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<第41回>
 七海の妨害にあい、職を転転とした陽一郎は、今はホストクラブで働いていた。
  七海は陽一郎への思いが断ち切れず、自暴自棄の生活を送る。ひかりは志津子から解雇されたものの、彩花のことが気になっていた。そこへ、彩花が訪ねてくる。新しい看護婦になじめず、ひかりの方がいいという。ひかりは彩花を励まし、歩行訓練を始める。
 そして、ついに彩花は、松葉杖なしで歩けるようになる。まもなく、彩花は学校にも通うようになり、ひかりを姉のように慕う。
 ある日、陽一郎の選考会出場辞退を知った彩花は、敬介の会社に駆けつける。
 
<第42回>
 彩花は敬介から、陽一郎が会社を辞めたことを知らされ、ショックを受ける。
そして、陽一郎がマラソンを辞めたのは自分のせいだ、と落ち込む。
 敬介は陽一郎に彩花が訪ねてきたことを知らせ、彩花に会ってやるよう忠告する。
 陽一郎は彩花に会い、自分の足で歩いている彩花の姿に、胸が熱くなる。彩花は姉のように優しい看護婦が支えになってくれたことを語り、今度は自分が陽一郎の力になりたい、と訴える。
 七海がホストクラブに現れ、女性客の相手をしている陽一郎を罵倒する。七海は、ひかりへの報われない愛を貫いている陽一郎が、哀しい。
 
<第43回>
 彩花は陽一郎のアパートを訪ね、もう一度走ってほしいと訴える。陽一郎は、自分は一番大切な愛を捨ててしまったからもう走れない、と答え、彩花を送っていく。
  志津子の知人がその二人の姿を見かけ、彩花がホストと歩いていた、と志津子の耳に入れる。心配した志津子はひかりに相談。ひかりはホストクラブへ出かけていく。
  そこで、ひかりは陽一郎と再会。あまりのショックに、泣きながら走り去る。
  翌日、彩花がひかりに泣きついてくる。そのとき、ひかりは初めて、彩花が陽一郎の車にひかれたことを知り、愕然とする。その事故の日は、ひかりと陽一郎の結婚式の数日前だった。

<第44回>
 陽一郎が事故のことを何故隠していたのか、ひかりは知りたかった。朋子の止めるのもふりきって、ひかりは石山に事情を聞きにいく。
 最初はごまかそうとしていた石山も、真実が知りたいというひかりの痛切な訴えに、ついに、多額な賠償金を背負った陽一郎が、ひかりを巻き込まないために結婚をあきらめたことを打ち明ける。
 ひかりは陽一郎に会いにホストクラブへ行く。が、女性客を相手にしているその退廃的な姿に、居たたまれなくなって飛び出す。
 それからまもなく、ひかりは志津子から、敬介が陽一郎の賠償金の肩代わりをしたことを知らされる。

<第45回>
  真実を確かめるために、ひかりはもう一度陽一郎に会いにいく。陽一郎は、賠償金のために結婚をあきらめたいきさつを語り、今でもひかりを愛していることを告白する。
 ひかりは動揺するが、七海をこれ以上苦しめることはできない。そんな二人のやりとりを彩花が聞いていた。自分の事故のせいで、ひかりたちが別れ別れになってしまった、と思い悩む彩花。
 ひかりは、全てが運命で、陽一郎との別れは辛かったが、今は前向きに生きようとしている、と彩花を励ます。
 彩花が七海を訪ね、愛し合っているひかりと陽一郎のために離婚してほしい、と頼む。

<第46回>
 彩花が七海に、陽一郎と別れてほしいと頼みにいく。
 ひかりの差し金だと誤解した七海は、ひかりに怒りをぶつける。ひかりは、自分が一番願っているのは七海の幸せだといい、陽一郎と愛し合うことはない、と約束する。
 ひかりは彩花に、自分と七海が腹違いの姉妹であることを告げ、陽一郎とは一緒にならない決意を語る。
 敬介は陽一郎に、七海のもとへ戻ってきてほしい、と土下座して頼む。ひかりもそれを望んでいる筈だと。
 ひかりは陽一郎にきちんと別れを告げにいく。陽一郎も七海のもとへ帰ることを語る。二人は自然に別れの抱擁をするが、その姿を見た七海が逆上して、ナイフを……。

<第47回>
 ひかりと陽一郎の仲を誤解した七海は、ナイフをふりかざしてひかりに襲いかかる。ひかりをかばおうとした陽一郎の足にナイフはつきささり、陽一郎は病院に運ばれる。
 緊急手術の結果、陽一郎は一命をとりとめる。ひかりは姿を消した七海の行方が気にかかる。
 刑事が陽一郎の病室に事情聴取にくる。ひかりは陽一郎を刺したのは自分だといい、陽一郎は自分で刺したと主張する。敬介は警察に圧力をかけ、事件を表沙汰にしないようにした。七海とやり直したいという陽一郎の気持ちは、この事件の後でも変わらなかった。
 そんな折、七海がこっそり陽一郎の病院へくる。

<第48回>
 人目をはばかるように陽一郎の病室の前にいる七海を見つけたひかりは、陽一郎に会ってあげてほしい、と訴える。
 が、ひかりの優しい言葉が信じられない七海は、逃げるように立ち去る。
 陽一郎は七海への愛の証のために、もう一度走る決心をする。
 陽一郎が七海に刺されたのを知った彩花は、再び激しく自責の念にかられる。ひかりは彩花に陽一郎の元気な姿を見せ、事件は彩花のせいではない、と慰める。
 七海が家に戻る。誰も信じようとしない七海に、敬介はひかりが七海の罪を被ろうとしたことを告げる。
 七海はひかりに会いにいき、自分をかばってくれた目的は何か、と詰め寄る。

<第49回>
 固く心を閉ざした七海に、ひかりは自分と陽一郎の愛は終わったこと、陽一郎が心から七海とやり直したいと思っていることを訴える。
 七海は混乱し、どうしていいかわからないまま一週間が過ぎる。
 陽一郎が病院を抜け出して、七海に会いにいく。七海と共に生きていきたい、と真剣に訴える陽一郎。七海は涙を浮かべて許しを請い、陽一郎の胸に飛び込む。
 陽一郎と七海の気持ちが通じ合い、ひかりも心から喜ぶ。今後は身内として仲良くつき合っていきたい、と語る。七海は初めてひかりを、「お姉さん……」と呼ぶ。
 まもなく、陽一郎が退院。ブランシュに戻りたい、と敬介に頼む。

<第50回>
 ひかりの願いがかなって、陽一郎と七海は再出発する。
 陽一郎はブランシュに復帰。仕事に張り切るが、七海のほうはなんだか元気がない。陽一郎からどんなに愛の言葉をかけられても、陽一郎とひかりの心が今でも一つに結ばれているという思いが消えないのだ。
 まもなく、七海は記入済みの離婚届を残して、皆の前から姿を消す。
 陽一郎は七海の気持ちをしっかりと受け止めてやれなかったことを悔やみ、七海の帰りを待つことに決める。
 それから三ヵ月。七海の消息はわからないままだった。
 ひかりは以前に働いていた病院に復帰。忙しい毎日を過ごす。


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