海猿
命にかえて
池澤真樹(仲村トオル)の死を乗り越え一つ成長した仙崎大輔(伊藤英明)は、新しくバディとなった吉岡哲也(佐藤隆太)と訓練に没頭していた。伊沢環菜(加藤あい)も、冬柴康介(鈴木一真)から「お前が選んだ男を誤解していたようだ」と大輔を認めてもらい、充実した日々を送っていた。
そんなある日、下川いわお(時任三郎)は、別れた妻・里江子(奥貫薫)から「近く再婚するから今度の日曜を最後にして、以後、唯(一木有海)には会わないで」と言い渡される。「唯の幸せを考えて」と言われると、下川に返す言葉はないのだった。
そんな頃、外泊許可を取った大輔は環菜の部屋へ泊まりに行くことになった。肥後大作(伊武雅刀)ら「オーシャンズ」のスタッフや吉岡たちにからかわれながら、緊張して部屋に入る二人は、中に入ってもギクシャクしたまま。そして環菜がシャワーを浴びていると、チャイムが鳴る。肥後だと思った大輔はバスタオル姿で玄関に出た。だが、そこにいたのは、環菜の母・歌子(朝加真由美)。趣味のボール体操発表会に出場するため、突然、上京して環菜を訪ねてきたのだ。大輔は歌子に環菜の部屋を追い出されてしまい船に戻る。環菜は、大輔のことを説明するが「海保」と聞いた瞬間、歌子の顔色が変わった。
下川と唯の最後の面会の日がやって来る。里江子は、唯にはこれで終わりだとは伝えていなかった。「今度のバレエの発表会は見に来てね」などと明るく話す唯に下川は言葉に窮する。別れの時間になり、迎えに来た里江子に「もう、パパとは会えないんだよ」と聞かされた唯は絶句し、泣きながらごね始める。下川は「バレリーナになれるように頑張れよ」と精一杯明るく振る舞うが、泣きながら里江子に連れられて帰る唯を見送るのは身を切られる辛さであった。
一方大輔は環菜から、以前父親を海難事故で亡くし、母は未だに心の傷が癒されずに、海に関連する事柄を嫌がるのだと打ち明けられる。
ボール体操発表会を終え、環菜と歌子は「オーシャンズ」で打ち上げを行っていた。発表会で失敗した歌子はやけ酒状態である。そこへ大輔が現れた。「夕べはすみません」と切り出しても、歌子は無視。「お母さんのお気持ちは分かります」と大輔が継ぐと、歌子は「分かるんだったら、環菜と別れてください」と即座に切り返す。「娘に海で働く人と付き合って欲しくないの」と言うその強い口調には環菜も驚くのだった。
翌日、大輔が海保の敷地をランニングしていると、正門から中を覗く唯を見つけ、下川を呼びに行く。下川がやってくると、唯は「どうしてパパに会っちゃいけないの。我慢するし、もう泣かないから…」と泣きながら思慕を募らせる。そこへ、唯を探していた里江子がやってきて、嫌がり泣きじゃくる唯の手を引いて去って行く。そんな愛に憐憫を感じた大輔は「何があったって隊長がパパでしょう。どうして何も言ってあげないんですか!」と詰め寄るが、下川は「それがあいつのためなんだ」と冷静に話すだけだった。
歌子が帰郷することになり、環菜と一緒に歩いていると前から大輔が来る。大輔は、環菜との交際をきちんと歌子に認めてもらいたかった。だが、歌子は「あなたは、海で死なないって言い切れるの」と厳しい言葉を突きつける。大輔は池澤が撃たれた瞬間を思い出し、絶句。その時、大輔は「ながれ」からの出航命令連絡を受けてしまう。大輔が行ってしまうと、歌子は環菜に「もし彼に何かあったらどうするの」と聞くが、環菜は「そんな心配、今まで散々してきたわ」ときっぱりと言い切る。その見た事のない強い表情の娘に逆に歌子が驚くことに…。
招集のかかった海難事故はプレジャーボートの転覆で、ボートは見つからず乗員6人中2人が行方不明だという。捜索に入るとすぐに1人の漂流者が救助されるが、話によると乗員はバレエ教室の教師と生徒の団体であり、残る1人の行方不明者は、なんと大野唯、下川の娘だと…。
そんなある日、下川いわお(時任三郎)は、別れた妻・里江子(奥貫薫)から「近く再婚するから今度の日曜を最後にして、以後、唯(一木有海)には会わないで」と言い渡される。「唯の幸せを考えて」と言われると、下川に返す言葉はないのだった。
そんな頃、外泊許可を取った大輔は環菜の部屋へ泊まりに行くことになった。肥後大作(伊武雅刀)ら「オーシャンズ」のスタッフや吉岡たちにからかわれながら、緊張して部屋に入る二人は、中に入ってもギクシャクしたまま。そして環菜がシャワーを浴びていると、チャイムが鳴る。肥後だと思った大輔はバスタオル姿で玄関に出た。だが、そこにいたのは、環菜の母・歌子(朝加真由美)。趣味のボール体操発表会に出場するため、突然、上京して環菜を訪ねてきたのだ。大輔は歌子に環菜の部屋を追い出されてしまい船に戻る。環菜は、大輔のことを説明するが「海保」と聞いた瞬間、歌子の顔色が変わった。
下川と唯の最後の面会の日がやって来る。里江子は、唯にはこれで終わりだとは伝えていなかった。「今度のバレエの発表会は見に来てね」などと明るく話す唯に下川は言葉に窮する。別れの時間になり、迎えに来た里江子に「もう、パパとは会えないんだよ」と聞かされた唯は絶句し、泣きながらごね始める。下川は「バレリーナになれるように頑張れよ」と精一杯明るく振る舞うが、泣きながら里江子に連れられて帰る唯を見送るのは身を切られる辛さであった。
一方大輔は環菜から、以前父親を海難事故で亡くし、母は未だに心の傷が癒されずに、海に関連する事柄を嫌がるのだと打ち明けられる。
ボール体操発表会を終え、環菜と歌子は「オーシャンズ」で打ち上げを行っていた。発表会で失敗した歌子はやけ酒状態である。そこへ大輔が現れた。「夕べはすみません」と切り出しても、歌子は無視。「お母さんのお気持ちは分かります」と大輔が継ぐと、歌子は「分かるんだったら、環菜と別れてください」と即座に切り返す。「娘に海で働く人と付き合って欲しくないの」と言うその強い口調には環菜も驚くのだった。
翌日、大輔が海保の敷地をランニングしていると、正門から中を覗く唯を見つけ、下川を呼びに行く。下川がやってくると、唯は「どうしてパパに会っちゃいけないの。我慢するし、もう泣かないから…」と泣きながら思慕を募らせる。そこへ、唯を探していた里江子がやってきて、嫌がり泣きじゃくる唯の手を引いて去って行く。そんな愛に憐憫を感じた大輔は「何があったって隊長がパパでしょう。どうして何も言ってあげないんですか!」と詰め寄るが、下川は「それがあいつのためなんだ」と冷静に話すだけだった。
歌子が帰郷することになり、環菜と一緒に歩いていると前から大輔が来る。大輔は、環菜との交際をきちんと歌子に認めてもらいたかった。だが、歌子は「あなたは、海で死なないって言い切れるの」と厳しい言葉を突きつける。大輔は池澤が撃たれた瞬間を思い出し、絶句。その時、大輔は「ながれ」からの出航命令連絡を受けてしまう。大輔が行ってしまうと、歌子は環菜に「もし彼に何かあったらどうするの」と聞くが、環菜は「そんな心配、今まで散々してきたわ」ときっぱりと言い切る。その見た事のない強い表情の娘に逆に歌子が驚くことに…。
招集のかかった海難事故はプレジャーボートの転覆で、ボートは見つからず乗員6人中2人が行方不明だという。捜索に入るとすぐに1人の漂流者が救助されるが、話によると乗員はバレエ教室の教師と生徒の団体であり、残る1人の行方不明者は、なんと大野唯、下川の娘だと…。