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<第41回>
 和田支配人が翠明を去ってから、一週間が過ぎた。
 六甲総合商事の相田部長は、和田の後任として、和子を推薦する。涼子は、和田の復帰を心で願いながらも、和子を新しい支配人にする。
 和子が新しい仲居頭を決めることになる。仲居たちは張り切るが、はるだけは和子に反抗する。そんなとき、はるは和子に言われて、釣りに出かけた客の弁当を届けにいく。
 途中、沢で釣りをしている瀬川の姿を見かけ、声をかけるが、足をすべらせて水の中に落ちてしまう。足を痛めたはるを、瀬川が背負って、無事に送り届ける。そんな二人を、朝倉の娘雪子が目撃する。

<第42回>
 雪子がはるに会いにきて、今日瀬川と一緒にいたことを問い詰める。はるは、雪子が瀬川を知っていることに驚くが、そのあと、偶然顔を合わせた雪子と瀬川のただならぬ様子に、はるは二人の間に何があったのだろうと心配になる。
 その夜、泥酔いした雪子は翠明に泊まる。はるは、雪子が泣いているのを見てしまう。
 翌朝、はるは雪子が妊娠しているのに気がつく。雪子は、妊娠三ヵ月だと打ち明けるが、相手の名前は言おうとしない。雪子の妊娠を知った瀬川と雪子が口論になり、雪子が瀬川の頬に平手打ちする。仲居たちは、雪子のお腹の赤ちゃんの父親は、瀬川ではないかと……。

<第43回>
 雪子が妊娠。その子どもの父親ではないかと疑われた瀬川が、突然姿を消す。和子の連絡によって、朝倉が雪子を迎えにくる。娘の妊娠にショックを受けた朝倉は、嫌がる雪子を力ずくで連れて帰ろうとする。
涼子が間に入り、朝倉と冷静に話し合う。
 雪子ははるに、子どもの父親は弁護士志望の須田だと打ち明ける。須田は瀬川の後輩で、司法試験に合格するまで雪子と別れるよう瀬川から言われたという。
 雪子が切迫流産の危機。そこへ、瀬川が須田を連れて駆けつけてくる。須田の看病の甲斐もあって、雪子の容態は持ち直す。
 まもなく、雪子、須田、そしてちょっと複雑な心境の朝倉が山中を去っていく。

<第44回>
 電力会社の将棋愛好会の幹事、米山が、毎年翠明で開いている名人戦の相談に来る。和田が退職したと聞き、がっかりする米山。今まで名人戦の運営を全て、和田に任せていたのだ。
 相田が町田を連れて、翠明に来る。町田が相田の運転手をしているというので驚く和子。翠明の経営状態をチェックした相田は、さらなる合理化を要求する。
 瀬川が、朝食ヴァイキングを提案。涼子は二の足を踏み、板長や仲居たちも反対する。が、はるは、とりあえずやってみればいい、と賛成。
結局、ヴァイキング案が通る。涼子ははるに裏切られた思いで、淋しい。

<第45回>
 はるの発言がきっかけで、朝食ヴァイキングが行われることになる。涼子はあまり乗り気でなく、準備ははるや和子たち任せだ。
 そんな折、桐谷夫妻がやってくる。一年に一度山中に来るのを楽しみにしている老夫婦は、翠明の心のこもったサービスが気にいっていた。
 いよいよ朝食ヴァイキングが始まる。客たちの反応もよく、はるはほっとする。が、桐谷夫妻が味噌汁と漬物を口にしたとたん、怒ったように席を立ち、帰り支度を始める。
 涼子は、和田の残したデーターをもとに桐谷好みの食事を作り直して、夫妻に喜んでもらう。瀬川は、お客一人一人のニーズに合わせたものをと朝食ヴァイキングの一旦中止を決める。

<第46回>
 朝食ヴァイキングが取り止めになって二日後。和田が朝倉酒造のワインを翠明に配達にやってくる。今日から、和田便利社をオープンしたという。はるは、和田と一緒にまた働きたいというが、そんなことをしたら、六甲はそれを口実に翠明を売り飛ばす、とたしなめられる。その日、風呂の下水がつまるというハプニングが起きるが、和田の活躍で事無きを得る。
 京都でデパートを経営している石坂が、客としてやってくる。まもなく、石坂の同伴者夏美とその息子・勇気が到着。仲居たちは石坂と夏美の関係に興味津津。
 翠明の取締役支配人として、妙子が任命されてくる。

<第47回>
 取締役支配人として翠明に乗り込んできた妙子は、これまでに女将として四軒の旅館を立て直してきたやり手だった。和子は仲居頭に復帰。妙子は涼子と共同で翠明の経営にあたるという。
 偶然にも、妙子は石坂の古い知り合いだった。涼子をさしおいて、女将のように石坂と接する妙子。夏美は石坂の愛人で、勇気は石坂の子どもだった。石坂は、跡継ぎとして勇気を引き取りたかったが、勇気は母親と離れて暮らすのを嫌がる。悩む夏美に、勇気の将来のために、勇気を説得すべきだと主張する妙子。一方、涼子は、勇気の気持ちをよく考えてあげるよう頼む。

<第48回>
 勇気の幸せのために、夏美は勇気を置いて、こっそり翠明を出ていこうとする。はるが気がつき、夏美を必死に引き止める。翌日、夏美は、子どもを手放したくないと石坂に訴える。涼子も、夏美の味方をする。が、石坂は聞き入れず、強引に勇気を連れていこうとする。勇気は石坂の手をふりほどき、瀬川に助けを求める。瀬川は、どちらを選ぶか、勇気本人に決めさせるべきだと石坂を説得。まもなく、勇気は夏美と金沢へ帰っていく。
 はるは、瀬川を“剛司様”と呼ぶ妙子と瀬川の関係が気にかかる。瀬川は、妙子は子どもの頃の家庭教師だったというが……。

<第49回>
 妙子は、今後のことを会長と相談するため、神戸へ戻る。
 翌日、翠明で、涼子の同窓会が行われる。集まったのは、涼子の大学時代からの親友、真知子と清子、そして、一年先輩の朝倉。真知子と清子は多額のチップをはずみ、家庭生活も順調で幸せそうだ。しばらくして、涼子らは朝倉の店に場所を移す。最初は和気あいあいとした雰囲気だったが、ふとしたことから、真知子と清子が相手の不倫や家庭問題を暴露し合い、喧嘩になる。その夜、真知子と清子は別々の部屋をとって、翠明に泊まる。
 翌朝、はるは畳の上に倒れている真知子を発見。そばには睡眠薬のビンが……。

<第50回>
 真知子が自殺を図ったと思ったはるは、驚いて涼子に知らせる。涼子は急いで医者を呼ぼうとするが、そのとき、真知子が何事もなかったように目を覚ます。睡眠薬は飲まずに、酔いつぶれて寝てしまったという。和子はこの自殺騒ぎをただちに本社へ連絡する。
 清子のもとに、男から電話がかかってくる。夫の会社が倒産して、たった一度男と過ちをおかしたが、その男から脅迫されつきまとわれているという。和田が一計を案じて、男をやっつける。
 一方、夫の浮気に悩んでいる真知子には、瀬川が弁護士として協力。夫は女と別れ、家庭に戻ったという。涼子、真知子、清子は、永遠の友情を誓う……。


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