第11回 2005年9月13日(火)放送 あらすじ

サヨナラ

 悦子(鈴木杏)は幸雄(大杉漣)のワゴン車で琵琶湖へ出発したが、途中で道に迷って大弱り。幸いにも応援に向かう佐野(菊池均也)のおかげでレース会場に駆けつけると、利絵(相武紗季)、多恵子(岩佐真悠子)、敦子(佐津川愛美)、真由美(藤本静)、悦子の代わりに選ばれた2年生、そしてコーチの仁美(石田ゆり子)と大野(池内博之)、顧問の福田(相島一之)らが満面の笑顔で迎えてくれた。「みんなの応援に来たよ」。悦子がいなくてぎくしゃくしていたムードがふっ飛んだ。
 もっとも悦子が「みんな準備しぃよ」と急かすとみんな首をかしげた。今日は練習日、予選は明日だ。バツが悪くなった悦子だったが「がんばっていきまっしょい!」と気合を入れた。もちろん宿で顔を合わせた男子チームの浩之(錦戸亮)と三郎(田口淳之介)も「よう来たなあ」と歓迎してくれた。
 一夜明けて予選当日。6チーム対抗で上位2着までが準決勝に進める。お好み焼き屋を妻の緑(友近)に任せっきりにして駆けつけた根本(小日向文世)の分析によると、強豪2チームが要注意だ。仁美は急きょシートチェンジを指示した。漕ぎのリズムを作る整調に利絵を抜てきした。賭けにも似た変更だったが、松山第一はスタートこそ出遅れたが終盤にぐんぐん追い上げて見事2着にくいこんだ。女子部の頑張りが呼び水となって男子部も2着。男女そろって準決勝にコマを進めることができた。
 けれど手放しで喜ぶわけにはいかなかった。利絵は慣れない整調で明らかに1人だけ乱れていたし、男子部ではスタートダッシュをめぐって浩之と三郎が殴り合い寸前にまでなった。そして仁美は3年間頑張ってきたのにボートに乗ることすらできない悦子のことが気の毒でならない。みんながそれぞれの思いを胸の内に秘めて、準決勝の朝を迎えた。
 応援席には友子(市毛良枝)、キヌ(花原照子)、法子(浅見れいな)も姿を現した。きょうは男子部のレースが先発だ。スタートダッシュに成功した松山第一は2位との差をドンドン開いていく。昨夜の口論が嘘のように浩之と三郎の呼吸はぴったり合っていた。ところが誰もが勝利を確信した瞬間、下級生のオールが止まった。結果はゴール直前で抜かれて4着。「俺のせいで本当にすみませんでした」。うなだれる下級生に対して三郎は顔をそむけたが、浩之は「一緒に漕いでくれてありがとう。来年はお前がこの部、引っ張れ」と激励した。そんな浩之を三郎は驚きのまなざしで見つめていた。
 男子部の惜敗ぶりを目の当たりにした女子部のメンバーは、口々に弱音を漏らした。「やっぱり悦ネェがおったらなあ」。みんなが我慢していたその一言にくってかかったのは、当の悦子だった。「そんなん言い訳や。みんなならできるよ」。悦子は自分の弱さを打ち明けた。なりふりかまわない悦子の言葉に利絵たちの表情に自信がよみがえってきた。スタート地点に向かうみんなを見送った悦子は、仁美にだけは本音を漏らした。「本当は漕ぎたいです。みんなと一緒に」と。
 いよいよ始まった女子部の準決勝。悦子のいないボートだったが激しい接戦になった。そのとき突然応援をしていた悦子が…。

キャスト

篠村悦子 … 鈴木 杏

関野浩之 … 錦戸 亮
中田三郎 … 田口淳之介

矢野利絵 … 相武紗季
菊池多恵子 … 岩佐真悠子
中崎敦子 … 佐津川愛美
中浦真由美 … 藤本 静
   ●
大野仁美 … 石田ゆり子
大野 健 … 池内博之

福田正一郎 … 相島一之
篠村法子 … 浅見れいな
根本 緑 … 友近
   ●
篠村友子 … 市毛良枝
根本 満 … 小日向文世
篠村幸雄 … 大杉 漣

スタッフ

■原作
 「がんばっていきまっしょい」敷村良子(幻冬舎文庫刊)

■脚本
 金子ありさ

■プロデューサー
 重松圭一

■演出
 三宅喜重

■音楽
 オリジナルサウンドトラック「がんばっていきまっしょい」
 吉俣 良(ポニーキャニオン)

■制作
 関西テレビ

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