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<第21回>「司郎の出した結論」
 司郎に新潟転勤の辞令がおりる。転勤の裏事情を知り、出世の望みが完全に断たれた司郎は、やりきれない気持ちになる。
 藍と春菜は一緒に新潟へ行くつもりだった。今家族がばらばらになることに、強い危機感を抱いていたから。が、司郎は単身赴任するという。春菜や藍の将来や夢を、会社の都合であきらめてほしくないと。そして、自分自身も仕事を続けながら、ライフワークになるものを探すつもりだ、と主張する。
 「たとえ離れてくらしても、家族一人ひとりが充実しているほうが豊かな生活のような気がする」と、語りかける司郎の言葉に、藍も春菜もうなずく。<

<第22回>「前途多難な支店長」
 三週間後、司郎は新潟支店へ赴任する。
 その夜は顔合わせ会として部下たちを自宅へ招くが、誰も来てはくれなかった。司郎がリストラ目的で新潟へ来た、という噂が流れていたのだ。
 テーブルいっぱいに料理を用意した藍は、がっくりする。そこへ、春菜から電話がかかってくる。佐代子が郁夫を連れて、家へ乗り込んできたという。司郎から慰謝料の件を断られた佐代子は、自分の要求が通るまで高辻家に住み続ける、と宣言する。
 翌日、引越しの片付けもそこそこに、藍は急ぎ、帰京する。佐代子は情緒不安定で、藍の大切にしている食器を次つぎと割る。

<第23回>「恐れていたこと・・・」
 高辻家に住みついた佐代子は、傍若無人にふるまう。
 そんなとき、祐輔が藍を訪ねてくる。司郎の勧めでドラマの仕事を引き受けることにした藍だったが、祐輔からも頼りにされ、やる気が出てくる。
 一方、司郎は赴任そうそう取引先の一つがキャンセルになり、落胆する。
 佐代子が友人たちを勝手に家に連れてきて、大騒ぎする。勉強に集中できない春菜は、憤慨。佐代子に強く抗議する。
 佐代子は素直に謝るが、話のなりゆきで、春菜には門倉の血も流れていることを口にする。それを聞いた春菜は、射るような目で、藍をにらみつける。

<第24回>「取り乱した母」
 佐代子が春菜に門倉の輸血について話したので、藍は逆上。門倉に提供してもらった血液は、手術には使われなかった、と力説する。
 藍の過剰な反応にかえって疑問を募らせた春菜は、門倉にメールを打ち、佐代子にも門倉についていろいろ質問する。
 佐代子は門倉が医師だったことを話し、春菜が生まれた頃、藍と門倉の間に何かがあったに違いないと推測する。
 藍はドラマの仕事の関係で家元の翠葉と会う。その威厳に満ちた風貌に、思わず身がすくむが、祐輔は翠葉の藍への視線が気にかかる。
 その頃、司郎は中小企業の親睦会で、魅力的な実業家・真弓と知り合う。

<第25回>「恐涛の家族会議」
 春菜は大学病院の西山助教授を訪ね、自分の生まれたときの話を聞きだそうとする。西山は何も知らないと答え、藍に春菜が来たことを知らせる。
 週末、東京に戻るはずの司郎が、真弓と会っていて、帰りが翌朝になる。
 高辻家では、しげや、子どもたちも参加して、佐代子の要求に関して家族会議が開かれる。司郎は、しげの面倒を再び自分たちがみるから、佐代子に金は出せない、と主張。思いもよらない提案に藍は驚き、しげ、も戸惑う。
 佐代子ももちろん納得せず、姉弟は憎しみをむきだしにして、つかみあいの喧嘩を始める。
 そんな悲しい光景を見て、春菜は涙の抗議をする。

<第26回>「家族の正念場」
 佐代子が高辻家に押しかけてきて一週間。休日に帰宅した司郎が家族会議を開くが、姉弟は激しく対立する。両親が何か隠していることを確信した春菜は、二人を追及する。
 司郎は春菜に人工授精のことを告知することを決意。藍も同意するが、気持ちの整理をつけるため、一週間の猶予をもらう。
 春菜は門倉に何度もメールを出すが、返事はなかった。そこで、自分を取り上げてくれた江島医師の居所をつきとめる。
 藍のもとに翠葉から電話があり、理事長室に来てほしいという。藍が出かけていくと、夕食が用意されており、翠葉は突然、「裸になりなさい」と命令する。

<第27回>「憎悪のまなざし」
 翠葉からセクハラを受けた藍は、耐えきれず部屋を飛び出す。
 その頃、春菜は江島医師を訪ね、自分が生まれたときのことや、門倉について質問していた。江島は春菜に怪しまれないようその場を取り繕うが、実はその部屋の隣に、門倉が潜んでいた。
 翌日、翠葉が祐輔に、ドラマの話を白紙に戻したいと通告してくる。どうしてもこの仕事がしたい藍は、家元に破門を申し出る。その熱意に負けた翠葉は、約束どおり藍に仕事を任せる。
 高辻家に門倉から電話がかかる。佐代子が受話器を取るが、藍と勘違いした門倉は春菜に関する話を始め、佐代子と気付いて、あわてて電話を切る。

<第28回>「半分だけの真実」
 門倉が藍に電話してきたのを知った佐代子は、二人は不倫の関係で、春菜は門倉の子に違いないと邪推する。
 佐代子に秘密を知られるのは時間の問題だと焦った藍は、佐代子に自分の貯金を渡したい、と司郎に相談する。が、プライドを傷つけられた司郎は怒り、夫婦の溝がまた深くなる。
 翌日、春菜は再び、江島を訪ねる。江島から連絡を受けた藍は前もって江島と打ち合わせをして、春菜への告知に自分も同席する。
 江島は不妊治療の経緯を話し、春菜は配偶者間人工授精で生まれた子どもだと説明する。門倉のことまで告白する勇気を、藍はまだ持てなかった。

<第29回>「疑惑のフロッピー」
 佐代子が、興信所を使って門倉を探し出し、春菜の秘密をあばいてやる、と藍を脅かす。追いつめられた藍は司郎に無断で二千万円の小切手を渡し、佐代子を家から追い出す。
 春菜は江島の説明に一旦は納得したものの、カルテの記載で辻褄があわない点に気がつく。そのうえ、佐代子から、藍に門倉から電話があったことを知らされ、ますます疑惑が広がる。
 その夜、春菜は江島クリニックに忍び込む。
 その頃、司郎は真弓から五百万円用立ててほしいと頼まれていた。真弓の事業がうまくいっていないことは、司郎の耳にも入っていたが・・・・・・。
 その直後、司郎は何者かに襲われる。

<第30回>「カルテの中の真実」
 何者かに襲われ、意識を失った司郎は、真弓の部屋で目を覚ます。真弓は司郎の手当てをしながら、司郎に暴力をふるったのは、自分のパトロンの手下であることを話す。
 江島クリニックに忍び込んだ春菜は、自分のカルテのフロッピーを探し出し、パソコンで調べる。
 そして、自分が非配偶者間人工授精で生まれたことをつきとめる。ショックを受けた春菜は、嘘をついていた藍を責め、家を飛び出す。
 翌日、司郎が手がけていた勝俣酒造との商談が、思いがけなくまとまる。真弓のパトロンが裏で動いたらしい。
 そこへ、春菜が訪ねてくる。


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