優しい時間
-#7 息子-

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ストーブを挟んで中里と敏子が話し始めた。二人とも離農し富良野を離れたのだ。「森の時計」の周辺は中里の土地だったらしい。「貧しくてもあのころの暮らしが一番よかった」と中里。敏子も無言でうなずく。

中里が気付いたように帰り支度を始めた。勇吉に「札幌から近くなりましたよ」と挨拶された中里は「道はね。私には遠い土地ですよ」と言い残し、去って行った。

敏子も帰ると言い出す。だが、歩いてどこへ行けるものでもない。ペンションを取ってやろうとしても、駅で安男が待っているかも、などと言う。どこまでも信じたいのか。慌てた滝川(納谷真大)が車で追いかけるのだった。

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