数々の有力選手を指導する長光歌子先生が
フィギュアスケート界を楽しく語ります!

歌子の部屋

vol.10

対談企画 ゲスト:長沢琴枝先生

岡山国際スケート場でコーチを務め、三宅星南選手や島田高志郎選手など若手の育成を精力的に行われている長沢琴枝先生にお話を伺いました。

今後の選手育成について

長沢琴枝先生

今フィギュアスケート界は、レベルが全体的に上がっていますが、教えるのも大変ですか?

昔から基本的に教え方は変わっていないと思います。けれど最近は、ジュニアでもトリプルアクセルや4回転が当たり前になってしまっていて、表彰台にのるにはそれがないと難しいような状況ですから、色々と考える部分はありますよね。

そうですよね。レベルが上がることで練習メニューだけではく、メンタル面のケアも大事になりますしね。

そうなんです。まだ体も出来上がっていない時期に無理はさせたくないところがあるんですけど、レベ ルの高い中で争っていて、期待もされている中で、本人たちがすごく焦ってしまう所があると思います。そこをどう落ち着かせるかが難しいですよね。

長く選手生命を保つためには、若いうちから頑張って行けばいいというわけではないんですけれどね。

がむしゃらにやるだけじゃないっていうことを、もっと教えていきたいですよね。

女子はある程度、選手としての時間が限られているかもしれませんが、男子は20歳を超えても成長できますから、焦らないでねって思いますね。

そうですね。成長期って男子も女子も体格が変わるからすごく難しいと思うんです。
その状況で焦って練習するのは、どうしてもケガに繋がってしまいますよね。

三宅選手も島田選手も、去年からすごく身長が伸びましたよね。

2人とも、1年で身長が10cmくらい伸びていると思います。だから本人がすごく違和感を覚えてると思いますね。目線も変わってきますし。目線が10cm違うと、ジャンプの着地も怖いですからね。

選手に対する想い

長沢先生はどんな想いで選手を指導しているんですか?

とにかく選手たちには「スケートが好き!」って思い続けて欲しいと思って教えています。選手は、勝負ごとですから、スケートに対する想いが浮き沈みする部分は誰でもあると思います。それでも最終的に「スケートが好き!」って思える選手になって欲しいですよね。

スケートの楽しさを教えていくのも我々の仕事ですね。

本当にそう思います。だから歌子先生と髙橋大輔さんのような関係になっていくのに憧れますね。

長沢先生も、坪井遥司さんとは強い信頼関係にあったと思いますよ。

彼とは思い出が深いですね。倉敷で引退セレモニーをやったんですけど、その後に行われた国体も観に行きました。彼のトリプルアクセルを観れるのが本当にうれしくてしょうがなかったですね。そうしたら、私のところにお母さんが来てくれて「ありがとうございました」って言ってくださったんですけど、本当にうれしかったですね。

坪井さんは性格も良いですよね。合宿の時とかも後輩の面倒をよく見ていて…

いえいえ、それは髙橋大輔さんには及びませんよ!率先してお弁当とかもみんなの分を運んだり、私たちが荷物を持っていたら、「先生持ちますよ!」って来てくれたりして、遥司君たちはそれを見て、見習っていただけですよ。
歌子先生のしつけのおかげですね(笑)

そう言ってくださると嬉しいです。ありがとうございます。

長光歌子(ながみつ うたこ)
長光歌子(ながみつ うたこ)