数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!
歌子の部屋
vol.18
対談企画 ゲスト:宮本賢二先生
髙橋大輔さんの「eye」をはじめ数多くの振付を手掛ける日本を代表する振付師。宮本賢二先生にお話を伺いました。
振付けの違い
歌競技の振付けとエキシビションナンバーの振付けは違いますか?
宮魅せる演技と点数を取る演技では当然違いますけど、競技で使用するプログラムに関しては、みんなの目を見ながら作り上げていきます。周りからの「それちょっと甘くない?」とか「こうした方がいいんじゃない?」という反応を見ながら形にしていくことが多いです。逆にエキシビションの振付けは、できあがったものを周りの人が、どう感じるかということを大事にしています。
歌周りの人の反応を感じ取るというのは難しくないですか?
宮そうですね。自分で駄目だと思うところはもちろんダメなんですけど、周りの方の目から見てダメな部分は自分では気づかないので、怖いですし不安ですよね。
男子の4回転ジャンプ主流の時代について
歌まもなく今年も世界選手権が始まりますが、賢二先生はどのあたりに注目していますか?
宮今のトップの選手たちは男子で言えば、みんな踊って、難しい表現力の中で4回転ジャンプを跳んでいるので、すごいと思います。本当に誰が優勝してもおかしくないと思うんですけど、やっぱり日本勢は頑張ってほしいですよね。
歌今と昔は振付けのやり方も変わってきていますか?
宮昔は振付けを、ジャンプを跳ぶ寸前までつけていたんですけど、それだとジャンプに集中できないんですよね。だから今は「4回転ジャンプを跳ぶための振付け」というのを感じさせないような振付けにすることが重要だと思います。
それにしても今はすごいですよね。大ちゃん(髙橋大輔)が「なんでみんなあんなに4回転バンバン跳べるんやろ」って言ってましたね。
歌すごいですよね。
宮僕は、選手たちが4回転ジャンプをたくさん跳べるようになったのは、インストラクターさんたちのおかげだと思っています。色々な情報を集めて、先生方が育てていったんですよ。
歌誰か一人が成功させると、みんな頑張れば跳ぶことができるんだって選手も思っていきますよね。そこも最近のジャンプの急速な上達につながっていると思います。私たちが選手の時代、女子は3回転ジャンプは跳べないと思っていたんですよ。男子も3回転ループが飛べたら凄い!と思っていましたし。
宮今までジャンプは、何十年かかって1種類、何十年かかって1回転増えるといった感じで進化してきたんですよね。それはインストラクターの先生方の努力の賜物ですよ。先生たちは本当にフィギュアスケート界のために頑張ってくれていると思います。簡単にできるものではないんですよ。
歌みんな研究熱心ですからね。
宮今のフィギュアスケート界はただ単純に世間の人気とかではなく、皆さんが支えてきた事で今があるんですよ。だから歌子先生には元気でいてもらいたい。それで僕を振付けに呼んでください(笑)
歌賢二先生とはまた一緒にやりたいですね!本日はありがとうございました。

- 長光歌子(ながみつ うたこ)