ギルガメッシュ
#12 メリーウィドウ~陽気な未亡人~
朝日が差し込むホテル・プロヴィデンス。いそいそと外出の準備をする竜也。今日久しぶりに姉の紀世子と二人で会うことになったのだ。遊園地。竜也を待つ紀世子は突然目隠しをされる。「…竜也の手はすぐにわかるよ」「会いたかったよ」という紀世子に照れて「うん」としか答えられない竜也。遊園地でめいっぱい遊ぶことにする二人。紀世子の現状を尋ねる竜也に、ピアノ工場での見習の日々の苦労話を話す紀世子。
ホテルでは風子が暇を持て余しているがイサムに竜也への想いを突かれ動揺する。イサムは本を読んでいる。そこにはオルガの文字が…組織…団体…有機体…器官…臓器…
遊園地の運河に浮かぶ遊覧船。人気はなく、姉弟だけが話をしている。夫人がヘヴンズゲートにいた事、彼女が竜也を見る目のこと、死んだ母など。話をしているうちにギルガメッシュと戦い、シェルタリングスカイを消し去る手伝いをするのだと熱く語り始める竜也を、傲慢なんじゃないかと諭す紀世子。竜也はつぶやいてしまう。「…だんだん母さんに似てきたよね」「この前はあの女…今度は母さん?!」傷ついた紀世子はひとり走り去る…
紀世子を探してうろつく竜也。突然目隠しされる。今度は紀世子からのお返しだ。「デュナミスを使えば簡単に捜せるんじゃないの?」「ずっと見てたの?」「竜也が何処にいるかなんてすぐわかるもん…」泣き出す竜也。「いじめてみたくなっただけ」遊園地を出てピアノ工場へと向かう二人。「送ってくれてありがとう…」竜也に近づく紀世子。道路鏡の中で重なり合う二人。別れる二人。走り出す竜也を見送ってから工場の前を離れていく紀世子…
回るミラーボール。キャバクラの店内。作り笑顔をふりまく紀世子が働いている。ボーイに呼ばれ奥のソファーに座る女性のもとへ…笑顔が引きつる。「せっかく入ったピアノ工場すぐ潰れちゃったんですって?」「弟には話すんですか」「思春期の坊やにはちょっと刺激が強すぎるし」「今日はバカにしにきたんですか」怒る紀世子に竜也の出生の秘密について話があると語る夫人。「貴女が抱えている債務、その多くが竜也の生まれる一年前に出来たものよ」「でも」「かかるかも知れないわ。特別な子を産む場合は…その証拠にデュナミスが使えるんですもの。あなたと違って…」「母さんが生まれてくる男の子と一緒に父さんの汚名を晴らすって…その子が父さんの事一番良く判るからって…」「そうだったの」「そうってどういうことなんですか?!」紀世子を残して立ち去る夫人。
帰ってくる竜也。風子にブタのぬいぐるみをプレゼントする。くしゃみする風子。ホテルに戻った夫人のもとには結城虎之助から生前葬の案内が届いていた…
宮殿とも言うべき広大かつ荘重な屋敷。結城虎之助の邸宅である。ここで今日、結城の生前葬が営まれる。彼はヘヴンズゲイトの創設者、また、ミットライト社の総帥でスカイクレンジング計画も推し進めている。生前葬に招かれている伯爵夫人、竜也、オルガ達。彼らに近づいてくるサングラスの男。「会長が直々にと」結城の懐刀で傘下の軍事会社を任されている風祭だ。庭園内をうろつく竜也たち。周囲に殺気を感じ、突然竜也の意識が遠のいていく。
屋敷の休憩室。布団に寝かされていた竜也の意識が戻る。枕元にはイサム、透、そして盲目の少女。どうやら殺気がデュナミスで増幅されたようだ。
風祭に伴われ、結城の元に向かう夫人。結城は夫人の名付け親だった。昔話をする二人。そこにやって来る先ほどの少女。「養女にしている麗子だ」進む話。風祭が言う。「竜也くんはエンキドゥのクローンだそうですね」結城が重ねて「その子を使って初めて愛した男の無実を晴らそうとしているのかね」風祭は竜也とオルガ達を自分に預けて欲しいと依頼する。私は私のやり方でと拒絶する夫人。流れる緊迫とした雰囲気。
庭園の池で蠢くオオサンショウウオを見つめるイサム。風祭がやって来る。ミットライト社の資料室に忍び込んだのはオルガやデュナミスのことを知りたかったからだと語るイサムに「何だったら俺が教えてやろうか」そこに夫人がやって来る。捨て台詞を残して立ち去る風祭。
休憩室で食事をとる伯爵夫人一行。竜也が、次に透が何かを感じた様子を見せる。建物の一角。侵入するノウェム、セクス、ウーノ、ドゥオ。非常ベルが鳴り響く。休憩室の外を走っていく特殊部隊らしい異形の影。
建物の奥。獲物を見つけた様子で、殺意むき出しに飛びかかるギルガメッシュ達。宮殿のような建物の中心辺りから強烈な波動が放射状に広がっていくのがわかる。今のは…デュナミス…竜也達が使ったわけでもないのに…修羅場を経て、むちゃくちゃになっている室内。ギルガメッシュの姿も特殊部隊の姿もなく、風祭他十数名の関係者が横たわった結城老人の検分している。シュッと姿を現す竜也たち。「ギルガメッシュは?」「逃げられた」「特殊部隊は?ゴキブリみたいな」「撤収した。」その名もブラッタリア。老人は替え玉だった。その傍らにはボロボロになった麗子が…イサムが言う。「デュナミスを使ったの、君だね。」
「うち、あほやからわからへん…」
ホテルでは風子が暇を持て余しているがイサムに竜也への想いを突かれ動揺する。イサムは本を読んでいる。そこにはオルガの文字が…組織…団体…有機体…器官…臓器…
遊園地の運河に浮かぶ遊覧船。人気はなく、姉弟だけが話をしている。夫人がヘヴンズゲートにいた事、彼女が竜也を見る目のこと、死んだ母など。話をしているうちにギルガメッシュと戦い、シェルタリングスカイを消し去る手伝いをするのだと熱く語り始める竜也を、傲慢なんじゃないかと諭す紀世子。竜也はつぶやいてしまう。「…だんだん母さんに似てきたよね」「この前はあの女…今度は母さん?!」傷ついた紀世子はひとり走り去る…
紀世子を探してうろつく竜也。突然目隠しされる。今度は紀世子からのお返しだ。「デュナミスを使えば簡単に捜せるんじゃないの?」「ずっと見てたの?」「竜也が何処にいるかなんてすぐわかるもん…」泣き出す竜也。「いじめてみたくなっただけ」遊園地を出てピアノ工場へと向かう二人。「送ってくれてありがとう…」竜也に近づく紀世子。道路鏡の中で重なり合う二人。別れる二人。走り出す竜也を見送ってから工場の前を離れていく紀世子…
回るミラーボール。キャバクラの店内。作り笑顔をふりまく紀世子が働いている。ボーイに呼ばれ奥のソファーに座る女性のもとへ…笑顔が引きつる。「せっかく入ったピアノ工場すぐ潰れちゃったんですって?」「弟には話すんですか」「思春期の坊やにはちょっと刺激が強すぎるし」「今日はバカにしにきたんですか」怒る紀世子に竜也の出生の秘密について話があると語る夫人。「貴女が抱えている債務、その多くが竜也の生まれる一年前に出来たものよ」「でも」「かかるかも知れないわ。特別な子を産む場合は…その証拠にデュナミスが使えるんですもの。あなたと違って…」「母さんが生まれてくる男の子と一緒に父さんの汚名を晴らすって…その子が父さんの事一番良く判るからって…」「そうだったの」「そうってどういうことなんですか?!」紀世子を残して立ち去る夫人。
帰ってくる竜也。風子にブタのぬいぐるみをプレゼントする。くしゃみする風子。ホテルに戻った夫人のもとには結城虎之助から生前葬の案内が届いていた…
宮殿とも言うべき広大かつ荘重な屋敷。結城虎之助の邸宅である。ここで今日、結城の生前葬が営まれる。彼はヘヴンズゲイトの創設者、また、ミットライト社の総帥でスカイクレンジング計画も推し進めている。生前葬に招かれている伯爵夫人、竜也、オルガ達。彼らに近づいてくるサングラスの男。「会長が直々にと」結城の懐刀で傘下の軍事会社を任されている風祭だ。庭園内をうろつく竜也たち。周囲に殺気を感じ、突然竜也の意識が遠のいていく。
屋敷の休憩室。布団に寝かされていた竜也の意識が戻る。枕元にはイサム、透、そして盲目の少女。どうやら殺気がデュナミスで増幅されたようだ。
風祭に伴われ、結城の元に向かう夫人。結城は夫人の名付け親だった。昔話をする二人。そこにやって来る先ほどの少女。「養女にしている麗子だ」進む話。風祭が言う。「竜也くんはエンキドゥのクローンだそうですね」結城が重ねて「その子を使って初めて愛した男の無実を晴らそうとしているのかね」風祭は竜也とオルガ達を自分に預けて欲しいと依頼する。私は私のやり方でと拒絶する夫人。流れる緊迫とした雰囲気。
庭園の池で蠢くオオサンショウウオを見つめるイサム。風祭がやって来る。ミットライト社の資料室に忍び込んだのはオルガやデュナミスのことを知りたかったからだと語るイサムに「何だったら俺が教えてやろうか」そこに夫人がやって来る。捨て台詞を残して立ち去る風祭。
休憩室で食事をとる伯爵夫人一行。竜也が、次に透が何かを感じた様子を見せる。建物の一角。侵入するノウェム、セクス、ウーノ、ドゥオ。非常ベルが鳴り響く。休憩室の外を走っていく特殊部隊らしい異形の影。
建物の奥。獲物を見つけた様子で、殺意むき出しに飛びかかるギルガメッシュ達。宮殿のような建物の中心辺りから強烈な波動が放射状に広がっていくのがわかる。今のは…デュナミス…竜也達が使ったわけでもないのに…修羅場を経て、むちゃくちゃになっている室内。ギルガメッシュの姿も特殊部隊の姿もなく、風祭他十数名の関係者が横たわった結城老人の検分している。シュッと姿を現す竜也たち。「ギルガメッシュは?」「逃げられた」「特殊部隊は?ゴキブリみたいな」「撤収した。」その名もブラッタリア。老人は替え玉だった。その傍らにはボロボロになった麗子が…イサムが言う。「デュナミスを使ったの、君だね。」
「うち、あほやからわからへん…」