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<第1回> <第2回> <第3回> <第4回> <第5回> <第6回> <第7回> <第8回> <第9回> <第10回><第1回>
1994年春。出版社に勤める大海は35歳。5年前に転職して、憧れの今の仕事に就いたが、編集の仕事に自信をなくしかけていた。大海は私生活でも問題を抱えていた。車のセールスマン・慎一と不倫関係にあり、結婚は望めそうにもなかった。
ある日、大海がタクシーに乗ろうとすると、見知らぬ女性・奈緒が割り込んでくる。自己中心的な奈緒の態度に、憤慨する大海。その日の午後、大海は再び奈緒と出会い、不愉快な思いをする。二人はまだその時は互いのつながりを知らなかったが、奈緒は慎一の妻・久美子の姉だった。
失業中の奈緒は、久美子夫婦の家に転がり込む。<第2回>
2、3日の約束で、奈緒は腹違いの妹・久美子の家に転がり込む。息子・拓也の小学校受験を控え、神経質になっている久美子は、内心迷惑だ。
仕事で失敗続きの大海は編集部の後輩・正人を誘って、行きつけの居酒屋「プレイボール」に飲みに行く。すると、そこで偶然、奈緒と顔を合わせる。奈緒は見栄をはって、前に勤めていた一流商社の名刺を大海に渡す。
その夜、奈緒が帰宅すると、久美子が泣いていた。慎一が浮気しているという。慎一は否定するが、久美子は信じられず、夫婦喧嘩になる。拓也が傷つくのを心配した奈緒は、浮気相手と別れるよう慎一に忠告する。<第3回>
大海は来月号の企画を編集長の山崎に提出する。人気作家・馬場の連載小説だった。大海は山崎とともに馬場を高級クラブで接待し、連載の話を持ちかける。
そのクラブで、大海は奈緒と再び顔を合わせる。奈緒はその日入ったばかりのホステスだった。奈緒のことがますます嫌いになる大海。
奈緒は久美子からホステスを辞めるよう忠告される。が、35歳を過ぎた奈緒の就職先は、なかなか見つかりそうにない。
馬場が連載の話を承諾。喜ぶ大海に、山崎が見合いの話を持ちだす。
大海は自分には好きな人がいて、その人と結婚する予定だと告げる。<第4回>
大海は慎一と待ち合わせしていた「プレイボール」で、奈緒と会う。慎一は来られなかったが、大海は奈緒の意外な一面を発見して奈緒を誤解していたことを謝る。意気投合した二人は飲み明かし、互いによい友達ができたと喜び合う。
翌日、大海は慎一から突然、別れを切り出される。家族を捨てられないという慎一に、泣き崩れる大海。
大海は奈緒に失恋したことを打ち明ける。真面目そうな大海が不倫していたので、奈緒は驚く。
慎一の家に、無言電話がかかるようになる。受話器をとった奈緒に、慎一との不倫を告げる女の声が・・・・・・。
そんな時、大海が吐き気に襲われる。<第5回>
慎一との恋に破れ、仕事に身が入らない大海は、担当から外される。
慎一から大海に呼び出しの電話がかかってくる。嫌がらせ電話のことを責める慎一に、妊娠したことを告げる大海。
その夜、大海は「プレイボール」で泥酔する。奈緒がやってきて大海を慰める。が、大海が持っていた慎一とのツーショットの写真の見て、愕然とする。
久美子が慎一と別れると言い出す。女から妊娠を告げる電話があったという。奈緒は大海に慎一が義弟だと打ち明け、久美子を苦しめるのはやめてほしいと訴える。そして、大海の妊娠が嘘だと見抜く。
大海が自殺を図り、病院に運ばれる。<第6回>「さよなら、私の恋」
大海が自殺を図り、奈緒、慎一が病院へ駆けつける。まもなく、大海は意識をとり戻すが、慎一の謝罪の言葉は一切受け付けなかった。奈緒は慎一に本心を問いただす。大海の妊娠が嘘だったのを知り、大海をなじる慎一。奈緒は怒りを爆発させて、慎一の頬を平手打ちする。
慎一は久美子に土下座して謝る。が、久美子は離婚届けを残して、拓也とともに実家に帰る。奈緒も家を出て、ホテルに移る。
大海が退院。仕事に復帰する。編集長の山崎や正人は温かく迎えてくれるが、副編集長の典子や同僚のみどりは、露骨に嫌がらせをする。<第7回>「何でこうなるの!?」
大海が奈緒に別れを告げにくる。久美子のことを考えると、友達同士ではいられないという。
それからまもなく、大海のアパートの隣の部屋に、新しい住人が引っ越してくる。挨拶に来たその人を見て、大海は絶句。奈緒だった。奈緒も信じられない偶然に、二人のつながりを改めて意識する。
大海に人事異動の話が持ちあがる。編集部のお荷物扱いをされた大海は、退職を決意する。奈緒は久美子が離婚して新しい出発をしたことを告げ、大海も苦しみから逃げないよう元気づける。
勇気がわいてきた大海はもう一度編集部で頑張らせてほしい、とスタッフたちにアピールする。<第8回>「危険な買い物依存症」
甲府に住む大海の兄・悟朗が訪ねてくる。10年前、親の勧める縁談を断った大海は、勘当中だった。悟朗は年老いた両親と大海の和解のチャンスを作るという。
大海の父・清次が上京。大海はホテルのラウンジで清次と会う。奈緒は心配して、こっそり大海の後をつけていく。実は、その日は見合いが仕組まれていて、大海は代議士秘書・榊原を紹介される。怒った大海は奈緒を見つけると、「この人が私の恋人です」と言って、二人で手をつないで去っていく。
奈緒のアドバイスで、大海は「依存症の女たち」という企画を編集長に提出。採用され、大海は有頂天になる。<第9回>「ふくれあがった借金」
大海の部屋に、借金の取り立て屋のような柄の悪い男が押しかけてくる。奈緒が心配して大海を問い詰めるとヤミ金融に250万円の借金があるという。大海は買い物依存症の傾向があった。洋服ダンスの中には、値札のついたままの服やバッグが100万円分あり、大海はそれらを質屋に持っていってもらうよう正人に頼む。
それを知った奈緒は、正人のかわりに質屋へ行き、換金。25万円ほどにしかならなかったので、大海はがっくりする。
追いつめられた大海は、甲府の母に助けを求める。が、清次から、都合のいいときだけ泣きついてくるな、と改めて勘当を言い渡される。<第10回>「一人で苦しまないで」
味方だと思っていた母親に見放され、大海はショックを受ける。奈緒は何とか大海の力になりたいと思うが・・・・・・。
大海は依存症の企画の中止を編集長に申し出る。もっとじっくり取材をする必要を感じ、来月号には時間が足りないと頭を下げる。 取り立て屋の館林が編集部まで乗り込んでくる。先月分の利子を滞納したから、取り決めにより250万円を一括返済するよう大海に迫る。
大海はお金を作るために奈緒の働いているクラブでアルバイトを始める。奈緒は大海のアルバイトに反対だった。そんな時、奈緒の継母・保子が、300万円を用立ててくれる。奈緒はそのお金で大海の借金を返済する。