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<第11回>
 紀子たちの別居結婚も半年が過ぎた。
 早く孫の顔が見たい芳江が、紀子に妊娠指圧を始める。好意はわかるが、遠慮もなくあちこち触りまくる芳江に、怒りと屈辱で紀子は涙が出てくる。紀子は祐介から、角が立たないように指圧を断ってもらう。
 芳江は今度は紀子の実家へ行き、竜夫と佐江子に指圧をして、その効用を説く。  すっかり芳江のペースに乗せられた佐江子は、早く子どもをつくるよう紀子にはっぱをかける。
 気が滅入る紀子に、祐介の姉・由美が、芳江のことはあまり気にしないよう慰めの言葉をかけてくれる。
 週末、祐介が福岡から来る。子づくりのことで、二人の間に気まずいムードが。

<第12回>
 子どもの問題をきっかけに、紀子と祐介は、自分たちは本当に愛し合っているかどうか、不安を感じてしまう。
 竜夫夫婦と元治夫婦は指圧が縁で交流が深まるが、ひょんなことから紀子たちに子どもができないのはどちらかの体に問題があるのではないか、という話に発展してしまう。
 佐江子は紀子に、芳江は祐介に、それぞれ病院で検査を受けるよう強くすすめる。
 親のお節介にうんざりした紀子は、無性に祐介に会いたくなり、仕事もすっぽかして福岡へ飛ぶ。子どものことより、自分たち二人が夫婦としてうまくやっていくことの方が大事なのではないか、という祐介。

<第13回>
 祐介夫婦に過干渉の芳江に、由美が子離れするよう忠告。二度と二人に子どものことなどで世話をやかないよう言い聞かせる。
 一方、早川家では、紀子の弟・新吉が紀子に同情。佐江子に、紀子たちを監視するようなことはやめるべきだ、と注意する。
 反省した芳江と佐江子は、今後一切夫婦の問題に干渉しない、と紀子に宣言する。
 そんなある日、テレビ局に、ひかるという見知らぬ女性が紀子を訪ねてくる。
 赤ん坊を抱いたひかるは、その子が祐介の子どもだと主張。これから海外旅行へ行くので、赤ん坊を一週間預ってほしい、と紀子に頼む。紀子は断ろうとするが、ひかるはさっさと赤ん坊を置いて行ってしまう。

<第14回>
 ひかるから赤ん坊を押しつけられた紀子は、ただちに祐介を東京に呼び戻す。
 祐介はひかるという女性にも、赤ん坊にも、全く心当たりがなかった。
 が、紀子に問い詰められているうちに、菊地がひかるというホステスとつきあっていたことを思い出し、菊地を呼び寄せる。
 菊地はひかるとの関係を認めるが、知り合ったのは半年前で、赤ん坊の父親でないことを主張。ひかるに祐介の名刺を間違って渡してしまったのをきっかけに、祐介になりすましていたという。
 赤ん坊を誰が預かるかについて、三人はかんかんがくがく。男たちに任せておけないと思った紀子は、自分が預かる、と啖呵を切る。

<第15回>
 紀子ははからずも赤ん坊の世話をすることになるが、育児に慣れてくるにつれて赤ん坊が無性にかわいく思えてくる。
 祐介も父親になった気分で、赤ん坊のためにおもちゃを買ったりする。
 そして、約束の一週間が過ぎた。
 ひかるが赤ん坊を迎えにくる。紀子は赤ん坊と別れるのがつらくて、泣いてしまう。  祐介も、赤ん坊がいなくなりがっかりする。
 二人は本心から、子どもがほしい、と感じはじめる。
 紀子は、芳江の妊娠指圧を積極的に受けるようになる。祐介も休み毎に必ず東京に帰ることに。
 三ヵ月後、紀子に待望の子どもができる。

<第16回>
 待望の赤ちゃんができた紀子は、喜び一杯で、福岡の祐介に電話で知らせる。
 祐介も大喜び。芳江に知らせるというので、紀子は芳江には自分が連絡するから祐介には佐江子に電話してほしいと頼む。不公平にならないよう、紀子なりに気をつかったのだが……。
 まもなく、紀子を囲んで家族の祝賀会が開かれる。あいにく紀子はつわりで、あまり食欲がない。
 そのつわりの話から、芳江と佐江子が再びいがみ合う。
 元治は芳江に、竜夫は佐江子に、それぞれ紀子たち夫婦に余計なお節介をしないように忠告。双方そろって、派手な夫婦喧嘩になる。
 紀子と祐介は妊娠をきっかけに絆が深まる。

<第17回>
 妊娠三ヵ月の紀子は、ある夜、スクープをとるために、ホテルで張り込みをする。
 が、それがもとで風邪をこじらせてしまい、祐介に叱られる。
 祐介に頼まれて、芳江が紀子の看病にくる。
 それを知った佐江子は、芳江にだけは遅れをとりたくないとあわてて紀子のもとへ駆けつける。
 紀子をはさんで、芳江と佐江子の世話焼き合戦が始まる。紀子は頭が痛いが、由美と元治が気をきかせて芳江を家に呼び戻してくれる。
 その夜、紀子は久しぶりに母と水入らずの時を過ごした。母の語る思い出話に、しみじみとした気持ちになる紀子……。

<第18回>
 妊娠六ヵ月。妊婦らしい体型になってきた紀子に、芳江が腹帯と、自分が着ていた手作りのマタニティドレスを持ってくる。
 そのドレスはいかにも古くさいデザインだったが、紀子は芳江の気持ちをくんで、仕事にも着ていく。
 が、テレビで紀子のマタニティ姿を見た佐江子は、憮然。デパートで新しいマタニティドレスと腹帯がわりのコルセットを買って、紀子に届けにくる。
 紀子は何かにつけて対抗意識を燃やす佐江子と芳江にうんざり。ある程度姑に気をつかわざるをえない自分の心境を佐江子に訴える。
 紀子を心配した祐介は、新吉に、しばしば紀子の様子を見に行ってくれるよう頼む。

<第19回>
 妊娠八ヵ月。取材が無理になってきた紀子は、スタジオの仕事を手伝うようになるが、不注意でころんだりして、周囲をハラハラさせる。
 祐介は東京への転勤願いが受け入れられず、がっくりくる。
 そして、妊娠九ヵ月。紀子は産休に入る。
 実家に戻って出産するよう勧める佐江子に対して、芳江が自分の方で紀子を預りたいと言いだす。そのために、家も改築したと。
 二人の好意はありがたいものの、一人で頑張る、ときっぱり言う紀子。
 その夜、紀子は気晴らしにミッチャンを誘って、スナックで飲む。紀子を迎えにきた新吉に、ミッチャンが一目惚れ。

<第20回>
 紀子の出産予定日がきた。祐介、それぞれの両親がアパートに集まるが、赤ん坊が生まれてくる気配は一向になかった。
 四日後、祐介は仕事の都合で一旦福岡に戻り、その日の最終便で帰ってくることになる。
 紀子はミッチャンに付き添いを頼むが、新吉も一緒にやってくる。いつのまにか二人はつき合い始めたらしい。
 二人があまりにベタベタするので、紀子は憤慨。追い返してしまう。
 が、その直後、祐介から最終便に乗り遅れたと電話が……。
 翌早朝、紀子に突然、陣痛が始まる。紀子は一人でタクシーで病院へ行き、無事女の子を出産する。


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