安宅家の人々
やつれた姿
家を出た久仁子は気がつくと、稔の法律事務所の前まで来ていた。ドアノブに手をかけるが、次の瞬間、迷いを振り切るように去っていく。その夜、久仁子はレストランで偶然、仁美と再会する。イタリアから帰国した仁美は、別人のように派手な外見で、銀座のホステスをしていた。仁美と話している最中に、久仁子が突然、倒れる。まもなく、意識を回復した久仁子は、自分が佳恵の店の2階に寝かされていたので驚く。そこに、仁美は同居していたのだ。翌日、仁美は安宅家へ顔を出す。その頃、安静にしている久仁子のもとへ、思いがけない人が現れる。