<第11回> <第12回> <第13回> <第14回> <第15回> <第16回> <第17回> <第18回> <第19回> <第20回>

<第11回>「もう一人の輸血者」
 藍は門倉から愛を告白されるが、聞くに堪えなくて耳をふさぐ。その姿を春菜が目撃。動転して、車に轢かれる。
 意識不明で病院へ運ばれた春菜は、肝損傷が認められ、緊急手術が行われる。輸血が必要だったが、RHマイナスの特殊型で、必要な血液量が確保できず、通常は近親者の輸血を避けるところを、司郎に輸血に協力してもらう。が、心配していた拒絶反応が起きる。
 そこへ、門倉が現れ、輸血を申し出る。藍は拒否するが、門倉は主治医に自分が春菜の生物学上の父親であることを訴え、自分の血を提供する。
 まもなく、手術は無事、終わる。

<第12回>「連行された男」
 春菜の事故の原因が門倉だと知った司郎は、血相を変えて門倉に会いにいく。藍は心配して、警察に連絡する。
 ストーカー対策室の宮野下警部補が門倉のアパートへ行き、門倉を連行する。司郎は藍が警察を呼び、事を荒立てたことに腹を立てる。
 藍は警察で、事情聴取を受ける。春菜の出生の秘密も話すことに。
 春菜はまだ、麻酔から醒めなかった。春菜の最悪の事態を考えた司郎は、春菜に生まれたときの事情を話したほうがいいのでは、と思い悩む。そうすれば、門倉に怯えることもないと。
 翌朝、眠れなった司郎は、気になるメモを残して病院へ行く。

<第13回>「気がかりな副作用」
 手術の翌朝、春菜が麻酔から醒める。藍は、司郎が春菜にすべてを話すのではないかと心配するが、司郎は主治医に、自分が輸血したことにしてほしいと頼み、秘密を守ろうとする。
 春菜は両親の様子を見て、二人の間がぎくしゃくしているのを感じる。
 司郎への会社でのいじめはますますエスカレートする。
 一週間後、春菜は順調に回復していたが、輸血による副作用が気がかりだった。
 司郎がしげと佐代子に副作用のことを話したのを知り、藍は春菜の耳にも入るのではと恐れる。
 司郎は病状のことは春菜にきちんと説明すると言って、反論しようとする藍を寝室から締め出す。

<第14回>「命の恩人の裏の顔」
 百合枝から退院したという連絡が入り、藍は見舞いに行く。
 ベッドの中の百合枝は痩せこけ、モルヒネのせいで意識が朦朧としていた。祐輔は仕事を休んで看病。告知をしたという。
 祐輔から門倉が釈放されたという話を聞いた藍は、驚いて宮野下警部補に会いに行く。情状酌量で検事が立件を見合わせたというが、藍は納得がいかない。
 司郎も憤り、今後門倉との交渉は自分がするから、藍は一切口を挟まないよう釘をさす。
 その頃、門倉は佐代子のマンションを訪ね、司郎の後輩として春菜の輸血に協力したことを話していた。佐代子も、しげも、門倉の話を信じ、好感を持つ。

<第15回>「真実を話せない」
 司郎は釈放された門倉と連絡をとろうとするが、アパートの電話に佐代子が出たので驚く。しげに確かめると、佐代子は門倉に好意を持ったらしく、しげも、門倉を佐代子の再婚相手にと考えていた。
 術後十六日目の夜、春菜は主治医から輸血の副作用についての説明を受け、その危険を脱したからと退院を許される。
 司郎が輸血してくれたと信じきっている春菜に対して、藍も司郎もまだ本当のことを告げる勇気が持てなかった。
 翌日、春菜が退院する。春菜は「輸血」や「手術」関連の医学書を読みふけり、なぜ自分に発症頻度の高い副作用が起こらなかったのか、疑問を抱く。

<第16回>「出生に関する疑問」
 藍が持っていた司郎の携帯に、女性から電話がかかる。相手は間違いだと言ってすぐに切るが、藍は不審に思う。
 実は、電話をかけてきたのは秋代で、司郎との秘密の関係は続いていた。
 春菜は医学書や看護婦の言葉から、自分は養女ではないかと疑いだす。しげと敏江にその疑問をぶつけてみるが、一笑に付される。
 しげは、藍の不妊治療のことを春菜に話して聞かせる。
 春菜が自分の出生に疑問を持ち始めたのを知った藍と司郎は、不安におののく。そのうえ、佐代子が門倉と京都旅行へ出かけたことがわかり、心配な材料がまた一つ増える。
 春菜は高校へ通い始める。

<第17回>「おかあさんの外泊」
 春菜がしげと敏江を訪ねた翌日、藍は春菜が自分の出生を疑う根拠を知りたくて、二人に事情を聞きにいく。春菜の勘の鋭さに、慄然となる藍。
 その帰り道、藍は秋代と歩いている司郎の姿を目撃。司郎に非難のまなざしを向けて走り去る。
 藍は百合枝のもとへ行き、司郎が単身赴任のときから浮気をしていることを打ち明ける。名古屋で秋代の顔を見ている藍は、家庭が大変なときに関係を続けている司郎を許せない。
 百合枝は親友として、藍の生き方に、ある忠告をする。死と直面している百合枝の言葉には説得力があった。
 その夜、藍は百合枝のもとに泊まる。

<第18回>「危険な電話番号」
 百合枝のマンションに泊まった翌日、藍は秋代のことで司郎と話し合う。互いに本音の気持ちをぶつけ合った二人は、今は春菜の問題を優先することに。
 佐代子と門倉が旅行から帰る。郁夫の気持ちも考えずに門倉に夢中になる佐代子を、しげは、叱りつけるが・・・・・・。
 郁夫は春菜に、門倉が輸血に協力してくれたことを話す。春菜から門倉について尋ねられ、動揺する司郎。
 藍は佐代子と門倉を別れさせるため、門倉に会いに行く。
 が、門倉は藍の弱みにつけこみ、自分の携帯の電話番号を書いたメモを無理矢理押しつける。
 そのメモを春菜が偶然見つけ、門倉に電話をかける。

<第19回>「親友からの遺言」
 門倉に電話をかけた春菜は、輸血に協力してもらったお礼を言い、門倉の血液が使われたかどうか気にする。門倉は、わからないと言葉を濁し、春菜の優しい言葉に、胸がいっぱいになる。
 春菜の電話を知った藍は逆上。二度と門倉と関わらないよう、春菜をきつく叱りつける。
 春菜はなぜ両親が門倉のことに触れたがらないのか、疑問に思う。
 司郎は秋代と別れる。秋代から妊娠を告げられるが、自分の子ではない、と断言する。
 その夜、門倉は佐代子に置き手紙を残して、姿を消す。佐代子は藍と門倉の間に何か関係があるのを見抜き、追及する。
 百合枝が息を引き取る。

<第20回>「脅迫の転勤命令」
 百合枝が亡くなって半年。藍は祐輔から仕事を頼まれる。華道師範の腕をいかして、テレビドラマの生け花を担当してほしいと。
 そんなとき、佐代子が門倉との仲を引き裂いた慰謝料として、藍たちに二千万円要求してくる。門倉を探し回った佐代子は、彼が、藍が不妊治療で通っていた病院の医師であったことをつきとめる。
 司郎に突然、新潟支店への転勤命令が出る。司郎が断ると、部長の財前は司郎と秋代の不倫写真を見せ、脅迫する。司郎の同期・若槻の裏切りだった。
 転勤話を聞かされた藍と春菜は、自分たちも一緒に新潟へ行くと言い出す。司郎は、家族にとって最良の選択は何か、考える。


戻る


[第1-10回] [第11-20回] [第21-30回] [第31-40回] [第41-50回] [第51-60回]