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<第61回> <第62回> <第63回> <第64回> <第65回><第61回>「卑劣な妨害工作」
ユウコがカオルと一緒に住むことになったその日、司郎と和歌子が突然、アフリカから帰ってくる。モデルのキーとフーも橘家に居候するというので、ユウコは憮然。
そのうえ、家の建て替えが決まった安郎一家四人が仮住まいのため押しかけてくる。
司郎がアフリカの写真集の出版を、池内に依頼。が、大手出版社からの横槍が入り、暗礁に乗り上げる。
可門は、自分のルポの仕事の写真撮影を司郎に依頼する。
橘家では、ユウコ一人に食事の仕度が押しつけられ、ユウコが仕事で遅くなると、文句を言われる。怒ったカオルは同棲二日目にして、ユウコと家を出る。<第62回>「決戦の朝がきた!」
大家族のわずらわしさを嫌って、ユウコはカオルと久美のもとへ帰る。が、久美は橘家へ帰るよう忠告する。
翌日、阿久津らの妨害に負けて、池内は司郎の写真集の出版を断念。ユウコは怒りが収まらないが、そこへ、司郎、大野木、カオルが現れ、阿久津の弱みをつく情報を武器に反撃。阿久津はうろたえ、妨害をやめる。
ユウコとカオルは、橘家へ戻る。ユウコは十人分の食事を作り、にぎやかな夕食が始まる。楽しい雰囲気に、大家族も悪くない、と思い直すユウコ。
そんなユウコに、気がかりなことが一つあった。司郎の体に、ときどき異変が起こるのだ。<第63回>「突然の悲しみ・・・」
朝、快調に小百合の写真を撮っていた司郎が、突然倒れ、意識不明になる。救急車で病院へ運ばれるが、クモ膜下出血で、予断を許さない状態だった。
まもなく、司郎が目を覚ます。明るく家族の一人ひとりに話しかけた司郎は、ひょいと目を閉じ、「ああ面白かった」とつぶやく。
手術が始まる直前、司郎は二度目の出血を起こし、帰らぬ人となる。
大きな悲しみのうちに、司郎の葬儀が行われ、カオルは喪主を立派に、そして毅然と務めあげる。ユウコはそんなカオルを見直し、二人でもっと自然体に生きようと話し合う。
その夜、カオルは意を決して、ユウコにプロポーズする。<第64回>「最高のプロポーズ」
カオルからプロポーズされたユウコは、迷うことなく承諾。二人は小百合と草加に保証人になってもらい、その日のうちに入籍をすませる。
草加の小説が出版される。初日から売れ行き好調だ。
<やまと撫子>創刊に向けて、ユウコは女性の性器の日本語統一名称を提案。その新しい<愛のことば>は<ひみこ>に決定する。
その夜、ユウコとカオルは、橘ファミリーの一同に結婚を報告。盛大な祝福を受ける。
幸せな新婚初夜を迎える・・・はずの二人だったが、ささいなことで初めての、夫婦喧嘩。ユウコは離婚を口走り、実家に帰ろうとするが、久美にたしなめられる。<第65回>「奇跡を見た一夜」
入籍そうそう大喧嘩したユウコとカオルは、ベッドに入っても背中合わせで、険悪なムードが広がる。
そんな二人の耳に、窓の外から発情した猫の声が聞こえてくる。二人はハッと飛び起き、これが<ひみこの音>だと確信。ついに、その夜、一つに結ばれる。
三ヵ月後・・・。ユウコとカオルの結婚披露パーティが開かれる。ユウコは妊娠三ヵ月。<やまと撫子>は無事創刊され、司郎の遺作写真集も発刊。喜びが重なる。久美と大野木の託児所も軌道に乗っていた。
それから半年・・・。カオルは建築事務所を構え、仕事に張りきっていた。ユウコは臨月のお腹をかかえ、赤ちゃんの生まれるのを待ち望んでいた。(終)