あらすじ
<第4回> <第5回> <第6回>

<第4回> 「赤ちゃんできたの!」
 「赤ちゃんができたみたいなの!」突然オフィスにやって来た恵美(仲間由紀恵)が彰(中井貴一)に打ち明けた。「ほんとか?ワォーウ!」彰は喜びの雄叫びを上げた。早速2人して産婦人科医院をたずねたが、看護婦の一言で彰の笑顔は固まった。「保険証をお願いします」。彰の戸籍謄本では“妻=フェイ・リン(フェイ・ウォン)”となっているのだ。なんとか恵美を言いくるめて医院を後にしたが、事は急を要する。
 「何とかならないかな」。彰がまたもや角田(生瀬勝久)を頼った。「いい方法がある。フェイをきちんとした会社に就職させれば就労ビザがおりる。」そうすれば彰と離婚しても日本にいられるわけだ。
 「君に就職を世話しにきた」「私のために?」。フェイ・リンは考えこんだが、オーケーした。そうなると話は早い。フェイのことを気に入っている剛(中村俊介)が履歴書用の写真の撮影をしてくれた。
 ホッとして帰宅した彰は、恵美からマタニティクラスに一緒に参加したいと頼まれた。「もちろんいいよ」。彰は答えたが、内心あわてた。なんとフェイの面接会場のあるセンターで、しかも同じ時刻から開かれるのだ。
 当日が来た。「とにかくニアミスしないよう上手くやるしかない」。彰は剛にフェイの面倒を頼むと、恵美とマタニティクラスの部屋に向かった。恵美に話を合わせていても彰の頭からはフェイのことが離れない。その頃、フェイは剛を引き連れて、面接会場をハシゴしていた。ハウスキーパーの会場ではパニック騒ぎを起こし、不合格。
 次のベビーシッターの会場でもフェイが赤ちゃんを抱くと泣き止まない。そこへ、マタニティクラスの終わった彰が顔をのぞかせた。「あなた、この方のご主人?」。面接のシスターの問いかけにフェイが「ダーリンです」と認めたものだから話がややこしくなった。彰があわてて否定していると、そこに、恵美が姿を現わした──。

<第5回> 「妻に忍びよる男の影」
 想像妊娠が判って落胆していた恵美(仲間由紀恵)に、さらにショックな出来事が重なった。
 彰(中井貴一)のジャケットから離婚届を見つけたのだ。フェイ(フェイ・ウォン)との偽装結婚のことなど知るはずもない。恵美は彰に真意をたずねたいが、不安が先立って言い出せない。
 一方、彰は森村(大杉 漣)にフェイを雇ってくれるよう直談判した。「彼女にはビザが必要なんです」。
 彰は森村がフェイのデザインを盗用したことを言外に匂わせた。
 「見ちゃったの」。恵美から離婚届を突きつけられた彰はとっさに言い訳を考えた。「こんなモノを用意していつも緊張感を保っていたかったんだ」という彰に恵美は言った。「ごめんなさい。ちっとも気づいてあげられなくて」。
 彰がホッとしたのも束の間、また難題がもちあがった。「私から世界一周の船旅をプレゼントさせてもらおう」。
 栄之助(布施 明)はハネムーンのつもりだったが、彰はあわてた。
 来週までにパスポートを用意しなければならない。「偽装結婚ができるんなら、偽装離婚だってチョロいんじゃないすか」。剛(中村俊介)の一言でひらめいた。
 ところがこれまでなら二つ返事で引き受けてくれた角田(生瀬勝久)が、今度ばかりは反応が違った。「そんな偽造に手を貸すわけにはいかん!」。
 ところがその角田が態度をひょう変させる事があった。「恵美ちゃんのためなら俺は甘んじて犯罪者になろう」。
 彰の外出中、恵美は手作り弁当をオフィスに届けに来て、居合わせた角田が代わりに一緒に食べた。恵美の優しさにほだされた角田はかえりみず一肌脱ぐ気になったというわけだ。
 あと必要なのはフェイのサイン。「任せて下さい」。フェイに気のある剛が自信たっぷりに請け合ったが、あと一歩のところでしくじったので、結局は彰と角田が外国人アパートに乗り込むことになった。
 角田の芝居にまんまとひっかかったフェイは書類にサインしたが、逃げ出そうとした2人に、フェイのアパートの住人達が飛びかかった。

<第6回> 「今夜ウソがバレる!?」
「俺、男になるんでよろしく!」。剛(中村俊介)が新人フォトグラファーコンクールに応募すると言いだした。しかし彰(中井貴一)は戸惑った。
 剛がフェイ(フェイ・ウォン)をモデルにてくれるよう頼んだからだ。「私、着る人じゃない」。一度は断ったフェイだったが、彰からも頼まれると、いつものいたずらっぽい笑いをのぞかせた。「ダーリン、デートしてくれたらモデル、いいよ」。
 恵美(仲間由紀恵)は自宅でフラワーアレンジメントの教室を始めた。角田(生瀬勝久)も恵美から誘われて、生徒の仲間入りした。
 しかも彰の帰宅が遅くなると言われ、ちゃっかり恵美の手料理までごちそうになり、すっかりご機嫌。
 数日後、彰は久しぶりに恵美を外食に誘った。「1年前俺たちが出会った日だろ」恵美はうれしそうにうなずいた。場所は二人の想い出の居酒屋。彰が店に向かう途中、探偵の大城戸(鴻上尚史)から呼びだされ、二人はラブホテルの管理室へ。 モニターに映しだされたのは剛とフェイ。「現場を押さえたら離婚できますよ」「あの2人が何しようと俺には関係ない!」。廊下でもみあう内に、彰と大城戸は2人の部屋に飛び込んでしまった。「俺たち、夜空を撮りに来ただけですよ」。フェイはクスクス笑っている。
 「先輩、用事あったんじゃないんすか」。約束の時刻をとっくに過ぎていることに彰は気づいた。
 待ちわびた恵美はすでに居酒屋にいなかった。彰があわてて自宅に戻ると、やがて恵美は角田と酔っ払って帰宅した。
 「角田さんのおかげですっごく楽しかった。」自分が悪いとは分かっていても、角田と一緒だったのが彰は面白くない。
 フェイもコンテストに挑戦する気になった。デザイナーズアワード、デザイナーの卵たちが狙っているタイトルだ。
 フェイは出展デザイン画を審査員の1人でもある森村(大杉 漣)に見てもらった。
 「これはいけるかもしれない。」森村は激励した。
 フェイが帰ろうとした時、森村に見せたデザイン画を忘れてきたことに気づいた。
 オフィスに戻ったが見当たらない。
「そういえば掃除してたみたい。締め切りは明日よ」。帰り支度をしていた森村の秘書は不敵な笑みをのぞかせた――。


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