数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!

歌子の部屋

vol.14

2016-17シーズン始動

歌子先生に2016-17シーズンについて伺ってきました。

新しいプログラムについて

長光歌子先生

■新しいプログラムはどうやって作っていくのですか―

 まず振付師さんを誰にするかを決めてオファーをするところから入ります。そこで振付師さんに、滑りたい曲やイメージを伝えて作っていきます。(髙橋)大輔の場合は、いつも「任せます!」って言っていました。彼は彼なりに、自分の好きな曲でやるといつも同じような感じになってしまうから振付師さんに任せたいというのがあったみたいです。振付師さんにお願いをしてから、曲の候補をもとにミーティングをして、そこから振り付けを作っていきますね。

■どのくらいの期間で振付けはできるのですか―

 その時々なので、何とも言えませんが、早ければショートプログラムだと3日~4日くらい、フリーでも4日間くらいで出来ることもあります。

■何月くらいに作るのですか―

 そこは選手にもよりますけれど、世界選手権が終わって、4月は1か月くらいショーなどに出演したりして、5月・6月くらいに作ることが多いですかね。それでも振付師さんの都合で7月になったりすることもあります。

■振付師さんのつけた振付けを選手がアレンジすることはあるのですか―

長光歌子先生

 振付師さんによっては、作った振付けを絶対に変えちゃダメという人もいますし、ジャンプは選手が跳びやすいように変えても良いという方もいます。
 最初は振付師さんがつけてくれたものを一度滑って、その上で相談して振付けを変えていくケースが多いですかね。振付師さんもジャンプのオーダーはよく聞いてくれますよ。
 大輔の場合、ニコライ(・モロゾフ)にお願いしていた頃は彼が全部振付けをやっていたのですが、滑りづらい時はすぐに変えてくれました。
 逆に、ローリー(・ニコル)のプログラムは基本振り付けは変えられないです。ブラッシュアップしてもらいに彼女のところへ行った時にやりにくい部分を直してもらっていました。

■髙橋大輔さんはシーズン中にプログラムを変えたことがありましたね―

 2012-13シーズンの全日本選手権後にショートプログラムを「ロックンロールメドレー」から「月光」に変えて四大陸選手権に臨みました。ロックンロールも大好きだったのですが、どうしても点数が出せずにいて、今思えば思い切りましたね。全然雰囲気の違う曲でしたから。シーズン中に振付けを変えるのは負担になりますね。

歌子先生の今シーズンについて

■歌子先生の今シーズンの目標など―

 今シーズンは、全日本ノービス選手権に男子3人と女子3人が出場して、本当によく頑張ってくれたので、自分の目標を一つクリアできたかなと思います。これからは上の選手たち、なかでも大学4年生が2名、吉野晃平選手と上野沙耶選手がいるので、全日本選手権で有終の美を飾らせてあげられるように一緒に頑張っていきたいと思います。今年は特に全日本選手権は、地元の大阪であるのでそこで思い出を作らせてあげたいですね。それから、田中刑事選手は来年のオリンピックシーズンを見据えて1ランク評価を高めてほしいですね。それだけの物を持っていると思うので私も期待をしつつ見守りたいなと思います。

ありがとうございました。

長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)