あらすじ
<第10回> <第11回> <第12回>

<第10回> 「女の価値は男の数」
 とある店で、千夏(江角マキコ)、リエ(高橋由美子)、梅(宝生舞)、佐和子(京野ことみ)の4人が合コンをしていた。それなりに盛り上がっていたが、相手の男4人が一斉に「トイレ」と言って席を立った。しかし、その4人が向かったのは隣の部屋。そこには美園(戸田菜穂)ら秘書課の4人がいた。しばらくすると男たちは、またまた口実を設けて席を立ち、別室へ・・・。
 なかなか戻らない男4人を探しに部屋を出た千夏らと美園たちが、店内でバッタリ鉢合わせをする。すると、男たちは、この2人よりずっと若いピチピチの4人組の女性に囲まれ、楽しそうに盛り上がっていたのだった・・・。
 数日後、満帆カンパニーの社長室で右京(石黒賢)が前川社長(升毅)に力説していた。「このワイナリーのワインは、本国イタリアでも評判が高く、しかし日本ではまだ正式に輸入されてなく・・・」。右京の話を聞き、テイスティングした前川は、味にも納得し、日本での独占輸入契約を結ぼうと決断し、万全の作戦を練るように命じた。
 一方、合コンで惨めな気分にさせられた千夏と美園はヤケ酒で飲み比べをし、当然、次の日には二日酔いになる。その2人の前に、合コンで男をさらっていった4人組が現れた。満帆カンパニーでただ今“売り出し中”の営業二課の4人組の“営業娘。”通称“エームス”たちだった。
 エームスたちは若さを武器に、相手に取り入り、難しい契約や融資の取り付けに成功し、いまや男性社員たちの憧れの的だった。その活躍ぶりは寺崎(高橋克実)さえも、昇進や報償アップを考えねばと言い出すほど。それを鼻にかけてエームスたちは「女の価値は男の数で決まる」と豪語していたが、千夏は、営業二課の男性社員たちのヒソヒソ話から、エームスたちが、課内で浮いていることを見逃さなかった。
 そんな時、右京たちは入手が難しいワインをそろえ、ワイナリーのオーナーを現地・イタリアから招いてイベントを開き、独占輸入契約を有利に運ぼうと計画した。そのイベントの一環として千夏たちは、千羽鶴、いや十倍の「万羽鶴」を折らされることに。そんな仕事をしている千夏たちを、エームスたちは冷ややかに見つめ、挑発するような発言を連発。さらに秘書課の美園たちにも「おば様方」と呼ぶほどいい気になっていたのだった。
 社内では、昇進、昇級が発表になった。しかしそこには、営業二課の男性社員の名はあるが、エームスたちの名はなかった。その結果を見て「辞めてやる」と言い出すエームスたち。自分たちの“活躍”が評価されていないことに怒りを覚えるのだった。
 一方、入手したイタリアワインが空輸トラブルで、日本に届かないことになった。エームスたちは「私たちに任せて」と、自分たちを見くびった満帆に思い知らせてやろうと秘策を考え出した様子。千夏に対して「ウチらみたいに会社の危機を救うみたいな仕事は、ショムニには出来ないですよねぇ」と相変わらず挑戦的な態度を取る始末だった。
 エームスたちは、かつての合コン相手の一流会社の男たちに電話をかけ始め、ワインを用意してくれるように頼み始めた。その結果、期日までにワインを用意できることになったエームスたちは鼻高々であった・・・。
 そしてワインフェア当日。500本のワインを用意できたと豪語するエームスたち。しかし、肝心のワインは見当たらない。スタッフの人間に東山(有坂来瞳)が確認すると、なんと1本しか届いていないという。緊張が走る一同。焦ったエームスたちは携帯電話を取り出し、確認しだすが、相手は冗談だと勘違いしていたり、日にちを間違っていたり、とどれも本気でワイン集めに徹していないようだ。
 その様子を見ていた千夏は、「『女の価値は男の数』は確かに間違っちゃいないけど、残念ながらお子ちゃまには意味が解っていなかったみたいだねぇ」と一喝する。すると、千夏の行きつけの居酒屋のマスター“阿部ちゃん”を始め、後から後から飲み屋の店長たちがワインを抱えて会場に入ってきた。「ちなっちゃんの頼みだったら聞かないわけにはいかないからなあ」。口々にそう言いながら、彼らはあっという間に高級ワインを持ってきてくれたのだ。「いくら数こなしたって、その男達に愛されていないと意味がない。あんたに愛がないと愛されるわけがない」と東山に言い放つ千夏。東山、エームス一同は立ち尽くすしか術がなかった・・・。
 さて、オープニングに使う万羽鶴の準備に移ろうと、塚原に号令をかける千夏だったが、「ああ!・・・・・・忘れましたあ?」という佐和子の一言で、すっかり立場をなくしてしまうショムニだった。

<第11回> 「モテる男の大失態」
 満帆カンパニーでは、受付嬢らが雑誌を開いて何やら話をしている。その雑誌には、右京(石黒賢)が「今、もっとも注目するビジネスマン」として、大きく写真入りで取り上げられていた。「ビジネスで大切なことはチャンスを待つのではなく、自分でつかみにいくこと」。右京は、自信にあふれた言葉で主張している。そんな右京の周りは、雑誌を持った女子社員たちでごった返していた。
 そのころ、庶務二課では、千夏(江角マキコ)らが「まずい・・・」と頭を抱えていた。佐和子(京野ことみ)が、右京が載った雑誌をうれしそうに持ってきても、「右京、右京とうるさいよ!」と、あずさ(戸田恵子)に一蹴されるほどイラついている。それもそのはずで、千夏たちは、夏休みにカードを使って遊びすぎたため支払いが滞り、このままではカードが使えないという危機に迫られていたからである。そんなショムニたちに井上課長(森本レオ)は、「そろそろバザーなんですがその準備を・・・・・・」と呼びかけるが、とりつくしまがない。
 と、突然あずさが「ひらめいた!」と叫んだ。ある雑誌で「さわやかスマイルコンテスト・スーツの似合う男部門」の募集があり、グランプリは賞金100万円!「右京を隠し撮りして、借金返済だ」。千夏の一声で、いつものように一同やる気になる。
 一方、右京は、突然山下(井田國彦)という男の訪問を受けた。「あなたのような人と仕事がしたかった」と、雑誌の右京の発言が気に入ったから訪問したと妙に言葉巧みな山下。山下の“仕事”の話とは、古いソフトを1000本抱き合わせという条件で、人気のゲームソフトの最終シリーズを10万本契約するというまずまずの話。右京は「大きな利益になります」と自信を持って前川社長(升毅)に進言、もちろん前川も「君に任せる」と即断即決するのだった。
 そんな中、千夏たちの「右京盗み撮り作戦」が始まった。ところが、「今だ!」と、千夏が声をかけると、右京との間に神谷(沢村一樹)や、寺崎(高橋克実)、美園(戸田菜穂)らが入り、なかなかうまくいかない。「邪魔はあんた!」と言う千夏の言葉がむなしく響くばかりだ。千夏らの頼りは「黄金の箱が見えます」という相変わらずのリエ(高橋由美子)の一言だった。
 右京は、再び訪れた山下と正式契約にこぎつけた。ところが、山下が茶をこぼし、右京が席を立ったほんの一瞬の間、山下は右京が確認した契約書を別の契約書にすり替えてしまう。そうとは知らずに右京は、前川のサインをもらい、それを山下に渡し契約は成立するのだった・・・。
 数日後、ゲームソフトが満帆カンパニーに届いた。もちろん売れるメドのない古いソフトばかりである。苦情を言いに右京が山下を訪ねると、山下は「私は、あなたのせいで、昔苦い汁を吸わされた。やっと、その復讐ができた。契約は、契約です」と態度を一変し冷淡に言い放つのだった。
 今まで全てにおいて順風満帆だった右京に対し、寺崎は「会社に損害を与え、処分モノだ」と騒ぎ出す。海外事業部長(市川勇)は「ミスはだれにでもある。みんなで取り返そう」と右京を慰めるが、頑なに右京は「自分の失敗は自分で埋める」と拒む。そんな右京に海外事業部のメンバーも呆れ果て、「勝手にしろ!」と三田村(相島一之)もさじを投げた。
 古いソフトをどんなところも受け入れるわけはなく、売れるメドも立たなかった。佐和子や美園が優しく声をかけても「ほっといてくれ!」と怒鳴り出す始末である。佐和子は「どうして何でも一人でやろうとするんですか?今の右京さんは私の好きな右京さんじゃありません!」と一喝してしまう。
 と、そんな時バザーが始まった。右京は古いソフトを山積みにして売り出すが、さっぱり売れない。焦る右京。そんなとき、佐和子が大声で客を呼び込み始めた。「あたしも手伝います!・・・やっぱり、迷惑ですか?」と尋ねる佐和子に、「いや・・・・・・手伝ってもらえるかな?」と笑顔で返す右京。しかし半額にしても売れない。そこで千夏が「売れないならタダであげちゃえば?」と言い放つ。「やれることは全部やったんだろ?ならさっさとあきらめてさ、きれいさっぱり終わらせなよ」。・・・右京はなにか決意したようだ。「どうぞ、無料です・・・・・・どうぞ」と集まってくる人々に、ソフトを渡していった。
 右京のことが心配だったのか、三田村も、中林も部長もバザーに来ており、その様子を見て驚く。タダで配ったりしたら利益が全くなくなってしまう、と心配する部長らに対し、右京は動じる様子はない。そんな様子を見ていた山下は「ヤケになるなんて、敗北を認めたということですか?」とイヤミを言うが、右京は「自分が失敗したことを認めたくなくて仲間に迷惑をかけてしまった。だから、このソフトを処分します。あなたには感謝しています。今回のことで僕は大切なことがわかりました。」と堂々と言い放った。そのやり取りを聞いて、海外事業部のメンバーは次々とソフトを配り始めた。右京、相当うれしい。
 その時だった。ソフトを手にしたある父子。「懐かしい!」という父親の言葉に子どもは「これ、おもしろいの?」と興味津々。「昔のゲーム機がないとできないけど、夢中になってやったよ」という父親の言葉に反応する右京たち。右京は何かひらめいたらしく突然走り始める。満帆の倉庫にそのゲーム機があったことを思い出したのだ。リエが言う「黄金の箱」とはこのことだったのだ。
 さっそく1万円で売り出すと、再び客が集まり始め、次々と購入していった。それを見て動揺する山下。そんな彼に千夏は「卑怯な手を使って勝ったつもりだったみたいだけど、残念だったね。あんたの負けだよ」と言い放つ。「ただ運がよかっただけだ!」と悔しがる山下に「運も実力のうち。チャンスは自分の力でつかみとるもんだ。失敗しても、それを乗り越えて次のチャンスをつかめばいいんだ。大きなビジネスチャンスを逃したようだね」と、とどめをさす千夏だった。
 笑顔の右京。千夏はすかさず神谷に右京を撮るように命じる。爽やかな笑顔の右京の写真撮影は大成功・・・・・・!のはずだった。さっそく応募しようとあずさが雑誌を開くと「・・・ダメかもしんない」という一言。その雑誌はなんと昨年発行された雑誌だったのだ。

<第12回>「解散!!庶務2課」
 寺崎(高橋克実)が社長室に駆け込んでいるとき、庶務二課でも大変なことが起こっていた。
 寺崎の話は、満帆カンパニー存亡の危機。話を進めていたアメリカのマンハッタン製薬が、満帆の不明朗な賄賂攻勢を理由に、契約したくないといってきたものだった。
 一方、ショムニの一大事は、以前から千夏(江角マキコ)が申し込んでいた、テレビ局の「48時間テレビ?愛は魂を救う」という番組の中の一大イベント、「20人21脚競争」の参加許可がテレビ局から下りたことだった!その競争に優勝すれば、賞金は1000万円で、20人で割っても一人50万円、ガ然やる気になった。ところがその競争は、社長も参加することが条件だった。
 佳奈(櫻井淳子)がいるから、と安心する千夏たちだが、その佳奈は、前川(升毅)に「今夜は無理」とあっさりふられてしまった。満帆カンパニーの存続のことで、前川は頭がいっぱいだった。
 社内報などを使い、20人21脚競争の参加者を集めだした千夏ら。その前に現れた美園(戸田菜穂)は「なんて脳天気なの!?今、会社存続の危機なのに!」と一喝し呆れ果てる始末。その後、前川を始め、右京(石黒賢)、海外事業部長(市川勇)らの話を立ち聞きした千夏は事の深刻さに気づくのだった。
 マンハッタン製薬が契約を断って来たのは、5000万円の金の動きだった。製薬会社は賄賂と受け取っていた。
 こんな時に「参加して」と言うなんて無理か・・・と千夏が感じ始めたとき、リエ(高橋由美子)が、いつもの予言を。「別れの相が見え、仲間の絆が崩れていく」というものだった。「それって、庶務二課の解散!?」と佐和子(京野ことみ)が、口にした時だった。テレビのニュースで満帆の不祥事が伝えられ、株価が暴落し始めた。
 前川は直接マンハッタン製薬に掛け合いに行くと言いだし、間もなく、前川の親友の富田(佐野史郎)が、前川の社長代行として満帆に乗り込んできた。前川は富田を親友として全幅の信頼を寄せており、招聘したのだった。
 前川が米国に向かうと、富田流の改革が炸裂し始めた。社内には必要ないと、まず、庶務二課が槍玉にあがる。その結果ショムニは解散させられ、あずさ(戸田恵子)は食堂に、リエは受付に、佐和子は警備課に、佳奈は海外事業部に、外国語が堪能の梅(宝生舞)は人事に、井上は営業へ、と嫌がらせの人事が行われた。それはもちろん寺崎の画策で、千夏が配属になったのは、ライバル美園らのいる秘書課だった。
 そんな矢先、井上には食品会社への賄賂攻勢疑惑が持ち上がった。これをきっかけに、井上は失跡してしまう。それをきっかけに、海外事業部の三田村(相島一之)、食堂のおばちゃん、神谷(沢村一樹)ら、さらに、右京、美園たちも無期謹慎と処分が出た。
 どうやら満帆をカギ回る記者・青木(吉田朝)が何故か何かカギを握っているらしい。そんな青木は、記者会見で、前川社長の退陣も迫った。そこで、千夏が立ち上がった。


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