<第1回> <第2回> <第3回> <第4回> <第5回>
<第6回> <第7回> <第8回> <第9回> <第10回>
<第1回>
ひかりは、桜中央病院の外科の看護婦。居酒屋をやっている母・朋子と、大学受験をひかえた弟・純との三人暮らしだ。
ひかりの病院の内科病棟に、急性白血病患者の少年哲夫が入院していた。哲夫の十二歳の誕生日、ひかりは哲夫の好きな星座の写真集を贈り、病気が治ったら一緒に高峰山へ登って星空を見よう、と約束する。内科の看護婦は、外科のひかりが自分たちの病室に出入りするのを快く思わない。
翌日、哲夫の容体が急変。ひかりに見守られながら、哲夫は静かに息をひきとる。数日後、ひかりは高峰山へ登り哲夫を偲ぶ。そこで、一人の青年・陽一郎と知り合う。
<第2回>
高峰山で、亡き哲夫の名前を呼びながら泣きじゃくるひかりに陽一郎が声をかける。哲夫を恋人の名前と勘違いした陽一郎は、ひかりを励ますと流れ星のように去っていく。
病院に足を怪我したマラソン選手・石山が、リハビリのため入院してくる。石山のあまりのわがままに、看護婦たちは閉口する。見るに見かねたひかりは、石山に思ったことをずばずば言う。
そんなとき、ひかりは病院で偶然、陽一郎の姿を見かける。ひかりは知らなかったが、陽一郎は石山の見舞いに来ていた。その夜、ひかりは純の持っている陸上雑誌の実業団チームのメンバー紹介に石山と陽一郎の写真を見つける。
<第3回>
ひかりは、石山と陽一郎が同じムサシ運輸の実業団チームに所属していることを知る。純の話によると、石山と陽一郎はライバル同士で、純は陽一郎に憧れて陸上部に入ったという。
石山が規則を破って、部屋で酒を飲む。ひかりが注意すると、石山は陽一郎のせいでこんな体になった、と一カ月前の苦い事故の思い出を語る……。グランドでトップを走っていた石山は陽一郎に追い上げられ、陽一郎が並びかけた瞬間、二人の足が接触して転倒した。
ひかりは、リハビリすればまた走れるようになると石山を励ますが、石山の気持ちはぷっつりと切れていた。ひかりは石山の力になるよう陽一郎に頼みにいく。
<第4回>
ひかりは陽一郎に石山の助けになってほしいと頼むが、すげなく断られる。ひかりは思わず陽一郎の顔をひっぱたく。
翌日、ひかりと相性の悪かった内科の看護婦・広江が外科に配属になってくる。
石山がリハビリを全くしないで退院しようとする。ひかりが引きとめているところへ陽一郎が駆けつけてくる。石山をなんとか励まそうとする陽一郎に、石山は二度と来るな、と言い渡す。
その次の日、広江が他の患者に悪影響を与える石山を強制的に退院させるべきだと主張する。必死に石山をかばうひかり。それを聞いていた石山はリハビリを始める。
<第5回>
ひかりの励ましで、リハビリを始めた石山は一週間後には自力歩行ができるようになる。「ここまでやれたのは、君がいたからだ」と、真剣なまなざしでひかりをみつめる石山。
陽一郎が石山の見舞いにくる。以前のような険悪な雰囲気はなく、楽しそうに笑い合っている二人を見てひかりも嬉しくなってくる。
石山を立ち直らせたお礼として、ひかりは陽一郎から食事に誘われる。ひかりは陽一郎にひかれ始めていた。しかし、陽一郎には婚約者の久美がいて結婚の準備が進んでいた。
一カ月後、石山の退院が決まる。石山は喜ぶが、医師からマラソンは無理だと宣告される。
<第6回>
マラソンはもうできない、と医師から告げられた石山は愕然とする。その石山の目に、楽しそうに語り合っているひかりと陽一郎の姿が……。二人は食事の約束をしていた。
石山が陽一郎に、もう走れないことを告げる。そして、自分の支えであるひかりを奪わないでほしいと頼む。それ以降、陽一郎は一度も病院へ姿を見せない。ひかりとの食事の約束もすっぽかす。
石山が退院。翌日快気祝いのパーティーがあり、ひかりも招待される。陽一郎に会えると思うと胸が一杯になるひかり。が、陽一郎はひかりと目を合わせようとしない。
<第7回>
快気祝いのパーティーで、石山が突然ひかりにプロポーズ。驚いたひかりはその場から逃げ出す。陽一郎がひかりを追いかけてきて、石山の真剣な気持ちをわかってやってほしいと告げる。ひかりは、陽一郎に会えると思ったからここへ来たのだと陽一郎への想いをもらす。
帰宅したひかりを石山が訪ねてくる。ひかりが陽一郎に好意を持っていることに気づいた石山は、陽一郎には婚約者がいることを告げる。そして、ひかりが自分の方を向いてくれるまで待っていると。
陸上部が解散になるという噂が流れる。陽一郎は、仲間を見捨てて移籍を持ちかける監督の佐古田を殴りつける。
<第8回>
監督と対立した陽一郎は退部届けを出し会社もすっぱりと辞める。そして、他の会社の実業団チームへの入団を目指すがなかなか思うようにいかない。久美は怒って結婚などどうでもいいと言いだす。
ひかりの病院に、十年間行方不明だった父の靖夫が突然姿を見せる。うらぶれた様子で金の無心をする靖夫に、家に帰ろうと訴えるひかり。肝硬変とアルコール依存症の靖夫は、その場に倒れて入院する。朋子と純は靖夫を家に入れるのに猛反対する。
バーで陽一郎と偶然会ったひかりは、父のことを相談しようとする。
が、陽一郎は悩みなら石山に話せと冷淡だ。
<第9回>
朋子は、靖夫に金を渡して病院を出ていってもらうよう、ひかりに言いつける。ひかりは拒否する。靖夫と話し合うが、靖夫の家出の原因は自分にあるのではないかと疑い始める。
そんな折、朋子がこっそり靖夫に会いにくる。二人の話を聞いてしまったひかりは、自分が靖夫の子どもでないことを知り衝撃を受ける。
その後、ひかりは自分の出生について朋子に問いただす。ひかりの本当の父親は、結婚の約束をした矢先に交通事故で死んでしまった、と打ち明ける朋子。「自分さえいなければ……」と、ひかりは落ち込む。
その頃、石山はまだ就職先の決まらない陽一郎に監督の佐古田に謝るよう忠告する。
<第10回>
自分の出生の秘密を知ったひかりは、ショックのあまりバーで酔いつぶれる。そこへ、偶然陽一郎が来る。目に涙を浮かべて眠り込んでいるひかりを見て、陽一郎は自分の部屋へ連れて帰る。
翌朝、陽一郎のベッドで目をさましたひかりはあわてふためく。陽一郎はひかりの悩みを聞き、自分から逃げるなと励ます。そのとき、石山が訪ねてくる。陽一郎の就職を世話しようとしていた石山だが、二人一緒のところを見て絶交を言い渡す。
元気をとり戻したひかりは、純に出生のことを打ち明け、靖夫を憎まないでほしいと訴える。翌日、純が靖夫に会いにくるが、靖夫は病院から姿を消していた。