<第31回> <第32回> <第33回> <第34回> <第35回>
<第36回> <第37回> <第38回> <第39回> <第40回>
<第31回>
和子が四歳の優子を連れて、響子を訪ねてくる。孫と一緒に旅行中だというが、あとで家出してきたことがわかる。
晃は設計事務所を開いて独立、真奈美は勤めに出ているという。
響子は和子に桃子を紹介する。再婚もしないで養女を貰ったと聞き、驚く和子。
響子は、桃子のおかげで今はとても幸せだ、と微笑む。
そして、大輔にプロポーズされていることを打ち明ける。
その夜、響子は和子と優子を家に泊める。
その頃、晃は金銭上のトラブルで窮地に陥っていた。
翌日、響子から連絡を受けた真奈美が、松本にやってくる。
<第32回>
真奈美が、家出した和子を迎えにくる。
が、嫁姑の関係がうまくいっていない二人は、険悪なムードに。
響子のとりなしで、なんとか和子は帰る気になるが、玄関まで来たところで、いきなり倒れてしまう。
和子は救急車で松本の病院に運ばれる。軽い脳梗塞だった。
晃が東京から駆けつけてくる。和子の命に別条がないことがわかり、ほっとする晃。真奈美が和子に付き添う。
優子を迎えに、晃は響子のところへ行く。離婚して四年ぶりの再会だった。
響子は、家族をつなぎ止めるのは晃の責任だ、とある距離感を持って、忠告する。
<第33回>
和子が入院して、二週間たった。真奈美は松本に残り、病院で付き添っている。
晃が東京から見舞いにやってくる。仕事が忙しいのにかまけて和子を放っておいたことを謝る。
和子は、晃だけが頼りだといって、孤独感を訴える。
晃は響子を訪ね、和子の退院が明日に決まったことを知らせる。
大輔は晃に、響子にプロポーズしたことを告げる。晃は、響子が幸せそうで安心した、と答えるが、響子の今までの苦しさをわかっていないようなその口ぶりにかっとなった大輔は、晃を殴ってしまう。
翌日、和子の退院をすませた晃は、響子に、大輔と幸せになってほしい、と告げて去っていく。
<第34回>
大輔の母・菊江が、子宮筋腫で響子の診察を受けにくる。大輔がプロポーズのことをまだ菊江に話していない様子なので、響子は考え込んでしまう。
大輔、桃子と三人でドライブした夜、つくづく幸せを感じた響子は、ついに大輔のプロポーズを承諾する。
有頂天になった大輔は、今度結婚したい人を家に連れてくる、と菊江に報告する。
当日、響子が倉田家を訪ねると、菊江は頭から二人の結婚に反対。傷つく響子に、大輔は、絶対に菊江を説得してみせる、と約束する。
が、二人は知らなかったが、菊江にはこの結婚を許せない、過去のある事情があった。
<第35回>
菊江に結婚を反対された夜、響子は大輔と初めて結ばれそうになるが、突然全身が硬直し、彼を受け入れることができなかった。生まれて初めてのできごとに、響子は戸惑う。
大輔は、急がなくていいと響子を慰める。
ある夜、大輔は響子のところに泊まっていく。
翌日、そのことを知った菊江はショックを受け、響子に会いにいく。
大輔と結婚させてほしいと訴える響子に、菊江は驚くべきことを告げる。響子と大輔は異母兄妹だと……。
三十四年前、大輔の父と響子の母は不倫をして、それで生まれた子が響子だった。愕然とする響子に、菊江は大輔には話さないようにと頼む。
<第36回>
菊江から自分と大輔が異母兄妹だと知らされた響子は、自分が生まれたときのことを婦長の佐藤に尋ねる。
佐藤の話によって、響子は菊江の告白が事実だと確信する。
自分の口から別れをきりだせない響子は、菊江に頼む。
が、大輔に夫の不倫のことを知られたくない菊江は、響子にすべてを託す。
そんなとき、大輔が婚約指輪を買いにいきたいと言いだす。
追いつめられた響子はついに、大輔に結婚できないときりだす。
理由を問いつめる大輔に、響子は、今でも晃を愛している、と嘘をつく。
打ちのめされた大輔は、その場から飛び出す。
<第37回>
響子にプロポーズを断られた大輔は、東京の晃に会いにいき、響子の気持ちを伝える。
晃は、響子を幸せにできるのは大輔しかいないから弱気にならないよう励ます。
ずたずたに傷ついている大輔を見た美里が、響子に本当の気持ちを聞きにいく。
が、響子は口を閉ざす。
突然大輔が姿を見せなくなり、桃子が淋しがる。大輔は忙しいなどと言って響子はごまかしていたが、我慢できなくなった桃子が、大輔に会いたい、と駄駄をこねる。
響子を意を決して、大輔とは結婚しないことを桃子に告げる。
翌日の夕方、桃子がいなくなる。響子は必死に探し回るが……。
<第38回>
大輔会いたさに家を出た桃子は、途中親切な人に助けられて、倉田家にたどりつく。
響子は桃子を迎えにいくが、ひたすら大輔を慕う桃子が哀れだ。
響子は美里から、プロポーズを断った理由を追及される。耐えきれなくなった響子は、自分と大輔が異母兄妹であることを告白してしまう。
ある日、見知らぬ若い男、達也が菊江を尋ねてくる。達也の父親と菊江の夫が学生時代の知り合いだったときりだした達也は、ある女性の消息を知りたいという。
達也の話に、菊江は愕然。その女性こそ響子の母で、達也の父と不倫関係にあったという。菊江は女性も子どもも亡くなったと答える。
<第39回>
大輔は響子のことで苦しむあまり、美里と関係を持ちそうになる。すんでのところで思いとどまるが、傷ついた美里は大輔と響子が異母兄妹だと口走ってしまう。
大輔は今まで黙っていた菊江を責める。菊江は大輔と響子が他人であることがわかっていたが、真実を知らせないことに。不倫の果てに生まれた響子を、大輔の嫁として認めるわけにはいかなかった。
大輔は響子に、“妹”の幸せを祈っている、と告げる。響子も同じ気持ちだった。
週末、響子は教授の送別パーティーに出席するため上京する。ホテルのロビーで、響子は金融業者から大金を受け取っている真奈美を見かける。
<第40回>
東京で、響子は真奈美と偶然再会する。そして、体調をくずした真奈美を家まで送っていく。
和子が響子に晃の事務所の窮状を訴え、借金を申し出る。晃や真奈美は和子をたしなめ、響子はいたたまれずに去る。
菊江が筋腫で響子の医院に緊急入院。響子はオペをする。達也が菊江を訪ねてくる。亡くなった父の愛人と異母姉の墓参りがしたいという。
菊江はとりつく島もなく追い返すが、達也から話を聞いた婦長の佐藤は、響子を呼ぶ。響子も菊江と同じように知らないふりをする。
が、帰ろうとする達也に思わず、自分の素性をあかしてしまう。