誰かが誰かに恋をする。人はその時、この人と一緒に暮らしたいと思います。そして多くの人が結婚という形式をとります。100人いれば100通りの結婚があるでしょう。でも、そんなことあるわけないという結婚生活があったのです。
　カメラマンの鈴懸彰(中井貴一)と彰のフィアンセで資産家のお嬢様・杉野恵美（仲間由紀恵）は、結婚に向けて幸せの絶頂だった。しかし、結婚式当日、彰が友人・角田(生瀬勝久)から囁かれた一言は…、「オマエはすでに結婚している！？？？」という衝撃の一言。戸惑う彰、何も知らず彰と一緒にいることが本当に幸せそうな恵美。戸籍上の妻は、会ったこともない外国の女性フェイ・リン（フェイ・ウォン）だった。そう、彰は偽装結婚に巻き込まれたのだ。
　フェイには夢がある。世界的なデザイナーになること。そのためには日本で勉強したい。志なかばにして、不法滞在で強制送還されるわけにはいかない…。罪とは知りながらも夢を追いかけるため彰を偽装結婚に巻き込んでしまったフェイ。…今、彰と別れるわけにはいかない！そんな事情を知らない彰はようやく彼女を捜し出し、離婚を迫ってみるものの「アナタ。アナタじゃなきゃダメ」とけむに巻かれる。？？？となる彰。

　こうして新婚生活はスタートしたが、恵美を傷つけたくないがゆえに、被害者とはいえ偽装結婚のことを口にせず嘘を重ねてゆく彰。一方あの手この手を使ってなんとかフェイとの離婚を成立させようと苦闘する彰。
　目の前にあるのは、二人のために用意された家、独立のための新事務所、優しく見守ってくれる新妻。と、文句のつけようのない幸せな日々のはず。しかしこれがフェイ台風に巻き込まれて…。
　ただ彼女と出会い一緒に時を過ごしていくうちに、彰が忘れかけていた「何か」を彼女のなかに見い出す。そしてその「何か」に徐々に引かれ出した時、彰の揺れる気持ちはどちらを選択するのか？　それこそ「結婚」を境に、彰のとんでもない人生が始まろうとしていた…。

　言葉の壁、慣習の違い、つたない英語と片言の日本語、筆談でカルチャーギャップという壁を越えることが出来るのか？そして彰が見つけた、日本人が失いかけている「何か」とは？笑って、そして、ちょっぴり切なくなる、ロマンチック・マリッジコメディーをお届けします。