第1回 2006年7月4日(火)放送 あらすじ

一人好きで悪いか

 とあるマンションのキッチン。男の手がステーキを焼いている。スパイスの使い方や肉のフランベ。決して器用ではないが、ある種の美意識を感じさせる一連の動作。男は建築家・桑野信介(阿部寛)。出来上がった料理を一口ずつ満足げに味わっていると携帯電話が鳴った。信介の事務所の助手・英治(塚本高史)が、今夜のパーティーを忘れていることを知らせてきたのだ。「古代ローマ人のパーティーってのは寝そべって、手づかみで食ってたらしいぞ。知ってるか」と話題を変えようとする信介。結局、信介はパーティーに顔を出したものの、出席者の女性にウンチクを散々語って避けられてしまった。「キャラ考え直さないと、孤独になりますよ」と英治に言われた信介は「一人が好きなんだ、悪いか!」と居直るのだった。
 後日、住宅プロデュース会社の摩耶(高島礼子)は、信介が手がけた建築途中の家に客を案内するが、ここでも信介の偏屈ぶりが原因で商談不成立。摩耶と英治は人当たりの悪い信介に呆れながらも、一方で、信介が手がける家族のぬくもりが感じられるキッチン中心の家作りを尊敬している。
 その夜、信介は自分で作ったオムレツで食事をしていると、隣の部屋からカップルのイチャつき声が聞こえてきた。気分を害した信介は聴いていたクラシックのボリュームを上げて『してやったり!』の表情を浮かべるが、とたん腹痛に襲われる。一方、「また!」とカチンと来て壁を見上げたのは隣に住んでいるOL・田村みちる(国仲涼子)。愛犬との癒しの時間を度々邪魔されていたみちるは怒り心頭。『今日こそは!』と信介の部屋の前に立ちはだかるが、音楽が終わって中からうめき声が聞こえてきた。行きがかり上、みちるが救急車で運ばれる信介に付き添うことに。
 信介は大学時代の友人・中川(尾美としのり)が副院長を務める中川医院に運ばれるものの、当の中川は留守。美人な当直医・早坂夏美(夏川結衣)はぶっきら棒な態度の信介にも顔色1つ変えずにテキパキと問診を終えると、「じゃズボンと下着、取って下さい」と一言。夏美が手に持つ怪しげな金属の物体を目にした信介はおずおずと「なんか、もう治ったかな…」と言い出す。「私は医者です。恥ずかしがることはないんですよ」と夏美に諭されても、「そういう意味じゃなくて…。とにかくもう治りました」と診察を拒否。結局その日は夏美の提案で検査入院することになる。
 翌日、すっかり調子を取り戻した信介は勝手に退院を決め込むと、病院の外で電話中の夏美に声をかけそびれ、夏美がお見合いを断ったことを聞いてしまう。思わず「結婚でお悩みのところ失礼」と声をかけてしまう信介。ムカッとしながらも医者の顔に戻る夏美。「もう若くないんですよ」と言う夏美に、「最近、何かトシを感じることでもあったんですか?」と不敵な笑みを浮かべた信介は、自分の下腹部を抑えて「俺の直腸ポリープは用がないと言っています」と言い放つと、その場を立ち去った。
 数日後の夜、中川とバーで落ち合った信介はふと、今日が自分の40歳の誕生日だと思い出す。中川と別れて部屋で1人、コンビニで買ったバースデーケーキを食べながら仕事をしていると、みちるの様子がおかしいと同僚・千鶴(SHEILA)がやって来た。信介は「何で俺が…」と言いながらも、ベランダ伝いにみちるの部屋に様子を見に行くと、部屋の中で倒れているみちるを発見。今度は信介がみちるに付き添って救急車に乗り込むことになり…。

キャスト

桑野信介 … 阿部 寛
早坂夏美 … 夏川結衣
田村みちる … 国仲涼子
村上英治 … 塚本高史
中川良雄 … 尾美としのり
中川圭子 … 三浦理恵子
吉川沙織 … さくら
金田裕之 … 高知東生
西村千鶴 … SHEILA
桑野育代 … 草笛光子(特別出演)
沢崎摩耶 … 高島礼子

スタッフ

■脚本
 尾崎将也

■演出
 三宅喜重(関西テレビ)
 小松隆志(MMJ)
 植田 尚(MMJ)

■プロデューサー
 安藤和久(関西テレビ)
 東城祐司(MMJ)
 伊藤達哉(MMJ)

■制作
 関西テレビ
 メディアミックス・ジャパン

バックナンバー