真実一路
真実一路
2003年12月26日(金)放送終了

番組紹介

 流行語にまでなった去年の『真珠夫人』。あれから1年半、新たなる名作が誕生します。東海テレビが贈る文芸作品第2弾は、山本有三原作の『真実一路』。もちろん今回も原作のテイストを充分生かしながら、大胆に物語を脚色。これぞ昼ドラ!という内容に仕上がっています。今回の作品は3部構成になっており、小説部分は第3部に登場。小説では、義夫という少年を軸にその父義平、姉のしず子、そして別れた母・むつ子の4人の生き様が描かれていますが、その中からむつ子を主役に抜擢、小説以前の部分を新たに書き加えて三角関係の愛憎劇を誕生させました。第1部と第2部はオリジナルドラマということになります。時代設定も昭和初期だったものを戦中・戦後に移し変え、20年以上の時を描く壮大なグランドロマンの世界を作り上げました。
 『真実一路』は、人生を「真実」に生きようとしながら傷ついていく人々の姿を描いた不朽の名作です。もちろんこのドラマのテーマも「真実」です。自分の心の中にある「真実」にこだわり続けた主人公・むつ子の波瀾に富んだ人生、そして彼女を取り巻く人々の人生の変遷を描いていきます。
 貿易商の家庭に育った一人娘・むつ子が一途に愛したのは、父の会社に勤める丸山圭吾。しかし戦争という激動の時代に二人の愛は引き裂かれます。むつ子はお腹にいる圭吾の子供を生む為に、圭吾の先輩・守川義平と愛のない結婚をします。ところが12年後、むつ子は死んだはずの圭吾と再会。愛を再燃させた彼女が選択した道とは…。そして「真実」に生きると決めていたむつ子が、圭吾との娘・しず子、義平との子・義夫に対し、はじめて女と母親という二つの立場の狭間で苦しみ始めます。それでもむつ子が選んだ決断は…。
 真実の愛を貫くむつ子の生き方は、時に身勝手に映るかもしれません。しかし、彼女こそ如何なる犠牲も省みず、何よりも自分の「真実」を信じ、自らの人生を一途に、そして真っ直ぐに生き抜いた女性なのです。もちろんむつ子だけでなく、むつ子に翻弄される人々もまた「真実」にこだわるが故に傷ついていきます。
 主役のむつ子には高岡早紀さん。妻であり母でもある彼女が、20年以上にわたる奔放なむつ子の人生をどう演じるのか注目されます。そしてむつ子の愛する丸山圭吾役は、加勢大周さん。昼ドラは初体験です。さらに、密かにむつ子を想う守川義平役には大浦龍宇一さん。山本有三氏自身といわれている義平の心の微妙な動きをどう表現していくのでしょうか?
 『新・愛の嵐』のスタッフとこれがプロデュース第1作となる高村幹(東海テレビ)が融合して作り上げる『真実一路』。ご期待ください。
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