、浩二はかなえに思いを寄せ、居づらくなって飛び出したという。
 車椅子に乗った琴美と、義弟の辰徳が信州屋に泊る。琴美は毎年、夫と信州屋を利用していたが、交通事故で夫は即死。自分も重傷を負い、歩く気力をなくしていた。
 事故以来落ち込んでいる琴美を、何とか励ましたい辰徳。が、琴美はもう自分にはかまわないでほしいと拒絶する。
 その夜、車椅子の琴美が廊下で転倒。通りかかった未来が、あわてて助けを呼ぶ。

<第30回>「許されぬ愛の告白」
 車椅子で転倒した琴美は惨めさに打ちひしがれ、ますます自分の殻に閉じこもる。辰徳の琴美への愛を見抜いた浩二は、辰徳に自分の気持ちを琴美に伝えるべきだと忠告。が、かなえは反対する。見るに見かねた浩二は、辰徳の気持ちを琴美に伝える。琴美は苦しみのあまり泣きだす。かなえは琴美と話し合い、やさしく励ます。
 翌朝、歩く意欲をとり戻した琴美は、辰徳にもうしばらく自分を支えていてほしいと言い、二人で帰っていく。
 皆の推薦で、浩二が支配人になる。そんな矢先、浩二はかなえに愛を告白する。


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