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<第1回>
 大学を出て、外資系のコンピューターソフト会社に勤めて四年になる真矢は、初めて大きな取引を任される。取引相手はアラブの王子。プレゼンテーションも無事に終わり、交渉は順調に進んでいた。
 仕事に熱中する真矢を見て、母親の晴子は複雑な心境。若くして夫を亡くし、美容師をしながら女手一つで真矢を育ててきた晴子は、内心、娘に自分の美容室を継いでもらいたいのだ。
 成功しかけていた取引が突然、白紙に戻される。真矢は訳がわからないが、真矢に嫉妬した先輩の玲子が、真矢が体を武器にして契約を取ろうとしているかのように画策したのだ。
 真矢はその仕事からはずされる。

<第2回>
 会社内で、真矢が女を売り物にして契約を取ろうとしている、という噂が広がる
 玲子が自分を陥れたことに気づいた真矢は、玲子を問い詰める。玲子は悪びれた様子もなく、真矢の言うことなど誰も信じない、とほくそ笑む。
 真矢は課長の中村に玲子の仕打ちを訴える。
 が、中村は真矢より玲子のほうを信じるという。
 まもなく、真矢に関する悪い噂が重役の耳にまで入り、真矢は中村課長から責任をとるよう詰め寄られる。
 自分には疚しいことは無い、と訴える真矢。
 が、契約が玲子の力でまとまりそうだと聞き、思わず、会社を辞めて責任をとる、と言ってしまう。

<第3回>
 心ならずも会社を辞めることになった真矢は、晴子にはどうしても言いだせず、翌日も会社に行くようなふりをして家を出る。
 真矢が公園でぼんやりしていると、会社の先輩で、真矢が好意をもっている沢木が心配して来てくれる。
 真矢は玲子の話をする。
 すると、沢木も他の人と同じように、玲子がそんな汚いまねをするはずがないというので、がっかりする。
 真矢は新しい就職先を見つけるために駆けずり回る。
 が、なかなか見つからない。
 気分を変えるために、真矢はふと通りかかったカリスマ美容師の店でカットしてもらう。そこで、素敵な体験をした真矢は、晴子に美容師になりたいと言う。

<第4回>
 真矢は美容師になりたいと晴子にきりだすが、今までのキャリアを棒にふるのか、と晴子は反対。しかも、自分に無断で退職したのを知り、憤慨する。
 周囲の人たちも、辞表を撤回したほうがいい、と口をそろえて忠告。
 が、真矢は美容学校の入学手続きをさっさと済ませてくる。
 晴子の店で働かせてもらえない真矢は、就職情報誌を見て、見習いに応募する。
 が、たまたまその店の主人が晴子の知り合いで、すぐに晴子の耳に入り、駄目になる  真矢の決意が固いのを知った晴子は、真矢に新品のカット用鋏をプレゼント。自分の店で見習い修業をすることを認める。

<第5回>
 真矢は美容学校に通いながら、母・晴子の美容室「はせがわ」で見習いとして働き始める。店のスタッフは和江、ミッチャン、そして良平。和江は新米の真矢をビシビシ鍛える。
 ある日、玲子が客として美容室にやって来る。下働きをする真矢を冷やかに見つめる玲子は、これから沢木とデートだという。玲子と沢木は同期で、前から親しかったと。
 その後で、沢木から真矢に電話がかかってくる。今日は自分の誕生日だから、一緒に祝ってほしいという。
 真矢はうきうきしながら沢木の部屋を訪ねるが、玲子が先に来ていて、「沢木を自分のものにしたかったから、真矢を会社から追い出した」と告白する。

<第6回>
 玲子の沢木への激しい愛にショックを受けた真矢は、沢木の部屋を飛び出す。
 そして、美容室の隣の喫茶店「セラビ」のマスター・勉と苦い酒を飲む。真矢のあとを追いかけてきた沢木は、二人の姿を見て不安になる。
 翌日、勉の別居中の妻・洋子が、離婚届を持ってくる。洋子と友達の真矢は、子どもの由美のためにも離婚は避けてほしいと願うが・・・。
 その翌日、真矢は沢木が入院したのを知り、病院へ駆けつける。ガラスで足を切ったという沢木は、ちょうど退院するところだったので、真矢はほっとする。
 その病院で、真矢は思いがけなく、別の病室から出てくる勉の姿を見かける。

<第7回>
 勉が出てきた病室には、「徳永ユカ」という名札がかかっていた。
すると、いきなりその病室から車椅子の少女が出てきて、憎々しげに見舞いの花束を廊下に投げ捨てる。
 晴子から貰った真矢の鋏が、誰かに接着剤でいたずらされる。真矢は和江の仕業だと直感するが、晴子はこれも修業のうちと言い聞かせる。
由美が一人で勉に会いにくる。両親の不和に心を痛めている由美のために、真矢は洋子と話し合う。
 洋子は勉には愛人がいると主張。毎月「徳永ユカ」という女性に、五万円送金しているという。
 それからまもなく、徳永と名乗る中年の女性が、勉を訪ねてくる。

<第8回>
 勉を訪ねてきた女性・美代子は、勉が不在だったので、真矢に伝言を残して帰っていく。「私たち母娘のことはお忘れください」と。真矢は勉に、徳永母娘との関係を問いただす。が、勉は何も答えない。
 真矢は思いきって美代子に会いにいく。美代子は、商社で勉の先輩だった夫が自殺したこと、それをきっかけに勉が商社を辞めて、ユカに仕送りを続けていることを語る。
 真矢は美代子から話を聞いたことを勉に告げ、洋子の誤解を解くべきだと忠告する。
 沢木に半年間のアメリカ出張の話が持ちあがる。真矢と勉のことが気になる沢木は、自分の気持ちを見つめ直すためにも引き受ける。

<第9回>
 沢木がアメリカへ発って半年が過ぎようとしていた。
美容室では、真矢を含めた従業員たち四人が、晴子に対して店のやり方の改善要求をする。もっと仕事の効率を上げるために、一人の客に担当者がかかりきりになるのではなく、流れ作業にしようというのだ。
晴子は怒って店を休み、スタッフたちのお手並みを拝見することに。
新しいやり方は順調にいくかにみえたが、昔からの客は晴子の不在に腹を立て、悪い評判がたちそうだった。真矢たちは改めて、客とのふれあいを大切にする晴子のやり方に脱帽する。
ある日、真矢は仕事で大失敗。先輩から美容師に向いていないと言われ、落ちこむ。

<第10回>
 沢木がアメリカ出張から半年ぶりに帰国してくる。成田に着いたその足で真矢を訪ねてきた沢木は、再び復職の話を持ちかける。アメリカ本社の重役が、新しいプロジェクトに真矢を起用したいという。
 真矢は一瞬、心が動くが、美容師になったときの気持を思い出して、きっぱりと断る。 あきらめきれない沢木は晴子に真矢の復職について相談する。晴子は娘のためを思って、一方的に真矢にクビを言い渡す。
 打ちのめされる真矢に追い打ちをかけるように、玲子が復職の妨害にかかる。
 が、美容師の世界で生きていこうという真矢の決意は固く、クビの件も晴子の芝居だとわかる。


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