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<第51回>
 六甲本社の取締役会で、翠明の経営状態に対する報告があり、現状では廃業もやむなしという意見が出る。
 妙子は、売上げアップと経費削減に努力するよう従業員たちに発破を掛け、自分は新規団体客百名以上の獲得を約束する。そして、涼子にも自分と同じ数字を約束させる。  妙子はまた、食べ放題の新しい企画を作る。儲けを上げるために、客を騙すようなやり方に、涼子は賛成できない。
 商用で翠明をよく利用してくれていた小宮が顔を見せる。リストラに遭い、失業中の小宮は宿泊代すらこと欠く身だったが、涼子は今までの恩返しだといって無料サービスで小宮をもてなす。

<第52回>
 一ヵ月間に百名以上の団体客をとる約束をした涼子と妙子だが、妙子の方が圧倒的にリードしていた。女将交代を見越して、はる以外の仲居たちは妙子側につく。
 ある夜、朝倉が泥酔して店に現れる。心配した涼子は雪子に連絡。駆けつけた雪子は、兄の春樹が朝倉酒造の経営に失敗して、家出。母も持病が再発して、入院したことを語る。ワインに夢中になって、会社を春樹に任せっぱなしにしたことを悔いる朝倉。涼子は朝倉を励まし、翠明に泊めて、休ませる。部屋のソファで居眠りを始めた朝倉を、涼子は布団まで運ぶ。
 その瞬間、二人めがけてカメラのフラッシュが光る。

<第53回>
 涼子のスキャンダルをでっちあげるため、妙子は和子を使って、涼子と朝倉のツーショットの写真を撮らせたのだ。はるは瀬川に抗議。瀬川は妙子からフィルムを取り上げる。
 酒屋の店主、矢島が翠明に泊まる。矢島は朝倉酒造の「北の龍」を注文。が、昨年、生命のやさしさを感じた「北の龍」とはまるで違う味だったので、がっかりする。朝倉は酒造を再建しようと奮起。ワインの店を佐島と和田に任せ、山中をあとにする。
 妙子が目標の団体客百名を突破。低迷していた涼子に、矢島と小宮から相次いで予約が入り、土壇場で妙子を追い抜く。

<第54回>
 妙子が涼子に無断で翠明で呉服の展示会を開く。はるは妙子に頼まれて、“お見立てモデル”になる。呉服店の貴子は妙子の友人で、妙子は、貴子の息子敏樹とはるを結婚させようと企む。はると涼子を引き離そうというのだ。
 展示会場で、客の徳島、綾乃夫婦が、誤って高値な反物にワインのしみをつけてしまう。はるの気転のきいた処置で、その場は丸くおさまり、貴子ははるのことがすっかり気にいる。貴子は、息子とはるの結婚について、はると涼子に切り出す。とまどうはる。涼子は、本人の気持ち次第だと。
 一方、思いもよらないはるの結婚話に、瀬川は心穏やかでない。

<第55回>
 鉄観の寺で、はると敏樹の見合いがある。母親と同じく、はるに好意を持つ敏樹。はるもまんざらではなさそうだ。
 呉服展示会の二日目、はるが売り上げの割り戻しで高収入を得たのを知った仲居たちは、客に強引に着物を勧め客を怒らせる。涼子は妙子に、展示会の中止を申し入れる。はるに嫉妬した仲居たちが、はるとは一緒に働けないと言いだす。貴子ははるを、自分の店で働くよう誘う。
はるを気づかった敏樹の希望で、展示会は中止。貴子のたっての希望で、はるは俊樹と結婚式のような衣裳でパフォーマンスを行う。
 怒った涼子は、はるにクビを言い渡す。

<第56回>
 はるの花嫁姿のパフォーマンスに怒った涼子は、はるにクビを言い渡す。はるは事情を説明。納得した涼子は、クビを取り消す。
 敏樹は、母親の言いなりになってばかりいる自分に嫌気がさす。敏樹には結婚を前提にしてつき合っていた恋人・美佐子がいたが、母親の貴子の反対によって強引に別れさせられたのだ。一大決心をした敏樹は、美佐子に会いにいく……。
 はるは相変わらず瀬川と喧嘩ばかりしていた。和田ははるに、自分の心を素直に見るよう忠告する。はるは瀬川に惚れている、と指摘する。
仲居たちの間でも、はると瀬川のことが噂になっていた。妙子は二人を厳重に監視する。

<第57回>
 ある日、はるは若い女性客から、地元のおすすめの店について尋ねられる。が、何も答えられなくてすっかり落ち込む。
 そんなはるに、瀬川が昼の休み時間を利用して、車で地元の新しい名所へ案内してやろう、と声をかける。はるは喜ぶが、妙子から他の従業員たちの疑いを招くような行動はとらないよう釘をさされる。迷うはる。しかし、涼子は、自分の気持ちに正直になるようアドバイスする。はるは瀬川と出かけていく。
 妙子のお膳立てで、瀬川の亡き母の27回忌の法要がとり行われる。病院長の北沢と北沢の娘・雅美が妙子に呼ばれて出席した。雅美は瀬川と将来を約束した仲だという。

<第58回>
 瀬川と雅美の縁談をまとめるために、妙子は法事を口実に北沢父娘を山中へ呼び寄せる。六甲の会長・外山と北沢と鉄観和尚は戦友同士。瀬川と雅美がまだ学生の頃、北沢と外山が相談して、将来二人を一緒にしようと決めたという。
 はるは、瀬川が婚約者のことを隠していたことに傷つく。雅美は瀬川とはるの態度から、二人の間に特別な感情があることに気がつく。雅美から、瀬川のことをずっと想ってきた気持ちを打ち明けられたはるは、雅美と瀬川に話し合いをさせる。
 はるを愛している、と告白する瀬川。雅美ははるに、瀬川と幸福になってほしい、と言い残して去っていく。

<第59回>
 雨の大杉神社境内。はるは偶然、瀬川と一緒に雨宿りする。瀬川は寒そうにしているはるの肩に自分の上着を掛けてやるが、それがもとで高熱を出し翠明の部屋で寝こむ。
 六甲の大事な取り引き先の銀行の亀岡副頭取夫妻が翠明に来る。はるは夫妻の担当になるが、瀬川のことが気がかりで仕事に集中できず、亀岡の足にお茶をこぼしてしまう。妙子ははるに、医王寺での謹慎を言い渡す。瀬川の様子を見たい、と訴えるはる。が、妙子は許さない。はるは寺へ行き、瀬川のことを想う。涼子が心配して様子をみにいくと、はるは泣きだす。

<第60回>
 謹慎処分を受けて、寺で一夜を過ごしたはるは、瀬川のことが頭からはなれなかった。
 その頃、高熱で眠り続けていた瀬川は目を覚まして、はるのことを気にかける。和子は瀬川にはるが謹慎していることをこっそり知らせる。
 妙子が、和子の一千万の借金を棒引きしてもいいと言いだす。しかも、翠明から六甲が全面的に手を引くと。但し、はるに瀬川のことをあきらめさせるのが条件だった。涼子ははるの気持ちを大事にしようと思うが、瀬川が六甲の外山会長の実子と知り驚く。はるの幸せのため、涼子は心を鬼にしてはるに輪島の旅館への転勤を命じる。


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