あらすじ
<第4回> <第5回> <第6回>

<第4回> 「夢か男か梅の初恋」
 庶務ニ課で、突然大音量のベルが鳴り出した。そのベルの正体は、16カ国目の習得をめざす梅(宝生舞)のインドネシア語講座の開始時間を知らせるものだった。そんな梅に「花の20代を仕事に費やすより、男とつき合う方がよっぽど有意義」と千夏は冷ややかに言い、皆も同感の様子。
 一方、G&S満帆カンパニーでは、相変わらずリストラが進んでいた。その一つに満帆卓球部の廃部があった。部員の一人、岩田(山本耕史)は、ゴミ回収係を命じられ、会社裏の集積場で黙々と作業着姿で働いていた。辛い職場に配属して、辞めさせるという寺崎部長(高橋克実)ら人事部の陰謀でもあった。
 ショムニにもゴミがたまりだし、佐和子(京野ことみ)と梅が、ゴミを集め、会社裏の集積場に持っていくと岩田が現れた。ゴミ回収も岩田の仕事。「困ります。ちゃんと集めて下さい」と、梅が岩田に文句を言った途端、山積みされた段ボール箱が崩れてきた。するとすかさず、岩田は、梅に抱きつき、落ちてくる段ボール箱から梅を守った。突然の出来事に、何を言っていいのかわからない梅は「触らないで下さい!」と語気を強めるしかなかった。しかし、このハプニングは、梅の恋の始まりでもあった・・・。「元卓球選手がゴミ回収なんてね・・・」など、千夏らが、何か会社の陰謀のようだと話していても、梅は上の空。そこへたまたま岩田が現れると、梅は壁にへばりつき表情を変える。この梅の不審な行動に、千夏は「・・・恋だな」と直感!
 そのころ社長室では、前川(升毅)が、寺崎らに、新規契約のため、相手に対し「あと、ひと押しが欲しい」と相談していた。それなら「サッカーのインターナショナルカップのチケットが一番」と寺崎はヨイショ。ところが、このチケットは、入手の難しいプラチナチケットだった。
 梅の恋に気づいた千夏は「4年間何もしなかったらこうなる」と佐和子を見ながら、梅をけしかける。ショムニの面々は、さまざまな告白のアイデアを出すが、梅は今ひとつ乗り気になれない。「食事してワイン飲んで、好きですって言えばいいの!」。あずさ(戸田恵子)の言うとおり、梅がドキドキしながら試してみると、なんと、岩田は簡単に乗ってきた・・・!ところが、その大事な夜、岩田は寺崎からプラチナチケットの入手を命じられ、徹夜で発売窓口に並ぶことになってしまったのだ。ディナーは、高級料理・・・のはずが、ハンバーガーになってしまったが、一緒に岩田と夜を明かすことができた梅は幸せだった。告白こそできなかったが・・・。
 ところが、岩田が苦労して入手したチケットがなくなってしまう。寺崎や岡野(正名僕蔵)は、自分たちがよく確認せずに捨ててしまったのに、「岩田のせいだ。責任取って辞表を出せ」と騒ぎ出す始末。「それなら辞めます」と言い出す岩田に、梅は「辞表を出したって責任をとったことになりません!こんなことで会社を辞めていいんですか?」と岩田に迫り、ゴミの山に立ち向かってチケットを探し始めた。そのころ、岡野の元に不審なバイク便が届いたのを千夏は見逃さなかった。実は、寺崎と岡野がチケットをクラブに忘れてきており、それを届けに来たバイク便だったのだ。そんなこととは知らずに、探しつづける二人。梅は疲労のせいか、息を切らしフラフラしている。そんな梅を岩田が心配すると、「私は・・・ゴミの調査をしているだけです」と意地を張る梅。岩田は梅を見つめた。
 何とかチケットを手に入れた人事部の二人は、意気揚々と前川社長の元へ。「もう大変でしたよ?」と自慢気な寺崎に対し、「・・・これを手に入れるのがそんなに大変だったのか?」と前川が差し出した封筒の中に入っていたのは、わんぱく動物王国の割引券!!・・・するとそこに、息を切らして走ってくる梅と岩田。「なくしたチケット、見つけてきました」と岩田は自信に満ちた表情でチケットを前川に渡した。「社員として当然のことをしたまで」とあくまでクールな前川だが、岩田のことを見直した様子だった。と、突然、疲労困ぱいした梅がその場に崩れる。「大丈夫ですか?」と思わず岩田に抱き上げられ、照れまくる梅。そしてドアの外には意味深な笑顔の千夏。
 「いいですよねえ。ステキな彼氏ができて」と本気でうらやましがる佐和子に、「普段の行いがいいから」と余裕の笑顔で返す梅。勝ち誇っている。しかし、リエ(高橋由美子)が「不吉な影が・・・来た」と言った途端、ゴミ回収係のおばちゃんが入ってきた。「岩田さんは?」。梅が出て行く。そして追う千夏・・・。ゴミ集積場に駆けつけると、そこには岩田の姿はなく右京の姿が。「岩田は辞表を出したよ。卓球選手としてもう一度一からやり直したいって、故郷に帰った」という右京の言葉に、絶句する梅と千夏。
 庶務二課では、また大音量のベルが鳴ったが、梅は無表情でベルを止めた。右京から岩田の出発時刻を教えてもらったという佐和子の話にも耳を貸さない。「やっぱり、恋愛なんて時間の無駄だったんです」とヤケになっている梅に、「恋愛は自分を変えることができる唯一のチャンスなんだよ!」と千夏は啖呵を切る。そして、塚原が「東京駅17時発の長距離バスです!」と出発時刻を告げると、「梅!」千夏の呼びかけを合図にして、梅は立ち上がって駆け出していった・・・!
 走る梅。バスを待っている岩田。バスが到着し、いよいよ岩田が乗り込もうとしたとき、「待って!」と梅の声。息切れしている梅は、次の言葉を発することができない・・・。すると、「あなたのおかげです」「え?」「あなたがあきらめるなって言ってくれたおかげで僕はもう一度夢を持つことができました。オリンピックに出る夢、追いかけてみようと思います。満帆カンパニーで、最後にあなたと一緒に仕事ができて・・・・・・あなたと会えて、僕は・・・・・・」。岩田が一気に思いを告げると、「・・・・・・私は社長になります、自分の会社を作ります。だからあなたも夢をかなえてください。絶対に。約束です」と梅は小指を出した・・・。
 バスのドアが閉まり、エンジンがかかる。バスに乗り込んだ岩田が梅を見る。すると「・・・・・・好きです」。梅が思い切って告白した。「私は、あなたのことが大好きです!」と大声で叫ぶ梅。しかし、岩田には聞こえないようだ。梅は笑顔を作って手を振る。すると、岩田も笑い、手を振り返す。
 バスが発車し、遠ざかっていく。バスが見えなくなると、手を振りつづけていた梅が力なく手を下ろした。「大好きって・・・・・・あきらめないで言ったよ」。そう言う梅に「今日のあんた、すごくいい女だよ」と千夏。微笑みあう二人。「当たり前です」いつまでもバスを見送る二人・・・。
 庶務二課に梅がいない。やはり岩田のことがショックで・・・?と心配するショムニーズだが、そのとき、両手に重そうな紙袋を持った梅が現れた。中身は新しく学ぶ外国語のテキストだという。「未来の経営者として、語学の習得は当然の義務です」と言い放つ梅に、笑顔のショムニーズ。
 そのたくさんの語学本の中にはさりげなく卓球の本が混ざっていた。

<第5回> 「満帆査定ボウル!?」
 今年も社内ボウリング大会の組み合わせ抽選会が開かれた。優勝賞品は香港グループ旅行が賞品ということで、抽選のときから社員全員気合が入っている。
 抽選の結果、千夏(江角マキコ)が人事部の岡野(正名僕蔵)と、リエ(高橋由美子)は神谷(沢村一樹)と、梅(宝生舞)は海外事業部の中林(櫻庭博道)、佐和子(京野ことみ)は井上課長(森本レオ)、そして佳奈(櫻井淳子)は以前から佳奈とのペアを熱望していた海外事業部の三田村(相島一之)と、あずさ(戸田恵子)は海外事業部長(市川勇)、と決まった。
 3年連続で右京(石黒賢)とペアを組み優勝をさらっていた美園(戸田菜穂)は今年も、右京と組むことになったが、千夏が気になっていた。なぜなら、千夏は“幻の天才ボーラー”と異名を取りながらもこれまで大会出場を拒否してきたからだ。しかし、今年は初めて出場を申し込んできており、気になる存在になるのも無理はない。
 しかしそのころ、庶務二課では「私は申し込んだ覚えはない!」と勝手に申し込まれた千夏の怒りの声が・・・。優勝すれば香港に行けると説得されるが、真っ先に食いつくはずの千夏がいつもと違い、どうも歯切れが悪い。そんな千夏にリエが「圧倒的な実力差でナンバーワン。運命のビタミン剤が見える」と告げ、千夏の勝利は決まったようなものだった・・・!?
 ショムニの面々が掲示板を見ながら「そう言えば千夏と組む岡野って?」と話していると、その張本人の岡野がハンバーガーを食べさらに本を読みながら廊下を歩いてきて壁にぶち当たった。実は岡野は、そのドジさから海外事業部から人事に異動になった男だった。
 「放っときゃボーッとしてるし、しゃべらせれば一言多い・・・」。寺崎(高橋克実)から岡野が小言を食らい、岡野は無関心を装っているところに、「東日本製薬から苦情が来ています」と秘書課から連絡が入る。大切なチラシに単純な文字の変換ミスがあったというのだ。さっそく詫びに出かけた岡野だが、ライバル会社の栄養ドリンクを手みやげに持参し、さらに東日本製薬の怒りを買ってしまう。
 一方、岡野が落としたボウリングのスコアカードから、岡野が相当の腕前と知った千夏は、「優勝」「香港旅行」の文字がちらつき、ボウリングの練習を始めた。ボウリング場にファッションもバッチリ決めて颯爽と現れた千夏は、「プロかしら」なんて声をよそに第一投。もちろんフォームも力強い。ところが、ボールはピン直前でガーター溝へ。新潟の実家がボウリング場の隣りだったというだけで、“幻の天才ボーラー”呼ばわりされていた千夏は実はボウリングの腕前には自信がないのだった。
 「またガーターパーフェクトか」なんて声も飛ぶなか、千夏は離れたレーンで黙々と練習をしている岡野に気づいた。「一杯やろう」と誘うと、岡野は飲みながら日ごろの仕事の不満をタラタラと話し出して荒れる始末。千夏はもちろんウンザリ。「酒がまずくなる」と飲み代を岡野に払わせて、さっさと帰ってしまう。しかし岡野は二日酔いで翌日の東日本製薬への謝罪をすっぽかしてしまった。
 満帆カンパニーでは東日本製薬と新たな事業展開を進めていた。その話が、岡野のせいで破綻しそうな勢いである。岡野のクビが危ない。ボウリング大会の出場も危ない。しかし、肝心の岡野は「自分はエリートの海外事業部出身で、先方の専務にも信頼を置かれている」とプライドばかり高く、反省していない様子だ。たまりかねた寺崎は「この際言っておく、君は使いものにならないと海外事業部で判断されたんだ。それを僕が救ったんだ!」とつい岡野を怒鳴ってしまう。さらに、このピンチを右京に救ってもらおうとしている現状もあった。岡野は初めは信じられないという表情だったが、次第に何かに気づいたようだ。その様子を千夏が見ていた。
 どうすることもできず会社を辞める覚悟を固めた岡野。「虚勢を張っていただけで本当は何の能力もない男だって、今日思い知らされました」とまたしてもグチる岡野に、千夏は「努力してハッタリに追いつけばいいじゃない。男ってそういうモンでしょ?」とゲキを飛ばす。その言葉に触発されたのか翌日、東日本製薬に岡野の姿があった。専務につき返されても土下座して引き下がらない岡野。そんな岡野に対して、専務は嫌がらせとも取れるような注文を出す。途方にくれながらも、専務に言われたとおり大量のビタミン剤を移動する作業にとりかかった。
 専務が外出先から帰ってきても、岡野は作業を続けている。半ば呆れていたところに、寺崎が現れ、一緒に作業を手伝い始めた。右京に一任するのではなく、1年間仕事のパートナーを組んできた岡野を見捨てることはできなかったのだ。その熱意に専務は負けた。やはり満帆カンパニーとパートナーを組みたいと言ってきたのだ。これで岡野のクビはつながり、無事にボウリング大会に出られることに・・・!
 そして、ボウリング大会当日。始球式は前川社長。満を持して投げたそのボールはガーターだったが、とにかく大会は始まった!それぞれがそれぞれの思いとともにボールを投げるが、千夏はなかなか投げようとしない。みんなの注目が集まったその時、いよいよ千夏の第一投・・・!「右に曲がるな、右には・・・」と祈る千夏の願いもむなしく、やはりボールはガーターに。「何でだよ!」逆ギレする千夏だった。

<第6回> 「VSフクニ歌合戦!?」
 「丸の内コーラスコンクール」のポスターを手に、出場する気満々の千夏(江角マキコ)だが、ショムニの面々は誰も関心を示さない。しかし千夏の「優勝すれば賞金300万円!リッチな夏休み!!」の声に5人の目の色が変わった。 さっそく、発声練習。「あ?」「あ?」「あ?」・・・少しずつ音を高くしていく6人だが、聞くに耐えない声に、千夏以外の5人は耳を塞ぐ。なぜか千夏だけは「いける!」と自信満々。その根拠は??そんな千夏にいつものように引っ張られていく5人だった。
 社内のサークルとして登録すれば、練習場所が確保できると神谷(沢村一樹)から聞いた千夏は、担当の福利厚生二課(通称・フクニ)に出向き、手続きを取ろうとするが、神谷は「フクニの君島波子には気をつけろ」と忠告をする。
 フクニは定年間近の社員が配属されていることで知られる課。「どんなおばあさんだろう?」千夏や梅(宝生舞)、佐和子(京野ことみ)らが、フクニに出向くと波子(宮路雅子)はキリッとしたやり手に見える女性だった。なぜフクニに配属?千夏たちに疑問が広がった。
 まずはコーラス部の登録をしたいと申し出ると、波子はすでにコーラス部があるので「第二コーラス部、“コラニ”ならいい」と言う。とりあえず登録をするショムニの面々。波子は社内でも“変わり者”として通っている「規則」にこだわる人物だった。
 さっそく部屋を借りて練習しようとすると、部費が払われてないので「部屋は貸さない」とダメ出しをする波子。それではと、部費を払おうとすると「規則で午後5時以降は金は受け取れない」と言い出す。
 結局、部屋を貸してもらえなかった千夏たちは、ハーモニーがダメなら得意の?悩殺ポーズで審査員の目をごまかすことも念頭に、外での練習に励み始めた。ところがそんな矢先、突然リエ(高橋由美子)の声が出なくなってしまった。出場者が6人いなければ、コンクールには出られない。考えこむ千夏に、リエは病院から「お金に気をつけろ」「部費に気をつけろ」と、いつものご託宣を伝えてきた。「お金?部費?なんだろう」。ショムニの面々は首を傾げる。
 「優勝すれば300万円」。大きく触れ回りながら人集めを始めた千夏たち。そんな姿に美園(戸田菜穂)らは当然冷たい視線。そのころ、寺崎(高橋克実)は、千夏同様に困っていた。コーラスコンクールの主催者が、新規契約を結ぼうとしている大手楽器店で、その社長のご機嫌を取るため、社内から必ず出場させると約束していたからだった。
 コラニがショムニーズなら、「コラ一(コライチ)があるはず」と思いついた千夏。そして寺崎もコーラス部の存在を思い出し、フクニに向かった。そこで分かった新事実!!なんと、コーラス部員は波子本人だったのだ。それもたった一人の。他の部員は結婚退社してしまったという・・・。「300万円のため」「会社の契約のため」と、それぞれ必死に波子に頼み込むが、もちろん波子は頑としてOKしなかった。
 そして数日後のこと。経理部員が、フクニへサークルの部費50万円を徴収にいくと、そのお金は忽然と消えていた。管理・保管は、波子が一人でやっていた。「・・・どうして!?」。波子は絶句するばかり。もちろん波子には心当たりはない・・・。波子を問い詰める人事部。「われわれが立て替えたから大きな問題にはならなかったけど、その代わりコーラスコンクールに出てもらいたい」と条件を出す。
 社内では波子に対するうわさで持ち切りだった。疲れた足取りで波子がフクニに戻ると梅(宝生舞)が経済誌を読み、あずさ(戸田恵子)が男性老社員と将棋を指し、千夏と佐和子が女子老社員に手芸を教わっている。お茶を入れていた佳奈(櫻井淳子)が波子に気づく。同じコーラス仲間として励ましに来た、と言うショムニだが、波子は「もしかして私を困らせるために、あなた達が50万円を盗んだのでは?」と言い出す始末。と、そこで「消えた部費のヒントが見えた」というリエの電話が・・・。そのヒントとは「捨てられた夏の思い出が見えます」というものだったが、それ以上は分からない。
 そのころ人事部では波子のコーラスコンクール出場は間違いなし、と勝手に大喜び。しかし、サークル名簿のファイルから部費が入った封筒が出てきて驚く2人。大慌ての2人だが「このまま君島波子のせいで押し通そう」と隠してしまった。
 一方、ショムニの面々は、「捨てられた夏の思い出」というキーワードをもとにゴミ箱の中を漁っていた。虫カゴや花火セットが出てくるが、それらからどのようにして部費にたどり着くのか、まったく検討がつかない。波子が通るが、「そんなことしても無駄よ」と歩き去ってしまう。そして、波子は人事部から「コンクール出場を条件に紛失金の責任は不問にふそう。行きたがっていた営業にも異動させてやる」と条件を出すが、波子は断った上、50万円を自腹を切って払ってしまう。お金の封筒を波子のポケットに入れながら慌てる2人を振り切って波子が社内を歩いていると、そこには千夏たちが。「そんなにくれるって言うんだから貰っておけば?そんなの渡すってことは噂どおりそいつが盗ったのかもしれないしさ」という千夏に対し、「フクニに来てからどんな規則も守ってきたのに、誰も信じてくれない」と言う波子。「信じてもらえないなら信じさせてみたら?」という千夏の言葉に動かされたのか、波子もゴミ漁りを始めた。・・・すると、ゴミの中から「高級クラブ夏の思い出」というマッチが出てきた。
 寺崎と岡野が高級クラブ・夏の思い出で飲んでホステスの名前を連呼していい気になっていると、そこにはショムニが・・・。逃げられなくなった2人は、部費が2人の手元にある理由を言わざるを得なくなる。さらに、波子の疑いを晴らすことを条件にする。波子はコンクールへの出場を決心した。
 そしていよいよコンクールの日。頷きあう波子と千夏。ピアノ前奏が始まり、千夏の合図に合わせて梅、佳奈、佐和子、あずさ、波子がコーラス合唱。なかなか見事なハーモニーだ。そして千夏が心を込めてソロ熱唱。・・・しかし、あまりの音痴にみんなが硬直した。千夏は音痴と気付かず、熱唱・・・!そこで、カーン!と退場の鐘が鳴る。「・・・何で?」。呆然と固まっている客席。そしてうなだれている満帆カンパニ―の社員の姿があった。
 翌日。波子に営業一課への異動の辞令が出た。フクニの女性老社員に祝福されながらうれしそうな波子。しかし「おめでとうはまだ早いよ。肝心なイベントはこれから」というショムニの言葉どおり、寺崎と岡野がやってきて「あれ?!?こんなところにお金がたくさん入った妙な封筒が!」と千夏の歌といい勝負の下手な小芝居を打ち、何とか波子の濡れ衣を晴らしたのだった。


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