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<第31回>
 記憶喪失のまま、ひかりが家に帰ってきて、一週間が過ぎた。
 石山が二宮家にやって来る。石山の顔を見ても、何も思い出せないひかり。
 自分の過去に不安を抱くひかりに、石山ははつらつとしていた看護婦のひかりの思い出を語る。元気をとり戻したひかりは、朋子の店を手伝い始める。
 朋子の店に来た客がひかりを見て、花婿に結婚式をすっぽかされた話を持ちだす。ショックを受けたひかりは取り乱し、階段から足を踏み外して転げ落ちる。
 ひかりは意識を失い、お腹の小さな命の灯は消える。
 生きる支えをなくしたひかりは、自殺を図ろうとする。

<第32回>
 子どもをなくしたひかりは、絶望のあまり自殺を図ろうとするが、朋子に励まされて、生きる力をとり戻す。
 半月後、喫茶店で働き始めたひかりは、客として偶然来た陽一郎と再会。子どもをなくした話に、陽一郎も一緒に泣いてくれ、ひかりは感激する。
 それからまもなく、ひかりは陽一郎に頼んで、マラソンのトレーニングのときに自転車で伴走させてもらう。陽一郎といると新しい自分になれるような気がする、と告白するひかり。
 陽一郎も思わず、ひかりのことを放っておけない、ともらしてしまう。
 ひかりが喫茶店を無断で三日も休む。陽一郎はバーにいるひかりを見つける。

<第33回>
 陽一郎への思いを断ち切るために、ひかりはアルバイトを休み、バーで時を過ごす。そんなひかりの姿に胸がつまった陽一郎は、ひかりの愛を受けとめ、トレーニングのために借りたプライベートルームで、二人だけの時間を過ごす。
 敬介が陽一郎とひかりの関係に気づき、関係を精算するよう陽一郎に手切れ金を渡す。
 悄然と陽一郎がプライベートルームに戻ると、ひかりがドアの前で待っていた。
 陽一郎は、今夜はずっとそばにいてほしい、とひかりに言い、その夜、二人は互いの愛を確認する。
 翌朝、七海が突然部屋に訪ねてきて、二人の姿を見て逆上。陽一郎はひかりとの再会を説明する。

<第34回>
 陽一郎は七海に、記憶喪失のひかりが再び自分に恋をしたことを告げ、ひかりの愛に報いてやりたい、と訴える。七海は陽一郎を許せない。
 陽一郎は敬介に手切れ金を返し、全てを捨ててもひかりとの愛を貫く、と言いきる。
 陽一郎は誰も知らないところで、ひかりと再出発する決意をする。怒った七海はひかりに、陽一郎がひかりを捨て、自殺未遂に追い込んだことを暴露する。
 ひかりは陽一郎に事実を問いただす。七海の言ったことは本当だ、と認める陽一郎。
 激しいショックのあまり、ひかりは全ての記憶をとり戻す。そして、陽一郎を憎む。

<第35回>
陽一郎は七海に別れを切り出す。そして、敬介に、辞表と離婚届を差し出す。
 敬介は、自分もかつて陽一郎と同じ立場に立たされたことを告げ、七海とやり直すよう説得するが、陽一郎の決意は固い。
 朋子は、ひかりのアルバイト先の喫茶店の店主・関根から、ひかりが陽一郎と親しくしていたことを聞き、愕然とする。
 朋子はひかりに、記憶が戻っているのではないか、と聞く。ひかりは、何も知らずに再び陽一郎を好きになってしまったことを打ち明け、今は全てを思い出したと……。
 そこへ、敬介が訪ねてくる。朋子は敬介を見て驚く。思わぬ再会だった。

<第36回>
 敬介が二宮家に訪ねてくる。敬介が陽一郎の義理の父親だと知り、愕然とする朋子。敬介と朋子は古い知り合いだという。
 ひかりは敬介に、陽一郎とは二度と会わない、と告げる。
 陽一郎の話から、敬介はひかりが自分の娘ではないかと疑う。かつて、敬介は自分の夢のために恋人の朋子を捨てたのだ。
 敬介はもう一度朋子に会い、ひかりのことを確かめる。そして、ひかりや朋子の力になりたいと訴えるが、朋子はきっぱりとはねつける。
 ひかりは喫茶店を辞め、看護婦に戻る決心をする。
 七海が、陽一郎を返せ、とひかりのところへ押しかけてくる。

<第37回>
 七海が陽一郎のことでひかりを非難しにくる。陽一郎には憎しみしか残っていない、と答えるひかり。七海は陽一郎がひかりのためにマラソンを辞める決意なのを告げ、ひかりも陽一郎を忘れることができない、と敵意を燃やす。
 敬介が朋子に内緒で、ひかりを呼び出す。そして、陽一郎とやり直してほしいといって、陽一郎も呼び出す。
 ひかりは怒って帰ろうとするが、陽一郎は、今でもひかりを愛していると訴え、敬介がひかりの実の父親であることを告げる。
 ひかりは朋子から、敬介とのいきさつを聞く。
 一方、七海もひかりと自分が異母姉妹なのを知り、衝撃を受ける。

<第38回>
 ひかりが腹ちがいの姉であることを知った七海は、敬介をののしり、家を出ていこうとする。
 琴江は、出ていくのは敬介のほうだ、と逆上。心臓発作を起こして倒れる。
 七海は敬介を許す。
 が、ひかりを姉とは認めないし、陽一郎も絶対に渡さない、と主張する。
 陽一郎は小さなアパートに引っ越して、まさにゼロからのスタートをきる。
 朋子母娘に白川家の財産を奪われると思い込んだ琴江が、朋子のもとへ乗り込んでいく。そして、再び心臓発作を起こして、病院へ運ばれる。
 十日後、琴江は静かに息を引き取る。焼香に訪れたひかりに、七海の冷たい視線がつき刺さる。

<第39回>
 琴江の焼香に訪れたひかりに、七海は陽一郎とは絶対に離婚しないと告げる。
 ひかりは敬介に、七海と陽一郎のしこりが解けるよう力になってあげてほしいと頼む。
 マラソンを辞める陽一郎の決意が固いのを知った敬介は、預かっていた陽一郎の辞表を受理する。
 一年後、ひかりはナース専門の紹介所を通じて、さまざまな看護の仕事に就いていた。
 今度の訪問先は、交通事故の後遺症で歩けず、登校拒否になっている高校生の彩花。誰にも心を開かない彩花は、ひかりに対しても反抗的だった。
 その事故の加害者が陽一郎だとは、ひかりは知る由もない。

<第40回>
 ひかりはブティックを経営している彩花の母・志津子に会い、彩花が歩こうとしないのは、母親の愛情に飢えているからだ、という。彩花は、ひかりに力づくで車椅子を取り上げられ、そのうえ殴られた、と志津子に嘘の告げ口する。志津子はひかりをクビにする。
 それでも、ひかりは彩花と交流を持とうとする。が、彩花の頑な心は変わらない。
 敬介が一年ぶりに朋子の店にやってくる。七海はまだ陽一郎との離婚に応じず、父娘関係もうまくいっていないことを語る敬介。
 朋子は客として敬介を扱い、ひかりも敬介を父親とは認めていない。
 その頃、陽一郎はホストクラブで働いていた。


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