第1回 2006年1月10日(火)放送 あらすじ

敏腕女刑事VS予告殺人

 白昼の東京で、人質事件が発生——。犯人は、一昨日の殺人事件により指名手配中の男だ。警察は逃走する男を追い詰め説得するが、男は逆上。人質の女性にも危険が及んでいた。と、そのとき、警視庁捜査一課の警官・小久保祐二(阿部サダヲ)の後ろからロングコート姿の美女が現れ、犯人に向かって歩き出した。捜査一課の検挙率ナンバーワン刑事・雪平夏見(篠原涼子)だ。焦る警官たちに応えず、歩き続ける雪平は、一瞬の隙をつき、犯人に駆け寄り、蹴りを食らわした。
人質を救出し、犯人逮捕となったが、捜査一課の管理官・山路哲夫(寺島進)は、逮捕時の行動をスタンドプレーだと雪平を責める。雪平は意に介さないが、単独行動をしないためにと、安藤一之(瑛太)という若い刑事が見習いに付くことになる。
 同じ日の夜、新宿中央公園で中年男性と女子高校生の刺殺遺体が発見された。山路たちは雪平の携帯電話に連絡を取るが、つながらない。その頃、雪平のマンションを訪ねた安藤は、全裸で寝ている雪平を見つける。遺体発見現場では雪平不在のまま、検視官・三上薫(加藤雅也)や刑事たちによる現場検証が行われていた。遺体はどちらも臓器まで深くナイフで刺されていて、その手口は、三上をして「生き物刺してるって気があんのかな」と言わせるほど残忍なものだった。
 雪平を迎えにマンションに入った安藤は、不審者と間違われ痛烈なキックをお見舞いされながらも、なんとか雪平を殺人現場へ連れ出す。すでに遺体は片付けられていたが、雪平は三上に、遺体発見時の状況を確認すると、さっきまで遺体が寝ていて鮮血が残る地面に寝転ぶ。「遺体の格好はこんな感じ?」「雪平さん!」驚く安藤に三上は、それが“被害者が最期に見た景色を見るため”の“雪平の儀式”であると告げる。そんな安藤に雪平は、植え込みから紙を拾うように指示。それは、本にはさむ栞(しおり)だった。どこかの出版社が出した既製の物で、「アンフェアなのは誰か?」と文字が印刷されていた。
 翌日、雪平と安藤は、栞の出所を探すために出版社を回り、それが中堅の岩崎書房のものだと突き止める。早速、岩崎書房を訪れ、瀬崎一郎(西島秀俊)という編集者に話を聞く。捜査本部では、聞き込みの結果、被害者ふたりに何のつながりもないことから、単なる通り魔殺人との見方をしていたが、栞に被害者ふたりの指紋が残っていたことが判明。雪平は、同一犯による別の殺人が起こると予告する。
 そんな折、新聞、出版などマスコミ各社に『推理小説・上巻』と表題が付けられた原稿が送られてきた。真剣な表情で、“小説”を読む雪平。そこには、先日起きた殺人事件の様子が、事細かに記されていたのだった。

キャスト

雪平夏見 … 篠原涼子
安藤一之 … 瑛太
小久保祐二 … 阿部サダヲ
蓮見杏奈 … 濱田マリ
     ●
三上 薫 … 加藤雅也
     ●
井上 順 … 井上 順(特別出演)
牧村紀世子 … 木村多江
山路哲夫 … 寺島 進
佐藤和夫 … 香川照之
瀬崎一郎 … 西島秀俊

スタッフ

■原作
 秦 建日子『推理小説』(河出書房新社)

■脚本
 佐藤嗣麻子

■演出
 小林義則(共同テレビ)
 高橋伸之(共同テレビ)
 植田泰史(共同テレビ)

■プロデューサー
 吉條英希(関西テレビ)
 稲田秀樹(共同テレビ)

■制作
 関西テレビ

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