優しい時間
-#7 息子-

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勇吉一人になった後、河合が入って来た。河合は、勇吉に会社に戻れと誘う。だが、勇吉は「今、振り返るという仕事をやっている。世界を相手にするのではなく、小さな周囲を見つめているんだ。大変なんだよ、この仕事は」と断るのだった。

河合が帰って、めぐみ(大竹しのぶ)が現れた。勇吉は、朋子に諭されたことをめぐみに報告した。「俺は、お前のことも見ていなかったのか」と問う勇吉。めぐみは笑って「ちゃんと見ていたわ」。少しはほっとする勇吉。

そのまま、勇吉は二年参りで賑わう神社に行き、お守りを買った。そして車に乗り「皆空窯」へ向かった。車中で年が明ける。到着し、静かに陶房を覗くと、拓郎が一心不乱に制作に没頭している。勇吉は、入り口の外にある彩紋のオブジェの下に、今買ってきたお守りを忍ばせるのだった。

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