花にけだもの
タイトル

ポルノ処女作の刊行が決まり、木島は城戸のオフィスを訪れる。出版社の社長も同席する打ち合わせの場で、城戸が転職するために木島の担当を外れる事、そしてそれが彼女と結婚するためであることを、木島は初めて聞かされる。「君は最低だ」と言い捨て、その場を後にしようとする木島を城戸は引き止めようとするが、木島は激昂し城戸を侮蔑する。侮蔑され、木島のようには生きられない自分に改めて気付かされた城戸は「お前といると自分が嫌になる」と木島に告げ、木島も「僕もお前みたいな人間、反吐が出る」と去っていく。木島と城戸が顔を合わせなくなり暫く経ったある日、城戸は蒲生田の病室を訪れた。そこで、木島の事を頼む、と蒲生田から涙ながらに懇願され、城戸は決意の表情で病室を後にする。数日後、城戸のオフィスでは、転職をやめたいと社長に頭を下げている城戸の姿があった。昏睡状態で2日目だと連絡を受け、城戸は蒲生田の病室に駆け付ける。不眠不休で蒲生田に寄り添う木島に、城戸は少しでも休むよう優しく声を掛けた。久々に顔を合わせた城戸に、木島は「来てくれてありがとう」と伝え、1人で抱えていた想いを打ち明けていく。そして、その明け方、蒲生田は眠ったまま静かに息を引き取った。

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