数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!
歌子の部屋
vol.14
2016-17シーズン始動
歌子先生に2016-17シーズンについて伺ってきました。
プレオリンピックシーズン

■平昌オリンピックのプレシーズンですが―
そうですね。ソチオリンピックから、本当にあっという間といった感じですね(笑)
■プレシーズンは選手たちにとってどんなシーズンなのですか―
色々な選手がそれぞれの想いを持って臨むシーズンだと思います。ベテランの選手たちにとってはもちろんオリンピック出場を目指していると思いますし、その上で「どんな若手が出てくるんだろう」と思いながら試合に臨むと思います。それに、これからオリンピックを目指す若い選手たちにとっては、がむしゃらに頑張って、自分の世界での立ち位置をしっかりとアピールしたいと考えていると思います。
毎年選手にとっては大変なシーズンであることは間違いないですが、今年は特に色々な意味で重いシーズンであると思います。
■特にどの辺が大変になってくると思いますか―
選手たちはもちろんですが、周りもオリンピックシーズンを意識してピークの持っていき方や、プログラムの選び方であるとか、色々考えたりアドバイスしたりすると思います。また、例年に比べて大きな大会も多いです。
12月にはGPファイナル、全日本選手権、1月はユニバーシアード、2月には四大陸選手権、冬季アジア大会、3月は世界選手権と続きます。まずは全日本選手権にピークを作り、世界選手権の切符を手に入れ、そして1月2月のどの試合を選ぶか。四大陸選手権は韓国で開催ですが、オリンピック開催国の雰囲気を知ったり、現地のファンを増やすためにも出ておきたいですよね。
また、冬季アジア大会はオリンピックに次ぐ大きな大会です。特に今回の開催地は日本の札幌ですので、日本としてはトップ選手に出てもらいたいでしょう。
そして3月の世界選手権、ここで翌年のオリンピック枠が決まるわけですから、さらに高いピークを作らねばならない。選手の皆様も周りも、コンディション作りやピーキングに例年よりさらに気を使うと思います。
プログラムの選び方については、先日(髙橋)大輔と少し話をしたのですが、彼はあまりオリンピックを意識せず、来シーズンはまた良いプログラムに出会えると信じてやっていくのが良いのでは…と言っていました。
■歌子先生が見られている田中刑事選手は、昨シーズンと同じショートプログラムですね―
プレオリンピックシーズンということもあるので、来年の事を考えると難しいところですが今シーズンはフリーがとてもいいんです。田中刑事選手はフリーに関して来シーズンは、今シーズンと同じプログラムで行っても良いと思えるくらい。4回転が2回に増えていますし、今彼は一つ上の段階に上がろうとしています。ショートプログラムは昨シーズンと同じなので確かに目新しさは少ないですが、慣れている分タイミングや呼吸が合ってきているので、洗練されているものを見せることができると思いますね。
彼は今ファンも増えてきていますし頑張って欲しいです。真面目でとても好青年なんですよ(笑)
- 長光歌子(ながみつ うたこ)