2023年度 支援国

パキスタン・イスラム共和国

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パキスタン・イスラム共和国

パキスタンでは保健領域におけるケアの質の低さ、予防接種率改善の遅れ、栄養不良、ヘルスケアへのアクセスの不平等といった様々な課題を抱えており、新生児と妊産婦の死亡や疾病の原因となっています。5歳未満児死亡率は出生1,000人あたり65人、妊産婦死亡率は出生10万人あたり186人です。定期予防接種率は改善しているものの、地域によって大きな差が見られます。

同国では、6カ月から23ヶ月の子どものうち、最低限必要な回数の食事を摂取できているのはわずか3.6%で、農村部ではさらに低い割合となっています。5歳未満児の発育阻害と消耗症は乳幼児期の子どもの発達を脅かし続けています。

パキスタンの現地写真

教育の領域では、同国で5歳から16歳の子どものうち、2,000万人以上が学校に通っていません。中退率も高く、特に中等教育の女子の間で顕著です。コロナ禍を機にこの状況はさらに悪化し、女子や貧困世帯、低学年の子どもたちを中心に、学習損失が深刻な問題になっています。コロナによる学習危機にさらに追い打ちをかけたのが、パキスタン史上最悪の被害をもたらした2022年の洪水です。2万7,000校の学校が損壊・破損し、200万人以上の子どもたちが学校に通えなくなりました。学校は学びの場であるだけではなく、子どもたちが保健ケアや心理社会的支援、予防接種を受けられる重要な場所です。学校の閉鎖期間が長引けば、子どもたちが学校に戻らなくなる可能性が高まり、児童労働や児童婚などの搾取や虐待のリスクが高まります。

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パキスタン全土の学校は、2020年3月から22年3月の期間中、新型コロナウィルスの感染拡大により、64週間にわたって、完全あるいは部分的に閉鎖されました。学校閉鎖期間としては世界最長規模です。それから半年も経たないうちに起きた大洪水の被害により、子どもたちは再び学習の場から閉め出されることとなりました。電気やインターネットを含むインフラへの被害により、遠隔学習もほぼ不可能となっています。

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パキスタン・イスラム共和国 基本統計

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