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<第1回>
 紀子はテレビのリポーター。ある事件の現場中継の最中に、新聞社の腕章をつけた男にイヤというほど足を踏まれ、口論になる。
 さらに、その日、紀子は失恋。三十歳を目前にして、結婚への焦りを感じる。
 恋愛至上主義を捨て、紀子はコンピューター見合いに入会。弟の新吉にはからかわれ、母の佐江子と父の竜夫は、それがもとで喧嘩を始める。
 一週間後、一回目の見合いの通知がくる。
 が、あっさり破談。
 二回、三回……と、紀子は果敢にチャレンジするが、十一回目の見合いもうまくいかなかった。
 そして、規定の十二回の最後の見合い。相手はよりにもよって……。

<第2回>
 紀子の最後の見合い相手は、いつか事件の現場で足を踏まれた感じの悪い新聞記者だった。紀子はしぶしぶその男と食事をするが、毎朝新聞の福岡支社勤務というその男は、意外と好青年で、次にも会う約束をする。
 が、別れ際、男は見合いの代理であることを告白。祐介と名乗る。
 まもなく、祐介から、紀子の自宅やテレビ局に電話がかかってくる。騙されたことに腹を立てる紀子は無視するが、帰り道で待ち伏せされ、強引に祐介の実家へ連れていかれる。
 祐介は紀子にいきなりプロポーズ。別居結婚を提案する。紀子は混乱するが、その場の勢いで思わず、OKしてしまう。

<第3回>
 紀子が祐介のプロポーズを承諾した翌朝、祐介が紀子の両親に挨拶にくる。
 突然現れた紀子の婚約者に、竜夫らは仰天。竜夫は祐介のことを気にいった様子だが、佐江子は自分に何の相談もなかったことに腹を立てる。
 一方、祐介の両親、元治と芳江は一目で紀子を気にいり、息子の婚約を手放しで喜ぶ。
 佐江子が気を悪くしているのを知った芳江は、佐江子に電話をかけ、両家の顔合わせの食事会を提案する。
 まもなく、紀子、祐介それぞれの両親の初顔合わせが行われる。結婚式も披露宴もしない、そのうえ福岡と東京の別居結婚と聞き、佐江子は怒って帰ってしまう。

<第4回>
 紀子から結婚式も披露宴もしないと聞かされた佐江子は、怒って紀子と口をきかなくなってしまう。
 困った紀子は、祐介に相談するため、急きょ福岡へ行く。
 祐介の案内で彼のマンションへ行くと、祐介の先輩菊地が勝手に部屋にあがりこんでいた。菊地は自分が紀子の本来の見合い相手だと言い、紀子に妙になれなれしい。
 祐介は紀子に、佐江子には時間をかけて納得してもらおう、と言い聞かせる。
 福岡から戻った紀子に、竜夫が佐江子が結婚式にこだわる理由を説明する。
 反省した紀子は花嫁衣装を着ることを決意。まもなく、家族だけのささやかな結婚式が挙げられる。

<第5回>
 スッタモンダの末、スピード結婚を挙げた紀子だが、式後、祐介はすぐ福岡へ。紀子も実家から仕事に出かける生活で、まるで結婚の実感がなかった。
 これではいけないと思った紀子は、家を出てアパートを借りることを決意。佐江子の反対はあったものの、まもなく、手頃なアパートを見つける。
 引っ越しの日、紀子、祐介の両親が揃って手伝いにきてくれるが、佐江子と芳江が対抗意識を燃やし、紀子は先が思いやられる。
 紀子の予感は的中。佐江子と芳江は先を争って紀子の世話を焼きたがり、芳江は夕食を作って、紀子の帰りを待つ。むげに断れない紀子は……。

<第6回>
 別居結婚一カ月。紀子は一人暮らしにもようやく慣れてきたが、いつ電話しても祐介が不在なので、少し淋しい。
 テレビ局のスタッフは、祐介が浮気をしているかもしれない、と紀子をからかう。
 そんな折、紀子が深夜に祐介の部屋に電話をかけると、女性が電話に出る。
 翌日、祐介から電話がかかってくるが、紀子は、離婚する、と一方的に告げる。
 その夜、紀子は芳江の誘いで、野村家で夕食をとる。
 そこへ、祐介が駆け込んできて、電話の女性は紀子の誤解であることを説明する。祐介と仲直りする紀子。
 別居結婚の先輩、芳江と元治は、成功の秘訣を紀子に語る。

<第7回>
 新婚一カ月目の離婚騒動は無事おさまるが、紀子を気遣うあまり、祐介が夜中といわず、朝といわず、つまらないことで電話をかけてくるようになる。電話ノイローゼになりそうだ、とため息をつく紀子に、祐介は何かやましいことがあるのではないか、とスタッフがまた人騒がせなことをいう。
 さらに、祐介は休みには万難を排して東京へ帰ってくるようになる。
 紀子は電話代や交通費が気になるが、足りない分は芳江に援助してもらっている、と祐介が悪びれずにいうので、激怒する。
 まもなく、紀子は出張で福岡へ。祐介の部屋の隣に美人の女子大生がいるので心穏やかでない。

<第8回>
 福岡出張から紀子が戻ると、アパートに泥棒が入っていた。盗まれたのは目覚時計と炊飯器だけだったが、紀子は恐くて、涙がこみあげてくる。
 心配した芳江が、しばらく自分たちの家へ来ないかときりだす。
 すると、佐江子も自分たちの家へ帰ってくるよう出張して、再び二人の母親の間に険悪なムードが広がる。
 祐介はなるべく早く東京に戻してもらうよう会社に頼もうと思うが、菊地の話によると、難しそうだ。
 そんなある日、紀子の仕事仲間が紀子を励ますためにアパートに遊びにきてくれる。そこへ、祐介から電話がかかってくるが、ディレクターの岡崎が電話に出たので、今度は祐介が誤解。

<第9回>
 祐介からあらぬ誤解を受けた紀子は、必死に誤解を解くが、すっかり疲れてしまい、仕事を一日休んでしまう。
 同僚のミッチャンが見舞いにきてくれる。二人で気楽におしゃべりしていると、突然、芳江と元治が訪ねてくる。どうやら紀子のところに男が出入りしていないか、確かめにきたらしい。
 紀子は、夫婦の問題をいちいち親に報告しないでほしい、と祐介に抗議の電話をかける。
 翌日、紀子は芳江から呼び出しを受ける。緊張して野村家へ行くと、一日も早く子どもをつくるべきだ、という忠告だった。
 その気になった紀子は、次の排卵日に帰ってくるよう祐介に連絡する。

<第10回>
 紀子は、子づくりのために帰ってくるよう、単刀直入に祐介に頼むが、祐介は帰ってこず、電話連絡もないまま一カ月が過ぎた。
 菊地から紀子に電話がかかってくる。祐介が二十日前に足を怪我して入院しているという。
 紀子が急きょ病院へ駆けつけると、芳江がすでに一週間前から看病にきていた。整体の治療院をしている芳江は、自分はプロだからといって、祐介の世話を全部一人でしようとする。
 翌日、紀子は急な仕事でやむなく東京へ戻る。祐介より仕事の方が大事なのか、と芳江はおかんむり。
 まもなく、祐介は退院。
 結婚して次から次に襲ってくる困難に、紀子の胃はキリキリ痛む。


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