<第51回> <第52回> <第53回> <第54回> <第55回>
<第56回> <第57回> <第58回> <第59回>


<第51回>
 学会でしばらく留守だった大輔が、桃子が秀夫夫婦に引き取られたのを知り、愕然。自分に何の相談もしてくれなかった響子に、憤る。晃は、いつも自分のことよりまわりのことばかり考える響子に、桃子を迎えにいったほうがいいと忠告する。
 そんなとき、急患の宏子が、響子の懸命の処置にもかかわらず死産。響子は、自分の判断が間違っていたかもしれない、と落ち込む。そのうえ、宏子の夫・林田から、人殺しとなじられ、医者を辞めたくなるほど打ちのめされる。響子は、その場にいた晃の胸で思わず泣いてしまうが、その姿を美里が目撃する。

<第52回>
 優子が足を捻挫して、大輔の治療を受ける。優子を迎えにきた晃を倉田医院で見かけた美里は、晃と響子が抱き合っていたのを思い出し、考え込んでしまう。美里は突然、晃の部屋を訪ね、大輔を傷つけないでほしい、と忠告する。
 響子に会いたくなった桃子が、一人で家に帰ってくる。秀夫から、響子は本当の母親ではない、と告げられたという。響子は思いきって桃子に出征の秘密を打ち明ける。
 が、小さな桃子にはよく理解できず、響子を一途に母親として慕う。
響子は秀夫に、桃子を手放したくない、と訴える。桃子にとって響子がかけがえのない存在だと知った秀夫は、桃子を響子に託す。

<第53回>
 東京の病院から晃に、真奈美が入院している、という連絡が入る。
晃が急ぎ駆けつけると、真奈美は胃潰瘍で、しかも妊娠しているという。退院の許可をもらった晃に、真奈美は離婚届けをさしだす。晃は、まず身体を治すのが先決だ、と説得して、真奈美を松本に連れて帰る。
真奈美の母・正美が突然、中沢から訪ねてくる。母のことを嫌っている真奈美は結婚の報告もしていなかった。二人目は産まない、という真奈美に、正美は子どもは産んだほうがいい、と忠告して帰る。
 晃も真奈美に、子どもを産んでほしい、と頼む。が、真奈美は勝手に子どもを処置してしまう。

<第54回>
 真奈美は晃に何の相談もなく勝手に中絶する。憤る晃に対して、真奈美は頑に離婚を主張。優子も晃に託すという。
 翌日、真奈美が響子に会いにくる。晃と離婚したというので、響子は愕然。晃が愛しているのは響子だけだと言って、真奈美は松本を去っていく。
 晃の離婚を知り、大輔も衝撃を受ける。桃子の誘拐事件以来、大輔と響子の間はどことなくぎくしゃくしている。バーで偶然晃と顔を会わせた響子は、四年前、自分が選んだ道は間違っていたかもしれない、とやりきれない思いをぶつける。
 たった一つの正しい道なんかない、と晃は響子を慰める

<第55回>
 お泊まり保育から戻った優子が、深夜、熱を出す。
 晃は心配だが、翌朝、仕事でどうしても外出しなければならず、優子を部屋に一人残して出かけていく。
 夕方、優子が保育園を休んだのを知った響子は、有吉家に電話をかける。すると、優子がか細い声で、一人だと……。
 響子はぐったりした優子を大輔のところへ連れていく。優子はインフルエンザで、すぐさま松本の病院に入院する。
 晃が優子が世話になった礼を、大輔に言いにくる。
 響子とぎくしゃくしている様子の大輔に、晃は話し合いの大切さを語る。
 大輔は改めて響子に、結婚の意志を確認する。響子はうなずくが……。

<第56回>
 大輔が結婚式を繰り上げたいと言いだす。菊江もまじえて、式のプランは着着と進んでいく。
 そんな折、美里の妹・美鈴が、響子に中絶を頼みにくる。家業の旅館を継ぐことにした美鈴は、見合いで結婚が決まるが、お腹の子は以前につ合っていた彼の子どもだという。
 それを知った美里は、中絶に反対。響子も同じ気持ちだが、最終的には患者本人が決めることだと思う。
 入院中の優子が不憫な響子は、できる限り病院に通っていた。優子への思いは晃への思いなのではないか、と響子に忠告する美里。
 晃もこれ以上響子に親身にされるのが辛く、もう病院には来ないでほしい、と響子に告げる。

<第57回>
 晃からもう病院には来ないでほしいと言われた響子は、晃への思いが断ち切れないでいるのを感じる。
 優子は響子が見舞いに来なくなり、淋しがる。
 大輔は結婚式のことを具体的に決めようと、響子にいろいろ相談を持ちかける。
 が、響子はあまり積極的になれず、大輔の言われるままに従う。
 まもなく、晃が響子を訪ねてくる。優子の退院が決まったといい、近いうちに東京に戻ることを告げる。
 胸がつまって、思わず晃の胸で泣いてしまう響子。
 後ろをふりかえらず、大輔と幸せになるよう、晃は響子に言い聞かせて帰っていく。
 晃は大輔にも松本を出ることを告げる。

<第58回>
 晃から東京に戻ることを告げられた夜、響子は泣いた。
 その姿を見た桃子が心配して、大輔に響子が泣いていたことを知らせる。
 深夜、大輔は一人でお酒を飲んでいる響子を目撃。その横顔は今までに見たことのない哀しげな顔だった。
 優子が退院。響子は桃子と病院へ迎えにいく。
 優子と桃子が手をつないで歩き、晃と響子はその後ろを一緒に歩いた。四人はまるで普通の家族のように自然だった。
 その光景を見た大輔は愕然とする。
 大輔は結婚をとりやめることを決意。アフリカの無医村地区へ単身、ボランティアで行く、と響子に告げる。

<第59回>
 大輔は亡き父の夢だった無医村へ行くことを菊江に報告。ずっと響子を好きだったが、響子を幸せにできるのは自分でないことがわかったと……。
 まもなく、大輔は一人でアフリカへ発っていく。
 美里は旅館を継ぐことを決意。美鈴は婚約をキャンセルして、お腹の子の父親と一緒になることに。
 美里は響子に、大輔が身を引いた意味をよく考えるよう忠告する。
 東京へ戻る前夜、晃は響子を自分が設計した店に案内する。晃ともう会えなくなると思うと、響子は……。
 翌日、響子は駅に向かって走った。そして、東京行きの列車に乗り込もうとしている晃の胸に飛び込んでいく……。


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