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<第31回>「露天風呂でドッキリ」
 ユウコは草加と北陸取材へ出かける。
 金沢の小松空港のロビーで、二人は突然、小百合に声をかけられ、目を丸くする。和歌子に付き添ってもらい、小百合は柳生と宝塚を観にいっていたといい、北陸取材に同行したいと。
 その頃、柳生は和歌子に付き添われ、病室に戻っていた。
 その夜、和歌子が山川にいきなり別れをきりだす。幸せそうな小百合と柳生を見ているうちに、山川への愛に疑問を感じ始めたという。
 山川は逆上するが、和歌子は別居を宣言。
 未知子が司郎に、愛人契約の返事を聞きにくる。NO、と答える司郎。カオルはそんな二人に、呆れ顔。

<第32回>「胡弓が聴こえる町」
 ユウコは可門から薦められた金沢郊外の行善寺を訪ねる。そして、そこの〈摩耶夫人像〉に感動。自分たちのプロジェクトに改めて誇りを持つ。
 その頃、カオルは、司郎と和歌子の関係について、割りきれない思いを抱いていた。山川と別居中の和歌子は、カオルの家に滞在し、司郎とも仲良くやっていた。
 行善寺の取材を終えた午後、ユウコに急に、自由な時間ができる。
 ユウコは思いきって、亡き父の実家、越中八尾を訪ねる。そこには、ユウコの祖父母・徳次郎と初子が住んでいた。
 二人に対して憎しみを抱いていたユウコだが、徳次郎らは久美母娘の行方を探していたと。

<第33回>「まぶしい父の写真」
 祖父母の家で、ユウコは初めて、父の写真を見せられる。「お父さん・・・・・」とつぶやいたとたん、こらえきれずにユウコの瞳から涙があふれだす。
 徳次郎らに連れられて、ユウコは父の墓へ行く。いつのまにか、ユウコの二人へのわだかまりが消えていく。
 その頃、カオルはユウコに会いに金沢へ行く決心をしていた。
 翌日、金沢での取材を無事終えたユウコたちは、予定より一日早く、その日の午後、帰京することになる。
 その前に、三人は柳生の実家を訪ねる。そびえるような大邸宅に、一同は驚く。
 その頃、カオルはユウコたちがチェックアウトした後のホテルを訪ねていた。

<第34回>「恋人に近づいた夜」
 ユウコらが訪ねた柳生の実家は、加賀でも指折りの友禅の問屋で、柳生の甥・健作が会社を切り盛りしていた。一見、人当たりのよさそうな健作だったが、小百合の口から柳生との結婚の話を聞いたとたん豹変。財産目当てだと疑いの目を向ける。
 柳生家からの帰り道、ユウコは偶然、カオルと会う。小百合と草加は気をきかして、二人で先に帰京。ユウコはカオルと、金沢にもう一泊する。ユウコは祖父母から貰った風の盆の浴衣を身につけて、カオルに見てもらう。
 小百合は柳生の病室を訪ね、健作に会ったことを告げる。柳生は改めて、小百合にプロポーズ。小百合は涙で承諾する。

<第35回>「おばあちゃんの再婚」
 小百合の結婚をめぐって司郎と和歌子が対立する。口論する二人に、カオルは子どもの頃の嫌な記憶を思い出す。
 見舞いにきたユウコとカオルに、柳生が署名、捺印済みの婚姻届けを差し出し、二人に保証人になってほしいときりだす。
 自分たちにその資格があるかどうか、ためらうユウコ。カオルはユウコを励まし、翌朝、二人で柳生の病室へ寄って、一緒に判を押すことに決める。
 久美は恩人の寿美代の窮地を救うため、銀座の店を売りに出す決心をする。
 翌朝、ユウコとカオルが病院へ行くと、柳生の容体が急変。人事不省に陥っていた。

<第36回>「奇跡のカムバック」
 柳生が危篤状態に陥る。今夜あたりがヤマだという。ユウコは金沢の健作に連絡するが、あいにく海外出張中だった。ユウコとカオルは、保証人として婚姻届けに捺印し、昏睡状態のままの柳生に見せる。柳生がもう一度目を開けることを祈りながら。柳生のことを気にかけながらも、ユウコとカオルはそれぞれの仕事に戻る。
 その夜、小百合は医師から、柳生の病状がはかばかしくないことを告げられ、沈痛な面持ちになる。そのとき、柳生の血圧や心拍数が突然、回復し始め、柳生が奇跡的に意識を回復する。その知らせを受け、ユウコは草加と抱き合って、喜ぶ。

<第37回>「一通の遺言書・・・」
 柳生が奇跡的に回復した翌朝、健作が病院にやってくる。柳生は弟とその息子健作に家業を押しつけたことを謝り、かねてから用意しておいた遺言書を手渡す。
 その頃、橘家では、小百合の婚姻届を見た安郎が激怒。保証人になったユウコも、カオルと一緒に責められる。そこへ、健作が訪ねてくる。「遺産を全て、健作に相続させる」という柳生の遺言書を取り出した健作は小百合らをさんざん侮辱。悔し涙にくれた安郎は一転、小百合の結婚に賛成する。ユウコとカオルはすぐさま、婚姻届を役所に届けにいく。
 その夜、編集部に泊まり込みのユウコに、草加が“愛”を打ち明ける。

<第38回>「禁断の愛の告白」
 「ずっと、ユウコが好きだった・・・・・・」と、草加が告白。ユウコはあまりの出来事に金縛り状態に陥る。
 草加は両親に愛されなかった辛い子ども時代を語り、その愛のすきまを埋めるために、女性に抱かれたいきさつを打ち明ける。
 翌日、ユウコは可門から草加の孤独を受けとめられるのはユウコしかない、と言われ、ますます混乱してしまう。
 次の日の夜、ユウコはカオルと行ったスナックで、偶然、和歌子と山川に会う。 「和歌子が一番好きな男はカオルだ」と、暴露する山川。そして、和歌子の気持ちを縛りつけている司郎は卑怯だとなじる。ユウコはカオルとの危うい関係を、和歌子に見抜かれる。

<第39回>「命のメッセージ」
 プロジェクト「ひみこ」の校了明けの休日。ユウコとカオルは思いがけず、和歌子と山川の離婚の話し合いの立会人を努めることになる。他にも、司郎と久美が同席する。
 ユウコは和歌子の、カオルは山川の立場になって話し合いは進められるが、そのうち、立場が逆転。山川は怒りだし、和歌子と司郎の結婚が破綻した原因を、なまなましく語る。
 和歌子は、司郎を見返すために男性遍歴を重ねてきたが、自分が本当に求めていたのは、小百合やカオルのいる橘の家族との暮らしだ、と告白。自責と悔恨で号泣する。
 山川はついに、あきらめて、和歌子のもとを去っていく。

<第40回>「最期のプレゼント」
 草加が珍しく、無断欠勤する。電話での連絡も全く取れないので、ユウコは心配する。 その頃、草加は柳生を見舞っていた。小説を書く決意をした草加は、旅行バッグを持って、どこかへ出かけていく。
 その夜、久美の店の閉店パーティが開かれる。大勢の友人たちが集まり、陽気に宴は盛り上がる。
 翌朝、久美のもとに、不動産屋が訪ねてくる。久美の店が売れたといい、買い主の希望で、改めて店の権利を久美に返したいと。その買い主は柳生で、自宅マンションを処分して、資金を作ったのだった。
 久美とユウコは病院へ駆けつけるが、まもなく、柳生は静かに息をひきとる。


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