あらすじ
<第10回> <第11回>

<第10回> 「せつない愛の旅立ち」
 偽装結婚は解消され、これでもう彰(中井貴一)はフェイ(フェイ・ウォン)に振り回されることはなくなった。ところがふと気づくとフェイの事を考えている。
「これからは恵美(仲間由紀恵)と温かい家庭を作っていくつもりだ」。彰は、自分の気持ちをふっきるように、角田(生瀬勝久)と剛(中村俊介)に宣言した。
 森村(大杉漣)はフェイのデザインをコンクールに出品していなかった。フェイが特別賞に選ばれたのは、彰のおかげだった。その事を剛から教えられたフェイは森村につめ寄った。しかし森村の口から出てきたのは意外な言葉だった。「君の才能を一番認めているのは僕だよ。パリに行ってほしい。向こうのエージェントが君の才能に期待しているんだ」。もちろん先方との契約には森村の計算が秘められていたが、フェイは世界の舞台でのチャンスを素直に喜んだ。出発は1週間後だ。
 「恵美、はなしある」「私もなのよ。聞いて、フェイちゃん」。アトリエに大量の注文が舞い込んだという。はりきる恵美に、フェイはパリ行きを打ち明けることができなかった。
 一方、彰は杉野家からの独立を決意し、彰は恵美を連れ出すと、新築マンションに案内した。「恵美はどう思う?」「私、突然すぎてまだ」。恵美が戸惑っていると、剛がフェイを連れて、そして角田までもが姿を現わした。フェイと剛は、彰と恵美を盛り上げる為にやって来たと言う。角田の本音は、2人をなんとか邪魔することだ。
 フェイのパリ行きが3日後に迫り、皮肉な事に恵美のアトリエの注文の納品日も3日後に決まった。2人が作業をしていると突然、恵美が悲鳴をあげた。ワイヤーで右手を切ったのだ。そこへちょうど彰が現れ、彰は恵美を病院に連れていった。
 翌朝、彰と恵美がアトリエに顔を出してみると、フェイが夜通し作ったフラワーアレンジメントが並べてあった。彰は複雑な思いでそれを見つめた。
 彰は森村からフェイがパリ行きのチャンスをみすみす断念したことを教えられ、フェイを訪ねた。「デザイナーになる夢を叶えるチャンスじゃないか!」「アンタに恩返し。恵美、助ける」フェイは二人の為にパリ行きをあきらめようとしていたのだ。彰はフェイの気持ちがうれしかったが、口をついて出た言葉はまったくの正反対だった。「恵美を助けられるのは俺だけだ。お前なんか迷惑なだけだよ!」。

<第11回> 「最後の感動の涙!!」
 フェイ(フェイ・ウォン)が旅立って1カ月。彼女のデザインはパリでも高く評価されていた。が、それなりに平穏な日々は長く続かなかった。
「ボンジュール、アンタ」。フェイが彰のオフィスに突然現れたのだ。パリは嫌い、東京が好きだという。帰国にはもう一つ理由があった。フェイも暮らしていた外国人アパートが取り壊されるというのだ。おかげで他に行くあてのない住人たちまで彰のオフィスに居ついてしまった。
 一方、角田は恵美に問いつめられていた。「彰さんはフェイちゃんのこと、ずっと以前から知ってたんじゃない?」「まさか」。角田はあわてて否定したが、フェイの旅立つ日、恵美は/空港で親密そうな2人を恵美を目撃していたのだ。
 「今なら間に合う、すぐパリへ戻りなさい」。無断で帰国したフェイに森村(大杉漣))は命じたが、フェイの気持ちは変わらなかった。「では、お別れだ」。森村は冷たく言い放った。
 森村からフェイが帰国している事を聞いた恵美は、フェイに会いに行った。「彰さんのこと、前から知ってたんでしょ」恵美から聞かれたフェイは素直に認めた。「私、彰の戸籍とった…ビザのため、ウソの結婚した・・・」。
 「私、フェイに会ってきた。恵美のその一言で彰は恵美が何を言いたいのか分かった。もう隠し通すことはできない。「全部話すよ」。彰はフェイとの偽装結婚の一部始終を告白した――。


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