あらすじ
<第7回> <第8回> <第9回>

<第7回> 「遂に美園が寿退社!?」
 年中最大行事である恒例の「納涼満帆盆踊り大会」の季節がやってきた。盆踊り大会といえば、好きな相手とペアでエントリーして社員の投票でベストカップルを決めるという「社内ベストカップル」が最大の目玉である。毎年、ベストカップルの座は佳奈(櫻井淳子)と元社長に持っていかれていたが、今年は佳奈がバカンスに出かけていて社内には不在。よって今年はチャンスが倍増・・・ということなのである!女子社員たちはいつも以上に浮き足立っている。もちろん千夏(江角マキコ)、美園(戸田菜穂)は言うまでもな い。 「右京さん、待っててください!」。佐和子(京野ことみ)は相変わらず右京(石黒賢)と結ばれることを願うが、今年も右京は一番人気で、競争相手は相当多かった。ところがリエ(高橋由美子)は右京に関係があるのかないのか、「黄金の男が見えます」と妙なことを言い出す。
 社長の前川(升毅)は、、社内のバカ騒ぎに眉をひそめながら「留守の間、頼むよ」と言い残し、ニューヨークの出張へと旅立って行った。
 美園は真っ先に右京にアタックする。しかし、右京に「俺は、仕事しか考えられない。当分誰とも結婚する気はない!」と言われ本気で落ち込む。一方、寺崎(高橋克実)は社長の留守に点数を稼ごうと躍起になり、心理カウンセラーを社内に呼び込むことを考えた。
 そこに登場した心理カウンセラー、樋口(加勢大周)は千夏も一目置くようなイケメン男。さらにリエが「黄金のオーラが見えます」とのたもうたことから、連日カウンセラー室前には長蛇の列ができた。右京に振られガッカリしていた美園も「あの黄金の男、あたしがもらったわ!」とあっさり樋口狙いに転じる。千夏と美園は黄金の男・樋口をめぐってガチンコ対決となった。分かりやすい2人は、樋口に気に入られようと翌日には相当気合が入ったファッションで現れる。千夏は目を焼き尽くすほど真っ赤な超ミニワンピース。美園は派手な花柄のワンピース。「お中元の包装紙みたいな格好ね!」(千夏)「あなたこそ明太子みたいよ!!」(美園)。2人が散らすくだらない火花はショムニ、秘書課でさえ呆れさせるほどだ。しかし!!!
 ・・・「ボクとあなたは、ただの医者と患者の関係ではない」。耳元でささやかれた美園(戸田菜穂)。ここで美園が千夏より一歩リードか!?そんな様子をリエと神谷がモニター画面で監視していた。
 そんな中、寺崎が盆踊り大会を突然中止すると言い出した。ニューヨークへ出張した前川社長の意向や、何よりも自分が「ベストカップル」候補として誰からも誘ってもらえないひがみ、が最大の原因!?納得できない千夏たちは当然猛烈に反発する。「何かがおかしい」。千夏たちはまたもや探りを入れ始め、岡野(正名僕蔵)から「樋口さんが寺崎部長に『止めましょう』と言って中止になった」という事実を聞き出す。
 千夏、あずさが監視している中、ついに樋口からデートに誘われ、さらに「ベストカップルOK」との返事をもらった美園はもちろん舞い上がってしまう。さらに「カウンセラーとしての独立資金の1500万円を貸して欲しい」と言われ、あっさりOKをしてしまう美園。
 その頃、リエは「樋口から黄金のオーラが消えた・・・!」と悩んでいた。自分の年のせいなのか、それとも樋口に何か問題があるのか。日を追ってモニター越しに監視していると、樋口が一心不乱に打っているパソコンがどうも怪しい、ということになる。ただ、そのパソコンは樋口が常に持ち歩き、会社内のパソコンにはつながっていないので、その中のデータを見ることは不可能だった。しかし、監視カメラをパソコンに向けることで一気に解決!そのカメラが映し出したものは、さまざまな女子社員の名前、そしてなぜか、20、54、150・・・などの数字。それは紛れもなく樋口にお金を貸した女子社員のリストだった。
 その様子をショムニと一緒に見た美園。もちろん自分の名前と“1500”の数字も映し出されており、相当なショックを受ける。しかし、千夏の「このままでいいの?」の言葉に「“明太子”に同情されたくないわ!」と返す美園だった。
 「お金が用意できたからロビーで午後5時に渡したい」と樋口を呼び出す美園。樋口が約束どおり5時に現れると、そこには美園を始めとした5人の女子社員がいた。いずれも樋口と“ベストカップル”の約束をし、さらにお金までも貸していたのだ。樋口は複数の女子社員とベストカップルに出るのはまずい、ということで寺崎に中止をうながしたのだった。そんな人事部の2人もいる前で、千夏は樋口を問いただす。すると樋口は「ボクといた時間はみんな幸せだったはずだ!」と逆ギレする始末。しかし、美園がとどめをさすように樋口の頬を叩き、樋口はしぶしぶお金を返すことを約束した・・・。
 元をただせば樋口を連れてきたのは人事部。ショムニは、社長にこの不始末を言わないと人事部と約束をし、盆踊り大会&ベストカップルを開催させることに成功した。社長がニューヨークから戻ってくると、着々と盆踊り大会の準備が進んでいる。「まだ許可は出していないはずだ」。不愉快そうな顔をする社長だったが、佳奈のナゾの微笑に「ほどほどに・・・」と許可を出す。「ニューヨークでよ?く言い聞かせておきましたの」。佳奈のバカンスは前川社長と一緒だったよう・・・!?
 それはそうと“黄金の男”はどこにいるのか? すると、前歯の虫歯を治療して“金歯”になった寺崎を見たリエが絶句した。樋口を寺崎が初めて出迎えたときに、寺崎から出ていた無意味な黄金のオーラが樋口に重なって見えてしまっていたのだった。
 盆踊り大会が始まった。井上課長(森本レオ)が叩いた大太鼓の音がロビー中に響き渡る。そしてバチが練習と同じように、宙に舞い・・・寺崎の前歯を直撃!
 オーラを発していた金歯はあっさり取れてしまった。

<第8回> 「エステで夫婦円満」
 庶務二課から怪しげなあずさ(戸田恵子)の声が響いてきた。エステ関連事業やスポーツクラブなど多岐にわたり事業展開し、注目を集める「森口グループ」のモニターに当選したあずさは、送られてきた最新のエステマシーンを試していたのだった。「ちょっとやらせてよ」という千夏(江角マキコ)の一言に、タダでは貸さないあずさ。相変わらず抜け目ないあずさは、社内で金を取って貸し出すことを考えついていた!
 千夏たちがいつもの通り蛍光灯などを台車に積んでいる時だった。あずさのいつにない入念な化粧を見て、千夏が不審に思った矢先、ロビーで出会った見知らぬ男とあずさが「ダーリン!」「ハニー!」と呼び合い、熱い抱擁を交わした。佐和子(京野ことみ)らその場にいたショムニ全員が、目が点になる・・・。
 その男とは、まぎれもないあずさの夫、赤瀬川友彦(東根作寿英)その人だった。友彦は、自らが出向していたロサンゼルス支社が閉鎖になり、日本に戻ってきたのだった。あずさは社内恋愛で結ばれた夫がようやく日本に帰ってきて、ようやく社内で会える!とばかり相当に浮き足立っている。
 実は、友彦が前社長の甥。現社長の手前、前社長の影があってはまずいと、寺崎(高橋克実)は、友彦をなんとか辞めさせようと画策し始めた。まずは希望ではない人事部に配属させ、仕事を一切させないという“嫌がらせ作戦”を始めた。
 しかし、その一方であずさと友彦の社内でのいちゃつきぶりは、あの佳奈(櫻井淳子)が「愛はみせびらかすものじゃないわ」と言うほど、エスカレートしている。
 そんな中、海外展開したいという森口グループと満帆カンパニーの提携話が持ち上がった。満帆の優秀な人材をロンドンに派遣してもらいたいという森口グループ。そこで、満帆カンパニーで、その登用試験が行われることになった。
 右京(石黒賢)も受けると聞き、美園(戸田菜穂)は、二人のロンドン生活を勝手に夢見て必死に応援する。
 自分に近い誰かがロンドンに行ければ、森口グループの施設やマシーンをただで使える!ともくろんだ千夏は、外国語試験の一次試験突破は間違いない、と外国語に強い梅(宝生舞)と、念のための“保険”として実はエリートの神谷(沢村一樹)に試験を受けさせることに。
 さらに、これを絶好のチャンスと考える男がもう一人いた。それは、人事部に配属されながらも、ろくな仕事を任されない友彦だった。このことを知り、人事部の2人は急に友彦を応援し始める。「友彦がロンドンに行けば、妻のあずさはきっとついて行き、満帆を辞めるに違いない」と考えたからだ。かねてからショムニのメンバーを何とかして辞めさせたいと考えている寺崎と岡野(正名僕蔵)にとっては、友彦には何としてでもロンドンに行ってもらわなければならなかった。
 一次試験の結果が発表になった。右京、梅、そして神谷の名の次に友彦の名。これを見たあずさは「私の気持ちも知らないで!」と、一切相談せず試験を受けた友彦に激怒する。友彦はあずさを驚かせたい一心で試験を受けたのだが、あずさは聞く耳を持たない。ついには「離婚だ」と騒ぎ出した。「女に二言はない」と離婚届まで用意し、意地を張るあずさに、友彦も何も言えない。出番を感じた千夏は「意地を張るのは結構。でもそれってそんなに大事なこと?大事なものをなくしてまで貫くこと?」とあずさに迫った。
 しかし、そんな中、ついに友彦のロンドン行きが決定してしまう。
 ちなみに右京は社内の新しいプロジェクトに取り掛かっているため、2次試験を辞退していた。勝手にがっかりする美園・・・。
 さて、ロンドン行きが決まった友彦は早速、森口グループの社長に会うことになった。社長室で前川(升毅)らとともに、森口社長といよいよ契約を結ぼうとしたその時、友彦は急に「辞退します」と言い出す。人事部は必死に止める。そこに「何であんたはいつもそうなの!?」とあずさの声が響いた。あずさは辞表を持っていた。「私が辞めてついていくから、あなたはロンドンに行って!」と言うあずさに、「君は会社を辞めてはいけない。自分の好きなことをしている君が好きだから」と答える友彦。意地を張っていた2人はとうとう本音で話し始めることが出来たのだ。
 そんな2人のやり取りを聞いていた森口グループの社長は、「家族を大事にしない人物はいい仕事が出来るはずがない」と友彦を高く評価する。結局、友彦のロンドン行きは再び決まり、あずさはショムニに残ることになった。
 友彦がロンドンに旅立った後の庶務二課では、あずさ以外のショムニーズが、相変わらずエステマシーンを自己流に使いこなしながら女磨きに精を出していた。なぜかパソコンに向かっているあずさに千夏は「本当は私達と一緒にいたかったんでしょ??」と迫るが、あずさはもちろん否定する。
 あずさはパソコンに大きく描き出された“I LOVE YOU”の文字と2人の写真に魅入っていたのだ。呆れるばかりの千夏たちだったが、何だか楽しそうな6人だった。

<第9回> 「OLデカの迷推理」
 満帆カンパニーの各部署から悲鳴が聞こえた。荒らされたオフィスに立ちつくす海外事業部の右京(石黒賢)。呆然とする秘書課の美園(戸田菜穂)。そして、人事部では、寺崎(高橋克実)が「警備は何をしてるんだ!」と怒鳴っている。
 そんな警備課の神谷は会社のロビーで、海外事業部の三田村(相島一之)に忘れ物を届けに猛スピードで、走って、飛んでいた。それを見て、感嘆の声をあげている警備会社の榊(伊集院光)は、何としてでも満帆と契約したい、その話を人事部に言ってくれと神谷に頼み込んでいた。
 そのころ、庶務二課では、千夏(江角マキコ)を中心に、リエ(高橋由美子)、梅(宝生舞)、佐和子(京野ことみ)、佳奈(櫻井淳子)、あずさ(戸田恵子)らは、前夜のサスペンスドラマ「焼き肉デカ」の話題で盛り上がっていた。
 「相変わらず脳天気ね」と、やって来た美園からイヤミを言われながらも“社内荒らし発生”の話を聞いた途端、千夏の瞳が輝いた。各部署の調査から、犯人は重要書類などには目もくれず、高級ワインのロマネコンティを飲みながら、キャビア、フォアグラなどの高級食材で空腹を満たし、デザート、コーヒーまで飲んでいたという。犯人に直接結びつく“物証”として、外国製のタバコの吸い殻とボタン、ハンカチが見つかった。
 千夏たちは、夏休みで警備課が人手不足なことから、神谷と共に社内荒らしの捜査をすることになった。というか、勝手に刑事気取り。千夏は勝手に他の5人にニックネームをつけ、自分のことを「ボス」と呼ばせ、相当やる気マンマン。
 と、リエが「天から災いが・・・」といつもの一言。するとその通り?地震がきた。さらに、その直後、前川社長に赤い防火バケツが落ちてきた。が、そのバケツは寺崎に当たり、寺崎は入院することになってしまった・・・。
 ショムニが社員たちに対して調べたアリバイの方は、「右京にフラれ、ひとり映画を見て、牛丼を食べた」と美園がイヤイヤ白状したぐらいの収穫しかなく、社員は全員シロということに。ただ、聞き込み情報として「社内で熊を見た」「関取がいた」があり、犯人は相当の巨漢のようだ・・・。
 「前川社長襲撃捜査本部」の看板を掲げた千夏たちの捜査は続く。「会社は狙われている」などの怪FAXも届くようになり、「社長に密着警備しろ」と千夏に命じられた神谷は、前川に徹底密着。トイレにも同行し、どこでも前川と同席する。ついにある打ち合わせの席で、満帆の競争相手の順風商事の重役や建設会社の大物までボディチェックをし、怒らせてしまう始末。しかし、その打ち合わせの席で漏らしたある一言がきっかけで、相手会社の重役に知識の広さや深さを買われ、「お前は警備には向いていない」と前川が判断し、突然、海外事業部に異動させられた。しかし、警備員としての仕事に誇りを持ち、愛してやまない神谷には不満だった。
 そのころ、榊は「ウチの警備なら万全です」と、寺崎がいない人事部の岡野(正名僕蔵)に必死に売り込んでいた。さらに、海外事業部に異動し、スーツを着ている神谷を呼び止め「ご栄転おめでとうございます」とゴマをすることも忘れない。しかし、神谷はやはり何かが違うと感じていた。
 ショムニの刑事気取りの犯人探しは続いていた。社内をウロウロしていると、そこには関取張りの巨漢、榊の姿が。あまり社内では見かけないが、相当目立つ彼の風貌に注目している時だった。彼がハンカチを出し汗をぬぐった。見覚えのあるハンカチ・・・。尾行してみると、彼自身のパソコンから怪FAXを送っている。さらにカバンにはあの外国製のタバコも・・・!そんな時、榊が尾行に気づき急に走り出した。追うショムニ、逃げる榊。やっとつかまえたが、榊のカバンが放り出されてしまう。そこには前川の姿が・・・。危機一髪のところで、なぜか神谷が飛び出してきて榊を取り押さえ、さらに前川も救うのだった。神谷は犯人のことが気になって、重要な会議を抜け出して満帆に戻ってきたのだ。
 その姿を見た前川は「すぐに警備課に戻るように!」と再度発令する。神谷は、念願の警備員に戻れたのだった。


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