＜第21回＞ ＜第22回＞ ＜第23回＞ ＜第24回＞ ＜第25回＞
＜第26回＞ ＜第27回＞ ＜第28回＞ ＜第29回＞ ＜第30回＞

＜第21回＞
　陽一郎は敬介に呼ばれ、いきなり七海との結婚は許されないと告げられる。反論の余地も与えられなかったので、陽一郎は七海に、敬介の誤解を解くように頼む。
　その夜、ひかりと陽一郎が結婚式の相談をしていると、七海が現れる。七海のつっかかるような態度で、ひかりは七海が陽一郎に好意を持っていることに気付く。
　数日後、陽一郎が交通事故を起こして、少女・彩花をはねる。反狂乱の彩花の母・志津子に、土下座をして謝る陽一郎。
　敬介は会社のイメージを守るため、陽一郎を辞めさせることを考える。何も知らないひかりは、陽一郎の態度の変化にとまどう。

＜第22回＞
　敬介が陽一郎を切り捨てようとしているのを知った七海は、自分の愛を貫くために自殺をはかる。幸い七海は命をとりとめるが、自分のことより陽一郎のことを気遣う。
　陽一郎は敬介に辞表を出す。敬介は七海の自殺を告げ、七海の愛を叶えてやってほしいと頼む。
　志津子から依頼された弁護士が、賠償金のことで陽一郎を訪ねてくる。任意保険が適用されず、全額自己負担という重い
責任が、陽一郎にのしかかる。
　事故のことをひかりに言えないまま、結婚式の当日を迎える。陽一郎はどうしても式場へ行けずに泥酔。ひかりはウェディングドレスを着たまま、ひたすら陽一郎を待つが・・・。

＜第23回＞
　結婚式に、陽一郎はとうとう現れなかった。
　石山が陽一郎の部屋に様子を見にいく。ひかりの幸せのために、結婚をあきらめるという陽一郎。そして、事故のことは内緒にしてほしいと。
　翌朝、ひかりは陽一郎に会いにいく。陽一郎は七海を好きになったと嘘をつき、ひかりとは結婚できないと告げる。
　ひかりは七海に、陽一郎を返してほしいと訴える。
　七海は拒絶。苦しむ陽一郎に、自分と結婚して夢を実現させることが、ひかりの愛に報いることだ、と迫る。陽一郎は七海との結婚を敬介にきりだす。陽一郎の辞表を破り、承諾する敬介。ひかりが妊娠に気づく。

＜第24回＞
　ひかりが妊娠。朋子の忠告を聞き、処置することに決める。が、いざ手術の段になるといたたまれなくなり、逃げだしてしまう。
　ひかりは陽一郎のもとに向かう。七海と婚約したことを告げる陽一郎に、妊娠を打ち明けるひかり。陽一郎は、自分には父親の資格はない、とひかりをしりぞける。それでも、ひかりは陽一郎を信じていた。
　そんなひかりに、陽一郎から、思い出の山で会おうと連絡が入る。嬉しい気持ちでひかりが出かけていくと、子どもは処置するよう冷たい言葉を浴びせかけられる。絶望したひかりは、断崖から身を投げる。

＜第25回＞
　ひかりが行方不明になって、三カ月。朋子は警察に捜索願いを出していたが、何の手がかりもなかった。
　陽一郎は七海と結婚。白川家で暮らす。敬介と義母の琴江は折合いが悪く、琴江は陽一郎に対しても冷たい。陽一郎が怪我をさせた彩花の退院が決まる。自分の足が完治すると信じている彩花は、陽一郎を兄のように慕う。
　志津子は陽一郎に、彩花の足はもう治らないことを告げる。それを聞いた彩花は、陽一郎を恨む。
　石山もまた、ひかりを裏切った陽一郎を憎んでいた。過去をふりかえらないことに決めた陽一郎は、ひかりの失踪も知らない。

＜第26回＞
　足の怪我の回復の見込みのない彩花への負い目から、陽一郎はマラソンのトレーニングに集中できなくなる。心配した七海は、一度故郷に帰って気持ちをきりかえてみては、と陽一郎にアドバイスする。
　その頃、ひかりは、伊豆の診療所で、医師風間の手伝いをしていた。崖から身を投げたひかりは、風間に助けられ、奇跡的に子どもも助かった。が、過去の記憶を全てなくしていた。
　妻に先立たれた風間は、ひかりにいつしか好意を持つようになる。
　故郷の伊豆に帰った陽一郎は、偶然風間の診療所に立ち寄り、ひかりと再会。風間はひかりを、妻の“弥生”と紹介する。

＜第27回＞
　陽一郎はひかりと瓜二つの女性と再会するが、彼女は風間の妻・弥生であり、陽一郎を見ても何の反応も示さなかった。
翌日、ひかりは、マラソンのトレーニング中の陽一郎と偶然、顔を合わせる。ひかりは、風間の妻でないことを打ち明け、自殺を図って、記憶をなくしたいきさつを語る。
　風間は陽一郎がひかりを知っているのではないかと直感し、陽一郎に会いにいく。陽一郎はひかりと別れた事情を語り、伊豆を去ろうとする。
　ひかりは何となく陽一郎に好意を持つ。いたたまれなくなった風間は、ひかりに自殺しようとした動機を無理矢理思い出させようとする。

＜第28回＞
　風間から過去を思い出すよう強いられたひかりは、逃げ出し、倒れたところを偶然、陽一郎に助けられる。
　これ以上風間の重荷になりたくないひかりは、陽一郎に東京へ連れていってほしいと頼む。覚悟を決めてうなずく陽一郎。が、そのとき、ひかりの容体が悪化。診療所に運ばれる。一時は危険な状態になったものの、陽一郎の輸血のおかげで、母子ともに助かる。
　風間はひかりへの愛を陽一郎に告白。ひかりを奪わないでほしい、と頼む。
　意識をとり戻したひかりは会えてよかった、と陽一郎に言い、伊豆に残ることを告げる。東京に戻った陽一郎は、ひたすら走り続ける。

＜第29回＞
　風間は陽一郎から、ひかりの家族と住所を教えてもらっていた。悩んだ末、風間は思いきって、東京の朋子に会いにいく。ひかりの消息を知った朋子と純は、大きな衝撃を受ける。
　翌日、朋子親子は風間と一緒に伊豆に向かう。風間はひかりに身元がわかったことを知らせ、母親と弟が民宿で待っていることを告げる。自分の過去を知ることに恐怖を感じながらも、ひかりは朋子らに会いにいく。が、二人を見ても、何も思い出すことができなかった。
　風間は、ひかりが偶然陽一郎と再会したことを朋子に知らせる。そして、ひかりを愛している、と告白…。

＜第30回＞
　ひかりは風間から愛を告白され、とまどう。
　朋子はひかりの生まれたいきさつを語り、他人の子を自分の子として育てるのは生易しいことではないと心配する。
　ひかりは朋子に、自分の妊娠について聞く。ひかりがどんな人とつきあっていたのかは知らないが、素敵な恋だったと信じたい、と答える朋子。
　ひかりは朋子らと東京へ帰ることを決意。風間に別れを告げる。
　わが家へ帰り、自分の部屋に案内されたひかりは、まるで他人の部屋にいるような不思議な感じを覚えるだけだった。
　命の恩人・陽一郎のことをふっと思い出したひかりは、いつかお礼に行きたいと言いだす。