数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!

歌子の部屋

vol.17

1月の国内大会・四大陸選手権について

歌子先生に国内大会と四大陸選手権2017について伺ってきました。

2017.2.13

長光歌子先生

1月の国内大会について

■2017年に入り1月はインカレ、国体に行かれていたとお聞きしました―

 はい、私たちが教えている選手の中で、今シーズン引退する吉野晃平選手と上野沙耶選手に帯同しました。インカレも国体も帯同したのは久しぶりでした。
 国体では、吉野選手が本当に惜しかったです。ショートプログラムは、1位で折り返したんですが、緊張のため動きが固くなりフリーで逆転されてしまって2位。本人もとても悔しそうでした。上野選手はショートプログラムでミスをしてしまったのですが、フリーでは本当に素晴らしい演技を見せてくれました。会場に来てくださっていた方々もスタンディングオベーションをしてくれて、上野選手もすごくうれしかったと思います。 二人とも今シーズンで現役を引退しますが、後輩たちに自分たちにもいつか最後の試合が来るということを教えてくれて、彼らのように、周りの人々に讃えられて競技生活を終えたいと感じさせてくれたと思います。

四大陸選手権について

■まもなく四大陸選手権が始まりますが、この大会を毎年どうご覧になられていますか―

 四大陸選手権は、毎年本当に素晴らしい演技が見られるのでとても楽しみにしています。(髙橋)大輔のコーチをしていた時は、彼が当時の世界最高得点を出しました(2008年ソウル)。近年でいえば、一昨年のデニス・テン選手、そして昨年のパトリック・チャン選手は本当に心から感動する演技を見せてくれました。私はやっぱり、記憶に残る演技というのが大事だと思っているのですが、そういった演技を四大陸選手権で毎年見ることができているので、今年は誰がどんな演技を見せてくれるのか本当に楽しみです。

■今回の四大陸選手権はどんな大会になると思いますか―

 来年行われる平昌オリンピックの会場で滑ることができるので、良い結果が出ればそのまま来年まで良いイメージでいけますよね。逆に結果が良くなければそのイメージが残ってしまう可能性もあります。世界選手権まで時間があるので選手たちは、四大陸選手権で一度ピークを作って、その後またコンディションを作り直して世界選手権に向け再びピーキングするのではないでしょうか。

■出場選手たちを見てどういった印象を持たれましたか―

 今回の四大陸選手権は、全体的にみると若手の選手とベテランの選手が幅広く出場する大会という印象があります。男子では、海外からアメリカの17歳ネイサン・チェン選手が出場しますが、ベテランのパトリック・チャン選手やデニス・テン選手も出場します。女子の場合、アメリカからは全米選手権を制覇した17歳のカレン・チェン選手や、カザフスタンの16歳、エリザベート・トゥルシンバエワ選手などが出場します。その中で昨シーズン復活を果たした長洲未来選手が出場しますよね。ベテランはベテランらしい味のある演技を見せてほしいですし、若手は若手で勢いのある演技を見せてほしいと思います。

長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)