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2014年度 社会貢献トピックス

夢を語るスピーチコンテスト!今年も児童養護施設の子どもたちの自立を支援

[2014年7月29日更新分]

夢を語るスピーチコンテスト!今年も児童養護施設の子どもたちの自立を支援

2012年から児童養護施設で生活する子どもたちの自立を支援しています。
将来の夢・なりたい職業について語るスピーチコンテスト『カナエール』というプロジェクトで、子どもたちに対してフジテレビ現役アナウンサー(+CSR推進プロジェクトチーム)がスピーチ指導をするというものです。

『カナエール』は認定NPO法人「ブリッジフォースマイル」が主催し、コンテスト出場者には大学や専門学校を卒業するまで、毎月奨学金が送られます。18歳で施設退所を余儀なくされ、アルバイトで生活費や学費を稼ぎながら勉強をすることは容易ではありません。奨学金は大きな助けになりますし、人前でスピーチをすることでコミュニケーション能力を磨くこともできます。今年は6月29日の東京大会、7月6日の横浜大会に出場する10人(合計20人)と一緒に本番に向けてスピーチを仕上げていきました。

東京大会会場・日経ホール 横浜大会会場・横浜開港記念館 大勢の観客の前で
堂々としたスピーチを披露!

子どもたちは明るく意欲に満ちていて、指導すればするほどどんどん上達していきます。全員を対象にして発声や滑舌練習をしたあと、スピーチの具体的な組み立てなどについて個別指導を行いました。

     
     

叶えたい大きな夢があり、そこへ向かって一生懸命努力する姿、本番でみせた堂々としたスピーチ、すべてが感動の体験でした。

【活動内容】

■指導アナウンサー
西山喜久恵・奥寺健・武田祐子・川野良子・佐々木恭子・梅津弥英子・遠藤玲子・
長坂哲夫(CSR推進プロジェクトメンバー)
■指導対象
東京10人 横浜10人(高校3年生、大学/専門学校 1年生)
[3年間で指導した子どもたちは合計29名]
■指導回数
終日指導 2回 
少人数指導 5回(それぞれ3時間)6月7日(午前・午後)、8日、14日、15日

西山喜久恵アナウンサー


「なぜ、こんなにも素直に自分の境遇を表現できるのだろう?」
スピーチ指導のため参加していたのですが、自分の役割も忘れ彼らの話に引き込まれてしまいました。
細かい言葉遣いや表現方法など、指摘する箇所は確かにありましたが、「訴える力」がとにかくすごいのです!
決して恵まれているとは言えない過去とまっすぐ向き合える「強さ」と自分をサポートしてくれた人すべてに感謝の気持ちを持っている「やさしさ」が彼らの原動力になっていると感じました。

「彼らのまっすぐな気持ちを最大限に引き出してあげたい!」
と思い全力で指導させてもらいました。
後日、発表会当日のビデオを見せてもらったのですが、とにかくみんな立派でした。
声の出し方、姿勢、間の取り方、表情、教えていた以上のスピーチばかり。
一瞬でしたが、彼らのお手伝いをできたこと、私の宝物になりました。

奥寺 健アナウンサー


素晴らしかったです。特に今回。
技術的な“上手さ”とは違う、
人間の、強さ、ユーモア、優しさ、前向きであること…、
それらを目で、耳で、心で感じました。

スピーチに必要なことは何なのか、改めて考えさせられました。
普段、アナウンサーは喋りのプロという立場をとることが多く、
今回も、発声の基本から、発音、アクセント、
聴き手を引き付ける喋りの技術になどついて、
指導をさせていただきました。

勿論、どれも大切なことであるのは間違いなく、大会直前に私たちが指導させていただいたことを、優秀な彼らが見事に自分のものにし、会場のお客様の胸を熱くしたと思います。

ただ、彼らの体験からくる主張やメッセージがベースにあってこその“成功”だったと思います。

小さい頃から厳しい環境を生き抜く中での経験は、
私たちからは、非常にドラマチックなものに感じますが、
単なるドラマ性に心を動かされるのではなく、音声化されたメッセージと、体全体でそれを紡いでいる“人間”そのものに、客席側の私たちは共感し、パワーをもらったのだと思います。

そして、喋りのプロとして生きていくための大切な何かを今回も学びました。

カナエールに関わらせていただくことは
私にとっていつもgive and takeな、貴重な機会です。

武田祐子アナウンサー


「伝える」というのは一体どういうことなのか、カナエルンジャーの皆さんのスピーチを聞いて、私自信が深く考えさせられました。
話の内容は勿論、間の取り方・抑揚・目の配り方…等々、様々な手法はあります。
しかし、何よりも私が重視したのは、「思いを伝える」ということです。そこに“気持ち”があれば、高度な技術など無くても、聞いている人達に必ず伝わるはずだ!と。

練習では、「 」はその人になりきって、乗り移ったように話しましょう!や、
“これこそが自分の夢なんだ!”と気持ちを込めて伝えましょう!等、“気持ち重視”のアドバイスをさせて頂きました。
皆さんの吸収力は驚く程素晴らしく、そして本番では、皆さんの“思い”が存分に発揮されたと思います。人生半ば、夢も定かではない私にとって、皆さんと触れ合って改めて“夢”を考えられた時間でした。ありがとうございました♪

川野良子アナウンサー


カナエールのお手伝いをするようになって、3年目。
毎年、教える生徒さんは変わりますが、スピーチのクオリティと本番へのモチベーションは、年々上がっている気がします。

今回は、5月終わりの発声練習・6月の本番前レクチャー・6月終わりの本番と段階を追っての成長を、はっきりと感じることが出来ました。5月の時点で、長すぎる原稿を目の前に悩んでいたのが嘘のような、しっかりとした本番。頑張った練習の賜物(たまもの)です。

そして今年一番思ったのは、叶えたい「目標」が多種多様になったな、ということ。今まではやはり、それぞれが頼ってきた「先生」への感謝への思いから、子どもたちの面倒をみる仕事が多い印象でしたが、今年は、メイクアップアーティスト・建築士・会計士など、多種多様。

いろんな目標をもっていいんだ。みなさんのスピーチは、そんな声にも聞こえました。
目標は語ることによって、それに一歩近づくはず。
カナエールをきっかけに、皆さんの更なる羽ばたきに期待しています。

佐々木恭子アナウンサー


カナエールのスピーチのたびに、思うこと。
私たちは、確かにスピーチのお手伝いをします。
目線、間のとり方、原稿の置き方、声、思わず頭が真っ白になったときにどうするか、など。しかし、最終的な感動や共感を呼び起こすのは、「技術」ではないのだと、毎度教わります。スピーチの真髄は、伝えたい想いの強さなのだと。

カナエルンジャー(スピーチ参加者)が生きて経験してきたことは、いわゆる“普通”とは違います。でも、それを誰かのせいではなく、自分自身の経験として未来につなぐ宝に変えていこうとする姿、それを伝えたい想い、一歩踏み出す覚悟。練習を重ねてステージに立つ彼らが放つ輝きに圧倒されます。説得力って、言葉、目の力、声、それら全てが、心にある想いにぴったりと一致して届けられる瞬間にこそ生まれるんだと思います。

正直、あれほどの心が震えるようなスピーチは、私にはできそうもありません。短時間のスピーチなのに、カナエルンジャーをここまで支えていた人の思いも伝わってくるのです。
カナエルンジャーの可能性を信じている人がいる、そしてその気持ちに感謝しながらチャレンジを続けるカナエルンジャーがいる。その姿に、心の奥底から「ありがとう!」と言いたくなるのです。そして、自分にも問いかけたくなるのです。
「チャレンジしてる?可能性、信じられてる?」って。

梅津弥英子アナウンサー


“伝える”のが仕事の私ですが、“伝える”ために一番大切なのは、“その人の想い”だということを、再確認しました。本番のスピーチにあらわれたカナエルンジャー(スピーチ参加者)の想いには、“念”にも似た気迫を見ました。

今回私がお会いしたのは、横浜のカナエルンジャーの皆さん。口数は決して多くないけれど、とっても素直にこちらの言うことに耳を傾けてくれました。終了間際の自由時間に、私達アナウンサーの周りを囲みたくさん質問をしてくれる姿勢には、こちらがモチベートされていると感じたほど。すごく嬉しい時間でした。

口を大きく動かすこと・表情を意識すること、ちょっとしたアドバイスだけでも、伝えるパワーが格段に変わってくる。伝えたい強い想いを秘めたカナエルンジャーにとっては、小さな変化が大きな結果を生むことを知りました。話す技術よりも、そこにある想いをどうやって表現するかをアドバイスしたくて、限られた時間でしたが、なるべくたくさん話を聞きました。

本当に、本番のスピーチは、素晴らしかった!
児童養護施設にいる子どもたちは18歳になったら自立しなければならず、進学を望んでも、アルバイトをして学費を稼ぎながら大学や専門学校に通うのは、心身ともに苛酷。支えてくれる人がいなくて諦めてしまうことも多いそうです。そんな中でも、自分の夢を力強く語り、小さいときに受けた虐待の経験や、一緒に住めなくなった親への想いをぶつけ、涙ながらに育ての親に感謝するカナエルンジャーもいて・・・私も涙が止まらなかったのですが、会場でも多くの人が涙したとか。
伝わった!大成功だった!!ということですよね?
また機会があったらぜひ、カナエルンジャーに会いに行きたいと思います。

遠藤玲子アナウンサー


今回はじめてカナエールに関わらせて頂きました。参加したのは本番まで3週間というタイミング。私は4人のカナエルンジャーひとりひとりに個別アドバイスをするという立場でした。

彼らのスピーチを聞いた第一印象は「なんて素直なんだ」ということ。噛んだり、言い間違えたりはしました。しかし、そんなことは全く気にならないほど、彼らは「こころに響くスピーチ」をしてくれました。私が変に手直ししたくないというのが正直なところ。

「美しいスピーチ」が決して「こころに響く」とは限らないのですね。
滑舌や発声も大事ですが、最終的には、そこにどれだけ想いが詰まっているか。

大きな夢を抱き、新たな一歩へと踏み出す彼ら。
その目の輝きの眩しかったこと!こちらの心が洗われます。

アドバイスする立場として参加したつもりが、結果的には私が教わることが多かった気がします。カナエルンジャーの皆さん、ありがとう!
本番の堂々とした姿は、本当に立派でした。

CSRプロジェクトチーム・長坂哲夫

カナエールのスピーチ指導をするのは今回が初めてでしたが、原稿を考えるにあたって、夢をかなえた先輩たちに話を聞いたり、周りで支える大人たちと向かい合った一日一日がきっと皆さんの大きな財産になったのではないでしょうか。

練習では悩みながら、試行錯誤を繰り返していた彼らが、本番の舞台の上ではとても大きく見えました。ひと月前には原稿から目を離せなかった青年が、600人の観客の前で実に堂々と一人一人の顔を確認するかのように心に響く言葉を紡いでいました。
夢に向かって真っすぐな気持ちは、技術を上回る言霊となって聴く人の心を射貫いていました。

夢を諦める必要はない。チャンスは自分でつかむもの。
そう心に刻み込み、同じ境遇の後輩たちにエールを送る彼らの姿に拍手を送りたいです。

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