あらすじ
<第7回> <第8回> <第9回>

<第7回> 「今夜!!衝撃のラスト」
 彰(中井貴一)はライフワークともいうべき夕陽を久しぶりに撮影することにした。周囲がオレンジ色に染まりかけてファンダーをのぞいていると、剛(中村俊介)がフェイ(フェイ・ウォン)を連れて現れた。夕陽の赤にフェイの姿が溶けこみ、夢のような光景が生まれ、彰は夢中でシャッターを切り続けたので、背後に恵美(仲間由紀恵)と角田(生瀬勝久)がいたのに気づかなかった。
 彰とフェイと一緒にいることを知らずに恵美を連れてきた角田は慌ててフェイを恵美に紹介するよう言い、彰は角田にフェイを連れて帰ってもらった。
 「何があったんだ!」。オフィスに戻って来た彰は荒らされた室内を見てボウ然となった。カメラを始め、高価な撮影機材すべてが盗まれていたのだ。床にブレスレットが落ちていた。「あいつがしてたやつだ」。それはフェイのアパートの友人、BJ(TEAH)がいつも腕にしているブレスレットによく似ていた。
 彰と剛は、BJを問い詰めたが、カメラの行方は分からなかった。だが、何か知っているようだ。盗み聞きしていたフェイは、彰たちが帰るとBJに尋ねた。BJは言った。「俺は関係ない。スネークヘッドが盗品オークション用にパクったんだろ」。
 彰と剛はBJが出入りしているカジノ、スネークヘッドのアジトを見つけた。物陰から見張っているとフェイが現れた。実は彼女も彰たちのカメラを取り返したい一心で密かに探っていたのだ。
 彰にはもう一つ気がかりなことがあった。恵美が内緒で角田と連絡を取りあっているらしい。
 自宅にも呼んでいるのに「大学時代の友達が来てたの」と恵美は嘘をつく。彰はショックを受けたが、恵美を問いつめる勇気はなかった。
 一方、フェイの動きを入国管理局の職員たちが監視していた。森村(大杉漣)の秘書が通報したのだ。そんな事とは知らないフェイは、彰のカメラなどが売りさばかれるという大規模な盗品オークションの会場へ向かった――。

<第8回> 「衝撃の愛の告白今夜」
 フェイ・リン(フェイ・ウォン)が偽装結婚・不法滞在の容疑で入国管理局に連行された。オフィスで彰(中井貴一)が佇んでいると剛(中村俊介)が声をかけた。
「先輩このままじゃ、フェイちゃん強制送還されちゃいますよ」彰は迷った。その時、角田(生瀬勝久)から電話が入った。「すぐに帰って来い!」。
 あわてて帰宅すると、恵美(仲間由紀恵)たちが彰の誕生日を祝う為、待っていた。
 数日前から恵美と角田がこっそり会っていたのは、彰の誕生日パーティーの打ち合わせをしていたのだ。栄之助(布施明)をはじめ皆で祝福してくれたが、彰は心から楽しめなかった。
 フェイが入国管理局に連行された事が気にかかっていたのだ。しかも、このまま強制送還されると偽装結婚を解消するのは絶望的だ。「今のうちに離婚届にサインを貰え。」と角田が諭せば、剛(中村俊介)は「フェイちゃんは、自分を犠牲にして先輩の夢を守ったんですよ。なんとかしてあげて下さい」と彰に訴えた。彰が迷っていると、いつものごとく探偵の大城戸(鴻上尚史)が姿を現わして言った。「ご自分の心に感じたまま行動してみたらどうですか」。その言葉で彰は決心がつき、入国管理局を訪れた。「フェイは僕の妻です」。しかし、管理官の応対は冷やかで、しつような面接にあって2人が偽装結婚だとすぐ見破られてしまった。
 彰はその足で森村(大杉漣)のオフィスを訪ねると、フェイに即刻ビザを与えてくれるよう頼んだ。「あなたがフェイの才能を流用していることを父に話しますよ」。しかし森村は開き直った。「構いませんよ。彼女が望んだことです」。
 一刻一刻と、フェイが応募した新人デザイナーのコンクールの面接試験が迫っていた。出席できなければフェイの人選は取り消される。「すぐにもあそこから出してあげないと」。フェイを好きな剛は強行手段に出ることにした。
 フェイを連れ出す為、剛は清掃員に変装して入国管理局に潜入したのだ・・・・・・。

<第9回> 「これって愛か友情か」
 「たった今離婚届を提出してきた!」フェイ・リン(フェイ・ウォン)からサイン入りの離婚届を受け取った彰(中井貴一)は、角田(生瀬勝久)と剛(中村俊介)に早速、報告した。ところが、剛は「フェイちゃん、ビザはどうするんだろう」とつぶやき、角田はしまいに彰の婚姻届を無くしたとウソをついた。
 剛はフェイを訪ね、決心を聞いていた。コンクールの最終選考に残らなければ、デザイナーの夢を諦めると言うのだ。さらに剛はたずねた。「先輩のことは、もう本当にあきらめたの?」
 角田(生瀬勝久)は、彰が苦心してもう一度手に入れた婚姻届を前にして悩んでいた。このまま手続きしていいものか・・・。角田は迷いをふっ切ると、離婚届をデスクの引き出しにしまってテープで封印した。
 恵美(仲間由紀恵)のサロンの開店記念パーティーが開かれ、彰と角田、剛、栄之助たちもお祝いに駆けつけた。「お嬢さん、本日はおめでとうございます」。森村も(大杉 漣))を連れて姿を現わした。そんなお祝いムード一色のサロンに緊張が走った。なんとフェイが来ていたのだ。そして恵美の言葉はさらに一同を驚かせた。「森村先生のオフィスから出向していただく、デザイナーのフェイ・リンさんです」森村からフェイを紹介され、恵美は彼女のデザインセンスを気に入ったらしい。「これまで迷惑かけた、恩返し」。フェイは、そう思っているようだが、彰は気がきでない。しかも恵美は自宅の夕食にもフェイを招待した。「私の大事な仲間になってくれる人だから」。恵美とフェイはご機嫌だが、彰は冷や汗びっしょり。「これからも食べに来てね!」恵美の言葉に彰はさらに落ち込んだ。
 フェイが応募したワールドデザイナーズアワードの予選通過名簿を見ていた剛の動きが止まった。フェイの名前がない。それを聞いた彰は森村のオフィスに向かった。「これはどういうことですか!」「さあ、私にきた情報に誤りがあったのでしょう」。森村の薄笑いを見て、彰は理解した。森村は最初からフェイのデザイン画を出品していなかったのだ――。


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