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<第51回>「佐代子の逮捕」
 別れ話のもつれから、門倉が佐代子に刺される。藍は救急車を呼ぶが、門倉は「藍に看とられて死ぬなら本望だ」と言って、息を引きとる。
 佐代子は逮捕され、藍も警察に事情を聞かれる。
 司郎は新潟から駆けつけてくる。手錠をされて連行される姉の姿を見て、やりきれない気持ちになる。司郎はまた、真弓の会社の出店の件が本社からストップがかかり、窮地に陥っていた。
 しげはショックで過換気症候群の発作を起こし、郁夫は号泣する。
 春菜は門倉の遺体と対面し、お別れをする。混乱している春菜に、藍は、門倉が最期まで春菜のことを気にかけていたことを告げる。

<第52回>「壊れ始めた祖母」
 佐代子の事件の翌日、打ち合わせで祐輔と会った藍は、別れをきりだす。春菜のために、母親として生きるほうを選んだのだ。が、祐輔はあきらめられない。
 藍は佐代子に差し入れを持っていく。藍を憎み続ける佐代子はそっぽを向き、口もきかない。
 司郎は真弓の会社の件で、本社の財前本部長と対立。あまりにも卑怯なやり口に、思わず財前の頬を殴ってしまう。
 気丈だったしげに痴呆の症状が現れる。郁夫を司郎と間違えたり、春菜を藍と呼んだりしたことが以前にもあったが、食事をしたことを忘れるようになり、なりふりかまわず食べ物を口に入れる。

<第53回>「血に頼らない家族」
 しげに痴呆の症状が現れ、司郎の顔もわからなくなる。遠からず、会社を追放される運命の司郎は、しげを新潟へ連れて行くことを考える。
 一方、藍は自分でしげの面倒を見るつもりだ。
 真弓の会社のことが気になる司郎は、その夜のうちに新潟へ帰る。真弓は自己破産を覚悟するが、司郎は何か恐ろしいことを企んでいた。
 翌日、藍はしげを病院へ連れて行く。やはり老人性痴呆症で、佐代子の事件が原因で、急に悪化したらしい。
 真弓は望月の秘書・小町とともに財前本部長を訪ねる。そして、司郎が会社を辞めさせられることのないよう約束させる。

<第54回>「恋愛に向かない女」
 司郎は、真弓が破産を申し立てる前に、架空取引をして、真弓に裏金を持たせる計画を立てる。尻込みする江幡も買収して、仲間に引き入れる。
 祐輔の仲介で、郁夫は佐代子と面会する。しげの近況を聞き、絶句する佐代子。
郁夫は、しげの世話をするために、介護の専門学校へいくことを告げる。
 一方、春菜もしげの介護をしながら、医学部を目指すことに。
 藍は自分のことを想い続けてくれる祐輔に、今度こそきっぱりと、別れを告げる。
 数日後、司郎が帰ってくる。しげは完全に、司郎のことを忘れていた。
 そして、藍を自分の母親だと思い込む。

<第55回>「離れられない人」
 藍は司郎と今後のことを話し合う。真弓とは別れない、と思いつめた顔で語る司郎に、藍は司郎が自分たちに別れを告げに来たように感じる。
 その夜、しげがいつものように藍に添い寝してもらいたくて泣き出す。司郎がなだめようとするが、しげは司郎を泥棒呼ばわりして、「母親」の藍に助けを求める。
 翌日、司郎は悄然として新潟へ戻っていく。
 それから三ヵ月。藍はしげの介護に追われ、すっかり主婦に戻っていた。
 ある日、祐輔がドラマのビデオを持って、藍を訪ねてくる。祐輔は藍と暮らしたいと言い、藍を抱きしめる。「この人とはもう離れられない」と思う藍・・・・・・。

<第56回>「夫からの離婚届」
 司郎の不正について、本社で、江幡が査問会議にかけられる。次は自分の番だ、と腹をくくる司郎。
 稲垣に勧誘され、藍は彼女のオフィスで働き始める。しげの介護は春菜、郁夫に協力してもらい、何とか仕事と両立するつもりだ。
 藍は拘置所の佐代子を訪ねる。来月、刑が確定するという佐代子は、相変わらず財産のことを気にしていた。藍は、佐代子に無断で財産を処分しないことを約束する。
 司郎が帰宅。しげと一緒に台所に立つ。しげは少しずつ家事を手伝うようになり、表情もいきいきしてきた。
 その夜、藍は司郎から、署名、捺印済みの離婚届を渡される。

<第57回>「運命の査問会議」
 離婚届を藍にさしだした司郎は、真弓のために不正をはたらいたことを告白。明日、査問会議があることを告げる。藍は、懲戒免職を避けるよう努力してほしいと頼み、ひとまず離婚届を預かる。
 一方、真弓も藍と同じ気持ちで、自分を悪者にして査問を切り抜けるよう忠告する。
 翌日、査問会議で、司郎はなりふりかまわず土下座して、真弓に騙されていたと主張する。
 真弓が藍に謝りに来る。しげの痴呆の姿を見て、ショックを受ける。
 藍は春菜と郁夫に、司郎が会社を辞めることを告げる。二人は、今までどおり、高辻の家でみんなと暮らしたい、と訴える。

<第58回>「免れた懲戒免職」
 司郎の処分が決まる。不正行為は懲戒免職に値するが、今までの功績を考慮して、依頼退職にするという。
 司郎は春菜に、会社をクビになったいきさつを率直に語る。春菜は衝撃を受けるが、最後には司郎と握手する。
 敏江が、老後はハワイで暮らす、と宣言。ホテルを売った代金の一部、一億円を藍に譲渡する。
 藍は皆が一緒に暮らせるよう、そのお金で高辻の家を買い取ることを決意。自分はゼロからやり直すため、よそに部屋を借りて、介護のため、高辻家に通うことにする。
 司郎は藍の考えを承知。
 藍は預かっていた離婚届に自分も署名、捺印して、司郎に渡す。

<第59回>「プロポーズの返事」
 藍と司郎は離婚届を市役所に出す。司郎は将来、真弓と函館でカレー屋を開くといい、東京で修行するつもりだ。藍は新しい勤め先の名刺を司郎に見せる。
 続いて、二人は佐代子の面会に行く。佐代子は優等生の司郎に対して小さい頃から屈折した思いを抱いていたことを打ち明け、藍にも辛くあたったことを謝る。
 藍は司郎から家を買ったこと、今後はみんなでしげの世話をすることを語る。司郎も週に一度はしげの相手をするという。
 佐代子は泣きながら刑期を終えるまでしげと郁夫のことを頼む、と藍に頼む。
 その夜、藍は祐輔から改めてプロポーズされる。藍の返事は、「いいえ」だった・・・・・・。

<第60回>「一年後の再会」
 祐輔からのプロポーズに、藍は「NO」と答えるが、それは結婚という形式にこだわらず、人生のパートナーとして生きていきたいという意味だった。祐輔は喜び、春菜も藍の生き方に理解を示す。
 一年後、春菜が医学部に合格。高辻家で祝福のパーティが開かれる。藍、祐輔、ハワイから敏江が駆けつけ、司郎と真弓も集まってくる。司郎たちは函館の店が来週開店だという。
 そこへ、郁夫が、その日刑期を終えた佐代子を連れてやってくる。童女に戻ったしげも、佐代子のことは覚えていた。
 春菜は今までのことをふりかえり、「この世に生まれたことを感謝している」と挨拶する。


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