海猿
不審船発射
今日も『ながれ』潜水士たちによる厳しい訓練が行われている。池澤真樹(仲村トオル)の檄を受け、少しずつ進歩を見せる仙崎大輔(伊藤英明)を、下川いわお(時任三郎)らも感心して見ている。だが、一番喜んでいるのは、池澤の本当のバディになれたと実感している大輔本人。また、大輔は後輩の吉岡哲也(佐藤隆太)に、潜水士にならないかと誘う。
一方、先日『ながれ』潜水士の命を懸けた厳しい仕事ぶりを目の当たりにした伊沢環菜(加藤あい)は、大輔との恋愛関係に自信を失いかけていた。恋愛についてはあまり考えないようにし、まもなく開かれる展示会の準備に集中する。
そんなある日、デパートで池澤の妻・尚子(芳本美代子)に出会う。環菜は尚子にそれとなく潜水士の妻の心理を尋ねる。笑顔で答える尚子だが、環菜の不安は消えない。
忙しく働く環菜を、上司の冬柴康介(鈴木一真)が昼食に誘った。大輔との交際を尋ねる冬柴に、つい環菜はタメ息をつき、疲れた心を覗かせてしまう。
その頃、下川はプールで一人黙々と潜水訓練を行う矢吹真一(布施博)の姿を見る。矢吹は2年前まで下川のバディだったが、事故で大けがを負い現場を離れた。今は再起のために訓練を行っている。下川が、幾たびの本部行きを断り現場にこだわっているのは、矢吹への負い目からだった。
環菜の複雑な思いを知らない大輔はデートに誘う。そこで環菜は胸にわだかまった思いを初めて口に出す。「私は普通の恋愛をしたいの。死なないでって心配しなきゃいけないなんて…自信ない」。二人の間に沈黙が流れる。沈黙を破った大輔の「俺は、潜水士を辞めない」という言葉を聞いた環菜は、何も言わず、やりきれない思いで席を立ち仕事に戻って行く。
お互いの日常に戻る二人。展示会が成功し一息つく環菜。訓練を続ける大輔。だが、その時、海保本部には緊張が走っていた。不審船の領海侵犯である。『ながれ』に出動命令が下された。
その頃『リアンリアン』で展示会の打ち上げが始まった。環菜は、展示会場でスタッフから離れ一人で座っている冬柴にビールを渡し、乾杯する。「喜びを分かち合えるっていいもんだな。そういう相手と恋愛した方がいいぞ」と一般論を言っているかと思った冬柴は表情を変えずに「俺なら、お前に寂しい思いはさせないぞ」と環菜を見つめる。突然の告白に、なんと答えていいかわからない環菜。それを見た冬柴は「皆のところへ戻れ」とにこやかに促す。驚く心を抑えながら、打ち上げ会場に戻った環菜の携帯が鳴った。尚子が入院したという。環菜は病院へ向かった。
環菜が病院に着くと、ロビーのテレビにニュースが流れている。『ながれ』始め海保の船が不審船を追っているという。環菜にも緊張が走った。病室の尚子は切迫早産の危険があるといい、苦しんでいる。とても池澤らが置かれている状況を教えるわけにはいかない。
『ながれ』に本部から映像解析の結果が入ってきた。なんと不審船は対戦車ロケット砲で武装している様子。『ながれ』では、防弾装備装着及び射撃準備が始まり、巡視船内に痺れるような空気が漂う。
尚子の治療が始まり、ロビーで待つ環菜の目に、再びニュースが飛び込む。海保巡視船と不審船との銃撃戦の資料ビデオが流れている。環菜の不安が掻き立てられる。
船上では射撃班の池澤と大輔が機関砲の発射準備を始めている。「マジで撃つんですか」と大輔。何も答えない池澤。人命救助だけではない海上保安官の仕事が今、始まろうとしている。大輔に恐怖心が沸き起こる。
とうとう「ながれ」が不審船に追いついた。停船する気配のない不審船に、威嚇射撃発射命令が下りた。勝田孝太郎船長(夏八木勲)が指示を出す。池澤が砲に向かう…。
一方、先日『ながれ』潜水士の命を懸けた厳しい仕事ぶりを目の当たりにした伊沢環菜(加藤あい)は、大輔との恋愛関係に自信を失いかけていた。恋愛についてはあまり考えないようにし、まもなく開かれる展示会の準備に集中する。
そんなある日、デパートで池澤の妻・尚子(芳本美代子)に出会う。環菜は尚子にそれとなく潜水士の妻の心理を尋ねる。笑顔で答える尚子だが、環菜の不安は消えない。
忙しく働く環菜を、上司の冬柴康介(鈴木一真)が昼食に誘った。大輔との交際を尋ねる冬柴に、つい環菜はタメ息をつき、疲れた心を覗かせてしまう。
その頃、下川はプールで一人黙々と潜水訓練を行う矢吹真一(布施博)の姿を見る。矢吹は2年前まで下川のバディだったが、事故で大けがを負い現場を離れた。今は再起のために訓練を行っている。下川が、幾たびの本部行きを断り現場にこだわっているのは、矢吹への負い目からだった。
環菜の複雑な思いを知らない大輔はデートに誘う。そこで環菜は胸にわだかまった思いを初めて口に出す。「私は普通の恋愛をしたいの。死なないでって心配しなきゃいけないなんて…自信ない」。二人の間に沈黙が流れる。沈黙を破った大輔の「俺は、潜水士を辞めない」という言葉を聞いた環菜は、何も言わず、やりきれない思いで席を立ち仕事に戻って行く。
お互いの日常に戻る二人。展示会が成功し一息つく環菜。訓練を続ける大輔。だが、その時、海保本部には緊張が走っていた。不審船の領海侵犯である。『ながれ』に出動命令が下された。
その頃『リアンリアン』で展示会の打ち上げが始まった。環菜は、展示会場でスタッフから離れ一人で座っている冬柴にビールを渡し、乾杯する。「喜びを分かち合えるっていいもんだな。そういう相手と恋愛した方がいいぞ」と一般論を言っているかと思った冬柴は表情を変えずに「俺なら、お前に寂しい思いはさせないぞ」と環菜を見つめる。突然の告白に、なんと答えていいかわからない環菜。それを見た冬柴は「皆のところへ戻れ」とにこやかに促す。驚く心を抑えながら、打ち上げ会場に戻った環菜の携帯が鳴った。尚子が入院したという。環菜は病院へ向かった。
環菜が病院に着くと、ロビーのテレビにニュースが流れている。『ながれ』始め海保の船が不審船を追っているという。環菜にも緊張が走った。病室の尚子は切迫早産の危険があるといい、苦しんでいる。とても池澤らが置かれている状況を教えるわけにはいかない。
『ながれ』に本部から映像解析の結果が入ってきた。なんと不審船は対戦車ロケット砲で武装している様子。『ながれ』では、防弾装備装着及び射撃準備が始まり、巡視船内に痺れるような空気が漂う。
尚子の治療が始まり、ロビーで待つ環菜の目に、再びニュースが飛び込む。海保巡視船と不審船との銃撃戦の資料ビデオが流れている。環菜の不安が掻き立てられる。
船上では射撃班の池澤と大輔が機関砲の発射準備を始めている。「マジで撃つんですか」と大輔。何も答えない池澤。人命救助だけではない海上保安官の仕事が今、始まろうとしている。大輔に恐怖心が沸き起こる。
とうとう「ながれ」が不審船に追いついた。停船する気配のない不審船に、威嚇射撃発射命令が下りた。勝田孝太郎船長(夏八木勲)が指示を出す。池澤が砲に向かう…。