数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!

歌子の部屋

vol.14

2016-17シーズン始動

歌子先生に2016-17シーズンについて伺ってきました。

2016.11.16

長光歌子先生

2016-17シーズン始動

■今シーズン男子シングルはどんなシーズンになると思いますか―

 昨シーズン、男子シングルは本当にジャンプがすごく勝負を分けたシーズンでしたね。今シーズンもジャンプは勝敗のキーになってくると思います。羽生結弦選手、宇野昌磨選手と、新しい4回転ジャンプにもチャレンジし成功させていますし、やっぱりジャンプは見どころですね。ただ難しいジャンプにはリスクが付き物です。ケガが本当に心配ですよね。
 来シーズンの平昌オリンピックへ向けて選手たちも無理を承知で頑張っている所はあると思います。ただ一つのケガが命取りになるケースも当然あるので、そこは気を付けてほしいと思います。
 特に若い世代の選手は、成長期に難しいジャンプにチャレンジするということは、体への負担が大きいですよね。島田高志郎選手や三宅星南選手も一気に身長が伸び、難しいジャンプにも挑戦しています。これからの男子フィギュアスケート界を盛り上げていく彼らにも怪我は気を付けていただきたいですね。

■女子シングルはどうでしょうか―

 女子シングルは日本だけ見ても今までにないくらい本当にすごい争いが繰り広げられると思います。日本女王の宮原知子選手は堅実ですが、先を見据えて絶対に練習を怠らない。それが彼女の武器ですから、そう簡単には女王の座を譲らないと思います。それでも、本郷理華選手も年々存在感が出てきていますし、今は樋口新葉選手や本田真凜選手といった若手選手たちの勢いがすごいです。若手で言えば、紀平梨花選手は今年からジュニアに挑戦してトリプルアクセルを決めましたよね。全日本ジュニア選手権もハイレベルな戦いになると思います。後はやっぱり、ベテランの選手たちですよね。日本の女子フィギュアスケート界は選手たちにとっては、とても過酷な争いですけれど、若手からベテランまで本当にみんなが頑張っていて、素晴らしく強い土壌になっていると思います。

■全日本ジュニア選手権は面白い大会になりそうですね―

 本当にその通りだと思います。近畿ブロックのジュニアの女子シングルはすごかったですね。紀平梨花選手や本田真凜選手が出場していて、すごく接戦でしたね。 (※紀平選手が0.12点差の195.18点で優勝)
 紀平選手はトリプルアクセルをすごくきれいに降りましたよね。すごい運動能力の持ち主だと思います。本田選手は本田選手で、すごくスケーティングに魅力がありますよね。型にはまらない伸びやかな美しさは天性だと思います。3位に入った坂本花織選手も180点越えですから、いかにハイレベルな戦いになるか、楽しみですね。

■ノービスの選手たちも良い選手たちが出てきましたね―

 小さいのに本当に頑張っていると思います。ノービスAの岩野桃亜選手(全日本ノービス選手権2位)を今私たちが教えているのですが、彼女は本当に表現などの細かいところまで気を付けて練習しているんです。フィギュアスケートに対する愛情を感じますよね。

長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)