数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!

歌子の部屋

vol.11

対談企画 ゲスト:田山裕士さん

チーム大輔の靴担当、ロバさんこと田山裕士さんに、シャープナーという仕事についてお話を聞かせていただきました。

田山さんのフィギュアスケートの見方

田山裕士さん

田山さんはテレビや会場でフィギュアスケートを観たりしますか?

自分のかかわった選手はTVなどでほぼ観ますね。観ている間は「エッジが外れへんよな?」って思ってます。

本当に、モスクワの世界選手権では田山さんに悪いことをしたと思います。
(2011年モスクワで行われた世界選手権、フリーの演技中髙橋大輔さんのブレードが外れるアクシデントが発生。)

仕事があるので、普段は録画で観ているんですけど、あの時はライブで観ていて最初のジャンプの着氷でブレードが外れた時は家内も一緒に、血の気がさーーっと引きましたね。あれは人生で一番と言っていいほどの恐怖でしたね。

帰国した後に田山さんがまっさきに電話で「ごめんなー!」って言ってくれたことを覚えています。田山さんのせいじゃないのに!

(髙橋)大輔の場合、ブレードの位置調整が頻繁だから、最小限しかネジを打たないんです。前に8つ、後ろに4つネジ穴があるのに、前は4つか5つ、後ろは3つくらいしかネジを打たないから、その分リスクはあるんだと思います。

モスクワでの練習中は、毎日ブレードのチェックをしていたんですけどね…。
それでも、あれでアクシデントがあったおかげで、(髙橋)大輔の選手生命が伸びたんだと思います。あの世界選手権で成功していたら、ソチオリンピックまで選手を続けなかったと思います。

だから、私はTVでフィギュアスケートを観る時、目線は靴ばっかり見てますよ。この選手の靴はどこのメーカーを使っているとか、どのメーカーのブレードを使っているとか…。録画の映像を止めて、ちょっとインについてるなとか観たりしています。

職業病ですね(笑)選手それぞれ特徴はやっぱり違いますよね。

そうですね(笑)脚を見ただけで、この選手はこういう靴が良いんじゃないかって思ったりします。

最後に

実は田山さんに、謝らないといけないことがありまして…。ソチオリンピックが終わって、選手村で田山さんにお土産を買おうって(髙橋)大輔と2人で行ったんですけど…。

そうなんですか?

実は、いまだに家にあるんです…。中々渡すタイミングがなくて(笑)

ええーっ!それって今日だったんじゃないですか!?

今日取材じゃないですか。だから、それをネタにするのが嫌で持ってこなかったんです(笑)Tシャツとか色々ありますよ。

(笑)まあでも、あの年は先生も大変でしたもんね。オリンピックが終わってからも。

本当に色々ありすぎて、完全に飛んでいてしまって…。(髙橋)大輔が買ったお土産も私が預かっているんですけど…彼は私に預けてあるから当然渡していると、思っているかもしれません。

いつでもいいですよ(笑)またお店に来てください。

はい!今日はこれを言えてよかったです(笑)また持っていきますね。

(髙橋)大輔は、あんまりお土産を買うイメージはないですが、ありがたいですね。

二人であれこれ選んだのを思い出します。今日は選手の外側でのサポートのお話をたくさん聞けてうれしかったです。長い時間を対談に割いてくださりありがとうございました。

田山裕士さん
長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)